今度も女の子
転生した事を認識してから、多分一週間くらい経ったと思う。
起きていられる時間が少なくて、きちんと数えられているか、少し自信がない。数え間違えてたところで誰も困らないから、まあいいか。
現状把握はまるで進んでいない。
一口に転生と言っても、異世界であったり、歴史上の人物であったり、ゲーム世界であったりと、前世のラノベ知識では色々だった。
だからなるべく早く把握して、対応を考えようと思っている。
それくらい暇だとも言う。
とりあえず、ループモノではないみたい。
母親らしき人の他に、私の世話をするために複数の使用人が出入りしている。この時点で、日本の一般家庭では有り得ない。
どうやら、今世の私の生家は随分お金持ちらしい。
そもそも、私の人生なんてやり直したって、面白みはない。特別充実してたとも思わないけれど、不満もなかった。特に後悔している事も無い。早逝すると知っていれば、もう少し親孝行しておけばよかったと思うくらいかな。
そんな人生を繰り返す方が絶望しそう。
あと、私、女の子。これ大事。
ついてなかった。
ラノベでは基本的に同性へ転生しているけれど、例外も一部ある。
少数であっても、性同一性障害が起こり得るのだから、自意識が身体と紐づいているとは思えない。つまり、転生した際に同性となる確率が二分の一であっても不自然ではなかったんだよね。
転生って不思議現象に理屈が通じるかどうかは分からないけど、私にとっては現実。ご都合主義を含んだラノベ知識はあまり役に立たない気がした。
だから、きちんと確認したよ。
幼い頃はまだ可愛いと思えるけれど、だんだんグロテスクになってゆくぷらーんが私についてなくて、本当に良かった。
もしもの場合、今から将来を儚むところだった。二分の一の勝利に感謝。
今のところ、私の異世界生活は単調だった。
基本的に寝ていて、お腹が空くと目が覚める。起きた私がぐずりだすと、使用人っぽい人がお母さんを呼びに行ってくれる。
〝らしい〟とか、〝ぽい〟とか付けてしまうのは、お世話してくれている人達の顔がはっきり見えないから。
どうも、脳か視神経がまだ未発達らしい。抱き上げてくれた際、近くにあるお母さんの顔が視界に入っているのに認識できないって、すごく不思議な感じ。
お腹が満ちると、気持ち良くなって寝てしまう。
というか、起きていられない。電源が落ちるみたいにプツリと意識が途切れる。
寝て、起きて、おっぱいを飲んで、また眠る。このサイクルを数回繰り返すと一日が終わる。
情報を集める余地ないです。
でも、大切な発見もあった。
今度のお母さん、おっぱい大きい。
大事だよ。
前世は、洗濯い……げふん、げふん……ちょっとささやか気味だった私にとっては、すごく大事です。
だって、おっぱいを飲もうとすると埋まるんだよ。
すっごい柔らかいんだよ。
あの人の遺伝子を私は受け継いで、今世の私は成長を期待できるんだよ。
テンション上がるに決まってるよね。