そう思い腕を上げたところで、両手で体を持ち上げるように抜け出そうともがいたことで、ドレスローブを置き去りに豊かな胸が露出した。もがく度にゆさゆさと揺れるたわわなおっぱいを眺めていて思い出す。
(なんか見覚えがあるような見事な胸だな。どこかで見たことが……あ、これオーガの時のおっぱいさんだ)
念のために顔も見てみたが、美人であることがわかっただけで顔とおっぱいが一致しない。
「──!──!」
やはりと言うか何を言っているのかわからない。多分セイゼリア語を話していることから、やっぱり彼女はあの時のおっぱいさんなのだろう。となると彼女はあの魔剣を取り戻しにわざわざカナン王国まで来たということになる。
(あー、やっぱ相当高い物だったかー……)
命を助けた代金としてはあの魔法薬でも十分である。実際の魔法薬のおかげで俺は命拾いしている。俺は「仕方ないな」とがおがお呟くと、喚くおっぱいさんを掴んだまま荷物の元へとノッシノッシと移動を開始。
歩く度に振動でポヨンポヨン。抜け出そうともがく度押し付けてムニムニ。いやはや、実に素晴らしいものをお持ちである。そこでふと逃げ出すこともできずに立ち竦む連中に目を向ける。
魔法使いが一人攫われようとしているが、残された者達の中に何かしようとするものはなく、むしろ「一人の犠牲で済むのなら」と諦めの表情すら浮かんでいる。俺はその光景を見て鼻を鳴らすと、興味が失せたと言うように再び背を向けて歩き出す。
抜け出すことが無理だとわかったおっぱいさんがポカポカと俺の指を叩くが、痛くも痒くもない上に何かカワイイので放置。またおっぱいが出しっ放しだったので好感度がアップした。
さて、抵抗を諦めたおっぱいさんが何か言っているが理解できないので無視。美人を無視するのは心苦しいが、今は許して欲しい。そんなわけで荷物の元へ到着、彼女をそっと地面に下ろすと状況が理解できないのかこちらに何か話しかけている。
取り敢えず、まずは渡すものを渡そうとリュックに付けた魔剣を外し、それを彼女の前に持っていく。それをしばらく信じられないものを見るかのような目で見ていると、我に返ったようにこちらに向き直る。
俺は頷き、魔剣をその場に置くとリュックを背負いドタドタと立ち去る。馬車が逃げずに残っていたので帰りも問題ないだろう。
「───!」
後ろから彼女の声が聞こえた。俺に何かを呼びかけているかのように思えたが、振り返るのも格好がつかない。
(いや、もう一目あのおっぱいを見るのもアリなのでは!?)
そう思ったが、流石にもう服の乱れを直しているだろうとそのまま走り去る。これであのおっぱいさんとの接点はなくなった。少し悲しい気持ちになったが、俺にはエルフ監視の任務もある。ともあれ、これでカナンでの活動に制限がかかった。さて、次の狙いはどうしたものか?
ちょっと本気で今後のことを考える必要がありそうだ。