キーブの説明を聞きながら、村人達は『すごい場所だ!』と感嘆の声を上げていますわね。まあ、こういう鞄内部の異空間にでもなければ到底実現し得ないくらいの高性能な農地ですものね、ここ。あっ、ちなみに用意しておいた食料はアレですわ! 焼いた村から頂いてきた麦を別の麻袋に詰め替えただけのやつですわ! 安く上がって丁度よくってよ!

「あの、作った作物はどうすればいいんですか?」

「中央の畑の作物は、葉を落として乾燥させて、袋詰めにしてください。魔法薬の原料にします。茎は表皮を剝ぎ取って、水に晒して繊維にしてください。これがうちの主力商品になるんです」

 一応、対魔の正しい使い方の方もやっときますわ。ええ。この繊維、ちゃんとできればそれなりに売れますのよねえ。この国では対魔の栽培を禁止していますから、対魔法装備に使える対魔の繊維は輸入頼りですもの。そこに裏からちょいと対魔繊維を流してやれば、間違いなく儲かりますわ。

「必要な作物は、以上です。これ以外の畑で皆さんが作った作物があれば、それは自由にしてください」

 給料を貰って働く小作農なのに、自由にしていい作物がある、という高待遇に、村人達はまたざわめきますわね。まあ、よくってよ。こいつらが楽しく幸せに働いてくれるなら、葉っぱの生産も捗るってモンですわ! 麦も人参も芋もどうでもよくってよ! そんなの好きにすればよいのですわ! おほほほほほ!

「ああ……なんて幸せなんだろう」

「神よ、感謝します!」

 村人達が感涙を流して祈り始めたのを見ながら、キーブも私達も、よかったね、みたいな顔しておきますわ。

 ……まあ、この村人達は自分達の村を焼いた奴らの鞄の中で葉っぱを製造させられるわけなのですけれど、幸せそうだしこれでいいですわね。おほほほほ。