ギリギリで魔力を絞らなかったら、多分、かめはめ○みたいになったと思う。
私とフランは想定外の衝撃で言葉をなくしていたのだけれど、レグリット講師は恐怖で震えていた。化け物を見る目を向けられたけれど、それで傷つかない程度には、怪物じみてる自覚があるよ。
ファンタジー世界だからって、少年漫画のバトルものみたいな真似が一般的とは限らないからね。
私としては、レグリット講師の反応も仕方ないかな、と思っているのだけれど、優秀な従者のフランはその限りじゃない。
だからと言って、暴力に訴えたり、声を荒らげたりは決してしない。
「レグリット様。本家御当主から、お話がございますので、ご案内いたします」
代わりに、物凄い綺麗な笑顔になった。
有無を言わせないくらいの迫力だけど。
アポも取らずにお父様のところへ連行するんだから、よっぽどだよね。
申し訳ない事したとは思うけれど、私に止める権限はないんだ。ごめんね。
彼女の身に、これから何が起こるかは知ってる。ビー玉作った時とか、お母様とテトラがあんな感じだったから。
多分、侯爵家の威光で散々脅して、私の事を口外しないよう記した契約書にサインさせるんだと思う。魔法で強制的に行動を縛るやつに。
もしかすると、魔塔を辞めさせられた上で、侯爵家の監視下で働くことになるかもしれない。
ビー玉事件当時のメイドさん達がそんな感じだからね。まあ、彼女達は忠誠心があるので、今でも私付きで働いてくれてる。
ちなみに、数日後、魔法属性測定師資格持ちの魔法講師が、我が家に就職しました。
よろしく──で、いいのかな?