「? どうしたんですか、エスメラルダ様」
「い、いや……。なんでもない」
嘘だろ。マジでローフェミアだったのかよ。
さすがに予想外だったものの、ここで彼女と出会えたことは、ある意味で僥倖と言える。
登場初期こそあまり強くないが、素養だけで見れば最強クラス。根気よくレベル上げを続けていけば、やがては主人公さえも超える超化け物へと変貌を遂げるんだよな。
そしてもうひとつ、彼女には非常に重要な設定があり――。
「ねえ、来ますよね? 私の故郷に」
急に冷たいオーラを放ちながら、再び腕を絡ませてくるローフェミア。
その際にまた豊満な胸が当たっているが、たぶん、これはあえて当てている。
なぜなら彼女は――。
「来ますよね? エスメラルダ様。来てくれますよね………………? じゃないと私、もう生きていけないんじゃないかと思うんですよね………………」
そう。
彼女は極度のヤンデレであり、特定の誰かを好きになると一切まわりが見えなくなる。
本来であればゲームの主人公にその狂気っぷりを発揮するわけだが、さっそく通常のシナリオがずれ始めているようだな。
「……行かないと駄目か?」
「そうですね。来てくれないと困りますね。だってそうですよね、私にはもうエスメラルダ様しかいないんですよ???」
そしてこの様子だと、まあ間違いなくヤンデレモードになっている。
心なしか俺を抱きしめる力が強くなっており、これくらいの力があればさっきの男たちも自分で倒せただろ、という気持ちを一生懸命封殺する。