「フフフフフ…………」
結論、俺はめちゃめちゃ強くなった。
ゴールデンアイアントやシルバースライムなど、取得経験値の高いモンスターがリポップしやすい場所だけを重点的に巡回した。
逃げ出そうとする前に、奴らに唯一通用する炎魔法――〝デスファイアロック〟をもって討伐する。
この戦法を用いて、徹底的に経験値を溜め続けてきたわけだ。
よくあるRPGよろしく、ゴールデンアイアントもシルバースライムも、HPが低い代わりに〝防御力〟と〝素早さ〟がクソ高いからな。プレイヤー側が頑張って倒そうとしても、こちらが行動する前に逃げられてしまうのだ。
そこで活躍するのが、前述のデスファイアロック。
この魔法は攻撃範囲が狭い代わりに、当たりさえすれば相当な高火力を発揮するからな。
奴らの高い防御力を貫通し、充分なダメージを与えることができるのだ。
――そしてやはり、俺はゲーマー的資質が強いのかもしれない。
「さ、さすがにもう限界です、エスメラルダ王子殿下……」
「私もちょっと疲れました……」
ミルアやローフェミアがそう言って座り込んでいる間にも、
「ははははははははははは! その程度かモンスターども!!」
俺はレベルアップする快感を抑えることができず、ひたすらモンスターを狩り続けていた。
……そういや、小さい頃は余裕でゲームに一日費やせたからな。
社会に出た後はそんな気力さえ湧いてこなかったが、これが本来の俺の姿なのかもしれなかった。
睡眠時間など五時間程度で充分。
食事も手短に済ませればいい。
とにかく意識の保てる限りをゲームに費やし、小休止を取っている間もゲームのことばかりを考える。
……ゲーマーってそういうもんだもんな。
「す、すごい、エスメラルダ様、ストイックすぎます……」
「これではたしかに、私が抜かされるのも道理か……」
二人はなにか勘違いしていたようだが、そういうわけで、俺は一週間ずっと《エルフリア森林地帯》のなかにこもっているのだった。
エスメラルダ・ディア・ヴェフェルド レベル50
物理攻撃力:5035
物理防御力:4803
魔法攻撃力:5498
魔法防御力:4769
俊敏性 :5002
……うん、やっぱりこれはゲームの主人公よりも強いな。
レベル五十といったら、主人公だとせいぜい物理攻撃力が四千になるかどうか。
エスメラルダは怠惰なだけで、その才能はもはや主人公など相手にならないレベルだった。