目を閉じます。

「愛している」

 ヴィルヘルム様が、そう私に愛の言葉を囁ささやかれて。

 ちゅ、と。

 柔らかいものが、私の唇を覆いました。

 ほんの、一瞬の触れ合い。

 ですが、幸せです。これ以上ないくらいの、至福の時間です。

「よろしい」

 私からヴィルヘルム様が顔を離されて、神父様が手を叩たたかれました。

「神の御前にて、愛を誓った二人は、これより夫婦となった!」

 私、公爵令嬢キャロル・アンブラウス十七歳。

 元騎士団長ヴィルヘルム様の、幼妻になりました──。