あとがき
はじめまして、海野はなと申します。
この度は本書を手に取ってくださり、誠にありがとうございます。
本作は「小説家になろう」に投稿した同題名の短編を加筆し、大幅加筆し、加筆しすぎて今度はぎゅぎゅっと凝縮した1冊です。私はどうにも書き始めると楽しくなってしまい、書きすぎる傾向にあります。担当様にはご迷惑おかけしました。1冊にまとまってよかった……。
そして、今作が私の初の書籍化作品です。無名の新人、いや素人に短編でお声掛けくださった、ツギクル様の無謀さと勇気に乾杯。おかげで夢が一つ叶いました。心から感謝しています。
さて、本作は「そうだ、短編書こう!」という思いつきから始まりました。その中に流行りの要素も入れたいと思い「婚約破棄からのざまぁ」を私なりにこねくり回した結果、「婚約破棄してざまぁされた駄目王子が改心し、カッコよくてデキる王様に成長する話」に決まりました。が、しかし。いざ書き始めてみると、主人公クラウスは悶えて奇声を上げ始め、全然カッコよくならないし、素直で凡庸という設定のためにデキる王様にもならない。人生三度目のはずなのにいつも余裕がなく、リーゼが絡むとひどく狭量になるし、大人げない。どうしてそうなった。だけど、そんなどこかポンコツで一生懸命なクラウスだからこそ、リーゼを始めとする作中のキャラたちが支えなきゃと思い、読者様にも応援していただけたのかなと思います。
ここからは少々ネタバレを含みますが、本編で語られなかった登場人物たちの三度目の時間軸での歩みを、文字数の許す限り書きたいと思います。まずはクルトですが、彼は三度目にも存在します。クラウスと顔を合わせることはありませんでしたが、リーゼの婚姻後に公爵領に移り、次期当主のリーゼの弟を支えました。鉱山の親方は仲間とちょっといい酒を酌み交わしながら長生きします。神父さんは体調の許す限り教会を渡り歩き、のちに孤児の救世主と呼ばれるようになります。宰相は引退後に公爵領でのんびりすると言いつつそれができる性格ではなく結局動き回り、ラファエルはなんだかんだ言いながらずっとクラウスを支え、あぁ文字数。
最後になりますが、いつも的確なアドバイスをくださった担当編集様、美麗なイラストを描いてくださった梅之シイ様、この本の出版に携わってくださった全ての皆様に御礼申し上げます。ありがとうございます。
「小説家になろう」で応援してくださった読者の皆様。この本が出版できたのも、皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。そしてこの本を手に取り、読んでくださったあなたに、最大の感謝を捧げます。少しでも読んでよかったと思っていただけていたら、作者としてこれ以上の喜びはありません。
2023年9月 海野はな