「それが初代勇者様の世界で言う出汁だしという文化らしいよ。この出汁というものに馴れてしまうと我が国の料理では物足りなくなってしまう人が多いんだ」

確かにこれは次元が違う。

貴族がどんなものを食べているのかなんて知らないけど、辺境の村の食事なんて具材を切って鍋にぶち込んで少しの塩で味を調えてお終い。

だから味にここまでの深みなんて無い。

まぁうちと村長さんとハルヒィさんの所だけは俺のスキルのアウトドアスパイスを使っているから次元が違うけど。

醤油は美味しい分お高いんだよなぁ……

サイさんとご飯を食べた後はそのまま商業ギルドへ。

商業ギルドの受付で会員証を提示する。

「ラグナ様ですね、本日はどのようなご用件でしょうか?」

僕が答える前にサイさんも懐からすっと以前にも出したカードを提示する。

今回の受付の人は一切表情を変えることなくカードを確認すると、こちらへどうぞと以前案内された個室と同じ場所に案内される。

しばらくするとマホッテト司祭と何故か商業ギルド長のアムルさんが部屋に入ってきた。

「お久しぶりです」

サイさんと共に挨拶する。

「おぅ、久々だな。今日はどうした?」

「ラグナ君が魔法学園の入学試験を受けるので王都に向かう途中、一度ここに寄って欲しいと教会の方々から連絡がありまして」

ギルド長がチラッとマホッテト司祭を見るとこくりと頷く。

「ラグナ様、お久しぶりにございます。ラグナ様にはこちらをお渡ししたいと思いサイ殿に言伝をお願いした次第です」

マホッテト司祭がそう言うとラグナへと手紙を渡す。

「これは……?」

「こちらは商業ギルドの神殿からの学園への推薦状となっております。きっとラグナ様には必要になると思いますので」

推薦状なんて必要なのか……?

でも言われてみれば確かイルマも推薦とか言っていた気がする。

「推薦状なんて必要なんですか?」

みんなを見るとサイさんとギルド長は苦々しい顔をしながら頷く。

「ラグナ君には王都に着いたらうちからもそれを渡す予定だったんだ」

「ただ学園への入学試験を受けるだけなのになんで……?」

答えはギルド長が教えてくれた。

「言いにくいことだがラグナ君は平民だろ? この国の貴族、特に王都に住む貴族連中は平民を見下す奴がほとんどだ。まず平民が入学試験なんかを受けに来た時点で彼奴らはそれが気に入らない。何故平民が学園に通う必要があるのかと。どうしても試験を受けたいならまずはそれ相応の賄賂を寄越せと言ってくる奴もいるくらいだ」

「えっ……」

「事実だよ、ラグナ君」

驚いてサイさんを見るとそれが真実だと頷く。

そう言えば両親からも昔聞いたことがある。

この国の貴族連中は腐ってると。