第四章 風鈴 銘無し 友鈴

七月頃の暑い夏……。

まだ現代よりは涼しいが暑い事には変わりがない。

俺は二年前から作りたかったものをようやくこの夏に作ったのだ。

それは風鈴である。

《チリーン……》

ガラス製で高い音が心地良い……。

夏の風物詩と言えばの代物であり、耳から涼しくなる物だ。作る時は大変暑かったが仕方ない……。

「宗助……この音、涼しいなぁ……」

「風が気持ちいいねぇ~」

遊びに来たおゆきと太郎も俺と一緒に縁側で寝転がるが風鈴の音が予想以上に涼しく眠気が来る……。

今日は風も吹いてるから心地も良くて……あ、寝そう……。

俺は眠気でまぶたが落ちていくのを認識しながらも、眠気に逆らわずに眠ろうとする。

「ここで寝るには今日の日差しはちと暑くはないか?」

……が突然の声に眠気が吹っ飛んだ。

目を開ければ俺のすぐそば……正確には俺の頭上の位置にしゃがんでこちらを覗き込んでいる義晴様が見える。

「今日は日差しがきついから家の中で寝た方がいいぞ」

そう言って俺の脇に手を入れて、ずりずりと家の中に引きずる義晴様……と三九郎さんもいたのか太郎を同じように……いや、重そうに引きずっていた。おゆきは自分で中に入ったようだ。

《チリーン……》

「お、涼しい音がするな」

「風鈴……?」

やはり気づいた……。まぁ、仕方ない、音がするし……。

俺は体をゆっくりと起こして伸びをしながら風鈴を指す。

「風鈴ですよ、高い音がして涼しくなるような気がするんです」

「いや宗助、なるようなじゃなくて俺は涼しいぞ」

「そうよ宗助ちゃん、私も村より涼しく感じるわ」

「ほう……まぁ、確かに音が涼しいな、しかしびいどろの風鈴は初めて見たぞ」

「そうですね、高い音が体に響きますな……」

義晴様は目を瞑って風鈴の音を聞いている。

とりあえずもう目が覚めたから昼餉ひるげの準備をしよう……。

俺が徹夜で作業に集中しすぎて朝飯を食い忘れたのもあるが眠気が飛んだせいなのか腹が減ったからだ。

俺が厨房に向かうと全員が首を傾げたので朝を食い忘れたと伝えると予想もしないところから説教が飛んできた。義晴様である。

朝餉あさげを食べてない!? 何を考えているのだ! 夏はちゃんと食事をしないと体がもたないだろう!!

「えー……」

「えー、じゃない!! お前のことだ、物作りに集中しすぎて食えなかったんだろうがちゃんと食え!!

何だか姉さんを思い出すな……こうやって結婚の事とか普段の食事の事とか口うるさかったっけ……。

痛ぁ……!!! 拳骨された……!

「聞いてるのか宗助……! ったく、なんか作るなら俺にもくれ、怒鳴って腹が空き始めた……」

「あ、はい」

またか……と言っても逆らえないし、昼餉として出せそうなのなんかあったかなぁ……。

義晴様はまた居間に上がるとどかりと座り込んでこちらを見ていた。どうやら俺の朝餉兼昼餉作りを見学、いや、この状況だと見張ってるようだ。

なんかおゆきたちと話してるけど聞こえないな……。まぁ、どうせ俺の昼餉について聞いてるんだろうが……。


「おい、宗助はいつもこうなのか? 俺が前に来たときはちゃんと食事をしていたようだから知らなかったが……」

「……宗助ちゃんは村に来た時からこうでした。稲刈りの手伝いも私と太郎が止めないといつまでも続けようとするのです」

「あいつは自分の癖に気づいておりません……。何か思いついたり、やることが出来ればやり続ける癖があるようで……、俺、いえ私達村の者がよくここに来るのはあいつが倒れてないか見に来てるのもあるのです……」


パチリと何かを叩く音がして咄嗟とっさに振り向けば義晴様が手を顔に当て、三九郎さんがこっちを何故か半目で見ていた、と思ったら見ている俺に気づいてかまどを見ろと手で指示してきたので目線を戻した。

