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 さて。

 エルフたちも無事に救助できたことだし、事件はいったんの落着をみた。

 クローフェ女王はもちろんのこと、もうすべてのエルフが俺の虜になっているな。

 俺がエルフ王国を歩くだけでも、

「あ、エスメラルダ様~!」

「エスメラルダ様を見習って、私もラストエリクサー作れるようになりましたよ~!」

 と声をかけられるようになった。

 ……クックック、実に良い傾向だな。

 ユリシアの陰謀を止めることができたとはいえ、このゲームはかなり壮大なストーリーが盛り込まれている。はっきり言ってまだ序盤も良いところなので、今のうちにエスメラルダ王国の勢力を大きくできたのはでかい。

 前世ではクソ上司に何度もいびられてきたからな。

 今生は好き勝手にいかせてもらう。

 また俺がヴェフェルド王国の王になるという件だが、なんとあれも実現する方向で話が進められているらしい。

 エルフ王国を統治しただけでなく、三大国代表会談で襲ってきたテロリストを単身で撃破したわけだからな。

 次期国王としてはルーシアス第一王子が最有力候補だったが、ルーシアスでもこの実績には敵わないということで――。

 俺は近々、ヴェフェルド王国の冠をいただく予定だ。

 クックック……。

 俺の支配地域も、そして奴隷となる人々も着実に増えている。

 前世のように働くこともなく、ただのんびり過ごしているだけで、金と飯とおっぱいが寄ってくる生活。

 それは間近に迫っているといえよう。


 ――と思っていたのは確かだが、それは俺の想定以上に間近だったようだ。

「エスメラルダ様ぁ~♪」

 その日の夜。エルフ王国の王城にて。

 いつも通り客室で就寝していた俺のベッドに、またも乗り込んでくる女がいた。

 そう――。

 エルフ王国の第一王女、ローフェミア・ミュ・アウストリアだ。

 あえて狙っているのか、肌の露出部分がすさまじく広い。

 俺が巨乳好きなのを察しているのか、特に胸部分のアピールがすごかった。

 ……うん、やっぱりローフェミアのおっぱいはすごくDE☆KA☆I!

 と、いやいやいや。

 そんなことを考えている場合ではない。

 これほどにDEKAIおっぱいを、こんな間近で見せられたら……。

「ローフェミア、おまえ……!」

「えっへっへ。約束を果たしにきたんですよ。私、一日だって忘れなかったんですからね?♡」

「や、やくそく……?」

 そこまで言いかけて、俺はふいに思い出した。


 ――俺たちが真に結ばれるべき時は、ユリシアを倒し、エルフ王国に本当の平和を取り戻してからだ。そうじゃないか?――


 おいおい、マジか。

 そういうことなのか。

 ユリシアを倒してエルフ王国が平和になった今、とうとう聖戦をおっぱじめようってのか。

「おいおい、あまりにも急だな。俺、寝る前に風呂入ってないぞ?」

「いいんですよ。――私のエスメラルダ様が、約 束 を 破 る わ け な い で す よ ね?」

「あ、はい」

 忘れてた。

 このローフェミア、ヤンデレっぽい気質あるんだった。

 ここで断ったらとんでもねえことになりそうだぞ。

 むにゅ、と。

 ローフェミアは俺の手を急に掴み上げると、それを自身の胸にあてがってきた。

「うお……!」

 まずい。

 まずいぞこれは。

 この状況を放置すると大変なことになる。


「――――待つのだ、ローフェミア王女!」


 と。

 ふいに扉を開けてくる者がいて、正直助かったと思った。

 このままだと俺自身の歯止めがかなくなる可能性があるからな。

「私の初めてはエスメラルダ王子殿下に捧げるつもりだったのだ! ぬけがけは許さんぞ!」

「…………おいおい」

 結論から言おう。

 ちんにゆうしやの正体は、かの剣帝ミルア・レーニスだったんだが――。

 そのミルアも、タオル一枚というありえん恰好をしていた。

「あら、なにを言ってるんですかミルアさん♡」

 ベッドに乗ったままのローフェミアが、俺を見つめてめんように笑った。

「大丈夫ですよ。エスメラルダ様はみんなのものなんですから、二人でこのひとときを楽しめばいいんです」

「なるほどそうか。それもそうだな」

 なにが《なるほど》なのか、まったくわからない件について。

 ……もういい。

 二人を信じたのが間違いだった。

 俺の性癖がねじ曲がっているせいかもしれないが、こうして向こうから恥じらいもなくグイグイこられるのは、なんか違う。

 おっぱいは、ただそこにあればいいというものではない。

 恥じらいと可愛らしさ、この二つがうまく噛み合ってこそ、最高の魅力を秘めた〝膨らみ〟たりえるのだ……!

 悪のおっぱい王国を築く者として、雑におっぱいに触れるのは、あってはならないことと言えよう。

「クックック……。おまえたちはわかっていないな。俺がそう簡単におっぱいに触れるわけが――」

 俺がそう言いかけた、その瞬間だった。

「ローフェミア! 抜け駆けは許しませんよ!」

 今度はなんと、クローフェ女王が部屋に押しかけてきた。

 しかも例によって、うっすいタオル一枚だけを身にまとっている形である。

「お、おいおい……。あんたは一番軽率なことしちゃ駄目だろ……」

 しかも彼女だけではない。

「エスメラルダ様! 私の裸も見てください!」

「あ、駄目ですよ! エスメラルダ様は私のものなんですから!」

「ご主人様、下僕たる私も参上しました! ぜひ今日こそ、私の巨乳を揉んでください!」

「…………」

 さらには大勢のエルフが押しかけてくるのみならず、なぜか会談時に助けたミューラ秘書官まで押しかけてくる始末。

「きゃっ……!」

 そして――これは前世でいうラッキースケベな展開だろうか。

 大勢のエルフたちがもみくちゃになっているせいで、ミルアやローフェミアを筆頭とする多くの女性たちから、タオルが勢いよくはだけてしまった。

 そう。

 つまりは今、俺はじかに見てしまったのだ。

 前世では決して生で見てこなかった、大きな膨らみたちを。

 ミルアやローフェミア、クローフェ女王、ミューラ秘書官、そして大勢のエルフたちの生おっぱいを。