「そうだ」

「便利だから? それだけ?」

「ひとに見せられるようなものじゃない……いや、違うな。何十年も、おれは一人だった。見られたくなかったんじゃない。とにかく隠したかったんだろう」

「ひいおちゃんは、どんなにしわだらけでも隠したりしなかった。いつだって、誰よりも堂々としてた」

「ユメに会いたかった。……会える可能性はあったんだ。会えたなら、会わなきゃいけなかった。……あのことだけは、おれの口から直接、ユメに話すべきだった――」

 ハルは仮面を外した。というよりも、仮面がひとりでに外れて、それをハルの手が受け止めたという感じの外れ方だった。

 ヨリは眉をひそめて、くっと奥歯をみしめた。リヨも離れたところからハルの素顔を見ていた。表情を変えることはなかったが、リヨは二度、三度とまばたきをした。

 マナトはまじまじとハルの横顔を見つめた。

 人間が百歳を超えたらどうなるのか。マナトには想像もつかない。マナトの両親はたぶん、三十歳にもならずに死んだ。二人とも皺と染みだらけで、歯がほとんど残っていなかったから、お互いずいぶん小さくなったと言い合って、よく笑っていた。年をとると、人はまず大きくなって、あとは小さくしおれてゆく。縮むだけ縮んだら、生きてゆけなくなって死んでしまうのだ。マナト自身もだいぶ大きくなったから、あとはだんだんと小さくなってゆくのだろう。しょうがないというか、そういうものだとマナトは思っていた。

 ハルの顔は小さくなっていなかった。皺らしい皺は見あたらない。それほど意外でもなかった。ハルは腰が曲がっているわけでも、足を引きずっているわけでもない。人一倍機敏だ。顔だけしわしわで小さくなっていたら、かえっておかしい。

 白い。

 ひたすら白い肌だ。

 色の黒い人もいれば、白い人もいる。ジュンツァとアムはわりと地黒で、ネイカとマナトは白いほうだった。ヨリとリヨも白い。でも、ハルの白さは違う。

 透きとおっているわけじゃないが、ハルの肌には色らしい色がない。そして、網目状に青っぽい筋が浮き上がっている。血管だろうか。唇はいくらか黒ずんでいて、白目は白いというか、青白い。瞳は薄い黄色だ。

「おれは他の生き物たちのように老化することがない。怖がらせたくないが、正確には、おれの中にいるものが、そういう存在だからだ。おれはハルヒロであって、ハルヒロじゃない。おれは生きているんじゃない。生かされている」

不死の王ノーライフキングと、何か関わりが?」

 ヨリがいた。