「キャランビット! 山で待ってろ……!」
これは、竜から飛び降りた人間の声か。そうだ。人間には、男がいて、女がいる。それ以外もいると、父さんと母さんが言っていたけれど、父さんは男で、母さんは女、ハルはたぶん男、マナトも男で、ジュンツァは男、アムとネイカは女だ。あの人間はおそらく女だろう。男と女では、体つきや、声の感じがちょっと違う。だいたいの場合、男のほうが体が大きい。あの女は、マナトやハルよりもいくらか背が低そうだ。
女は背中に斜めがけしていた剣を抜くと、竜に蹴飛ばされなかった神兵に歩み寄った。ただふらっと歩いていって、右手だけで持っている剣をしゅっと振った。たったそれだけで、神兵の右腕と左腕がいっぺんに斬り飛ばれてしまった。
「リンカとルーデン・アラバキアの娘ヨリ! 多勢に無勢と見た、助太刀する!」