あとがき



 藍あい藤ふじは今日も元気です。グリモワール×リバース第四巻をお届けいたしました。

 二巻にわたって展開されたWEB版で言うところの第四章ですが、お楽しみいただけたでしょうか。実際、僕としてはこの作品を書いている中で一、二を争うほどハイテンションのままに書きなぐれたシナリオでしたので、「面白かった」と本を閉じて一言呟つぶやいていただけるなら、それが一番の喜びです。今後ともなにとぞ宜よろしくお願いいたします。

 では改めて読了お疲れ様でした!

 そんなわけで、ちょいと終わった方に向けてデザート的な雑談をば。

 このグリモワール×リバース第四巻も、前巻までと同様に諸々の手直しが入っております。パッと見での差異はそこまで大きくありませんが、基本的に戦闘が充実しております。なんでも、グラスパーアイさんがタコ殴りにされる時間が二十ページほど伸びたとかなんとか。作者としては恨みはないのですが、すまぬ。

 それからユリーカがアスタルテに凹ぼこられているところも十五ページほど増えておりまして。悪く思うなユリーカ。WEB版読み返したら戦闘もう少し欲しかったんだ。

 そしてWEB既読の方が一番気づきやすい差異はおそらくラストではないでしょうか。

 本来であれば第五章への繫ぎで終わっている今章を、一度綺き麗れいに纏まとめることにいたしました。せっかく二巻続きで書いたわけですし、第二巻同様とりあえずここまで! ときちんとピン留めしておこうという形です。

 個人的に気に入っているのは、最後のシュテンの一言。

 旅ってやっぱり、いいもんですねえ! と心の底から最後に言わせることで、普段シュテンくん自身が感じている楽しさを一番読者さまに伝えられたのではないかなと。

 エンディング後のCパートみたいなあの雰囲気を紡ぐのは大変楽しかったです。

 そうそう、第四巻の表紙を飾っているアスタルテ・ヴェルダナーヴァさんは、彼だとか彼女だとかホンモノの性別はどっちだ、いやいや現あら人ひと神がみなんだから性別ないんですみたいな話が作中でありまして結構描写がめんどくさかったキャラです。

 しかしながらエナミさまによるこの表紙でなんというか、

 もうこいつが主人公でいいんじゃないかな。

 と思ったようなこの構図。使役する魔導具もかなり手の込んだ形で作っていただき、とってもありがたみが強い感じとなっております。僕の語ご彙いが足りない。

 第三巻で現世から過去へ、そして過去で起きたなんやかんやを処理してと、順々にストーリーを追っていったにも拘かかわらずこの第四巻は半分以上この人との戦い。

 そりゃあ表紙にがっつり来るだろうなと僕も思っていたのですが、いやはやど真ん中にこんなにもかっこよく映し出されるとは。驚きに目を瞬かせている次第でございます。

 いやはや、エナミさまにはいつも感謝感謝です。

 何はともあれ、グリモワール×リバースはようやっとWEB版で言うところの半分まで到達致しました。

 この後も諸々、WEBでも続きが読めますのでお楽しみいただければと思います。

 さて、と。

 実は今回、前回とは打って変わって結構な分量のあとがきページをいただいておりまして、久方振りに好きに書いていいよとのお達しに何を書こうか悩んでいたのですが。

 やっぱり本編の話をしていると、残る行数と相談して出来る話が限られてきますね。

 このことを作家仲間のSくんに相談したところ、〝ネタが浮かばないというあとがきを書けばいい〟などという何番煎せんじか分からないことを言われまして。

 だからこそ腕の見せ所だ! と彼は言うのですが、いくらなんでもその説得の仕方でよしやるかあとはならないわけで。

「TRPGだったらファンブルしてるような言いくるめだなそれ」

 と言ったところ、一瞬で返ってきた言葉が、

「ある意味でクリティカルな問題だからね」

 やかましい。常日頃から言葉遊びではなかなか彼に勝てないので、言いようのない悔しさに襲われている毎日です。……それって言いくるめられてないか?

 閑話休題、楽しい日常を送らせて貰っておりますので、これからもどんどん楽しいお話を紡いでまいりたい所存です。

 おっと、そうだ。

 来月のカドカワBOOKSラインナップにも、また僕の作品が登場します。

 グリモワール×リバースとは打って変わって現代学園ラブコメディ。〝小説家になろう〟さまでファンタジー作品ばかり書いていた僕にとってはなかなか新鮮な感覚で執筆を楽しむことが出来ていますので、面白くなっているはず。グリモワールのネタっぷりをそのままに、とある軽音バンド(構成:ギター・アコーディオン・シンバル・法ほ螺ら貝がい)が廃部の危機を逃れるために四苦八苦。

 カドカワBOOKS創刊一周年に合わせ、しょうもないネタとほんわか恋愛を取り込んだお話を投げさせてもらいますので、宜しければ是非お手に取ってみてくださいませ。

 なお仮題は『盆ぼん倉くら高校軽音部の絶望的なバンド事情』となっております。お見掛けになりましたらなにとぞ。

 それでは、謝辞を。いつもながらお世話になっている編集W氏、並びに編集長をはじめとしたカドカワBOOKS編集部の皆さま。ありがとうございます。

 イラストレーターのエナミカツミさま、並びに装丁の伸童舎さま、営業の方々、いつもご迷惑をおかけしております。今後も宜しくお願いいたします。

 そして、いつもお買い上げいただいております読者の皆さま方。毎度のことながら、本当にありがとうございます!

 物語って、いいもんですねえ!


 2016年7月吉日 一年以上前にヴェローチェさんを生んだ席であとがきを連ねつつ

藍藤 遊ゆう