……一体なんなのだろうか。


「なるほどぉ……あいつはあぶなっかしい職人だというのは今日でよくわかったよ……」

「はい……だから、宗助が刀作りに集中したいと言って来た時は俺等が毎日来て様子を見てたんです……奇跡的に倒れなかったので良かったですが」

「宗助ちゃん、作品を作っている時に邪魔されるのが一番嫌いなんです……だから見てるしかなくて……」

「いつか命削って何か作品を作りそうですね」

「「えぇ……!?」」

「やめろ、宗助ならやりかねない……」


なんかにぎやかだなぁ……。という間に料理は出来るのだが。

夏と言えば皆は何を思い浮かべるだろうか、俺は素麺そうめんだ。

素麺は奈良の時代からあるもので作り方もあった。ここの山の水は澄んでいて、キンキンに冷えているので素麺との相性が最高にいい。

「出来ましたよー」

「おぉ……って、おいこら宗助、飯を食えとは言ったがこんな季節に素麺は無いだろう」

「? 涼しくて夏は美味しいですよ」

「あ? ……まぁいい、食べよう」

義晴様の分だけでなく三九郎さんやおゆきと太郎の分も用意するため皿を置けば三九郎さんが気付いて首を振る、がもう用意してしまったと言えば渋々席に着いた。

先日の揚げ物を腹いっぱい食べた事もあって気を付けていたようだが、俺は残念ながら客人は存分におもてなしをするのが好きなのでここでは食事をしてもらうぞ。

……何? 人嫌いな癖に? それはそれ、これはこれだ。おもてなしの精神は日本人のさがだ。

「ありがとう宗助ちゃん……でも私達は朝餉を食べてるから少しでいいわ」

「俺も少しだけ貰うよ、宗助の御飯美味しいから」

「素麺だけどな」

「でも普通の素麺と違うわ、色がついてるもの、それに涼しいし」

「俺もこの色付き麺好き、あと涼しいし」

俺は色付きを少し入れるのが好きなんだ。なんか得した気分になるからな! 特に大勢で食べるときは特にそう思う。あとやけに涼しいを強調するな二人共……。

「本当だ、色がついてるのがある……」

「……食べられるのか?」

「食べられます。緑は抹茶、薄紅は梅紫蘇うめしそを練りこんだものですので」

「失礼を言ってしまい申し訳ない……」

俺は気にせず水を素麺が入ってる器に入れると義晴様と三九郎さんはぎょっとしたような表情になった。

俺はその二人の表情を見た時に思い出した。この時代素麺は温めて食べるのが主流であったと……。

昔会社の慰安旅行で行った素麺の工場で作り方と共に歴史も教えてくれたんだった……確か江戸時代辺りで冷たい麺にして食べた人がいるって言ってた気がする。

おゆきと太郎はおそらく俺の行動に慣れているが故に黙っていたのだろうが、ここでは異常な事だったのだとようやく俺は気づいたのである。

「水を入れて冷やすのか……!? 本当にこれで食べるのか……?」

「色がついているだけでなく冷やすのか……初めてみたぞ……」

内心慌てるがもう遅い、俺は早々に対処を諦めて醤油とみりんで作った麺つゆを全員の器に入れた。

知っている二人は手早く自分の食べる分を器に入れ、それを真似するように義晴様と三九郎さんは器に素麺を入れ始めた。あ、色付きを三九郎さんが多く取ってる。

おゆきと太郎がいただきますと言ってつるつると食べ始めるので俺も食べる。

やはりここの水で作ったおかげか冷えていて、のど越しがいい。義晴様と三九郎さんも俺らを見て食べ始めたがあの素揚げを食べた時のようにカッと目を見開いていた。

流石に食べなれないかと心配したが二人はずるずると勢いよく食べ始めたので美味かったのだろうと俺は勝手に思っておく。このままだと俺の分が無くなりそうなので俺も麺をすする。

しかしこの月でもう六回目の素麺となると少し食べ飽きるな……そろそろ色付き麺の種類を増やすか出汁を替えてみようか……。

「(なんだこの素麺は! 食べても食べても箸が止まらない!!)」

「(するすると入る……ダメだ、また食べ過ぎてしまう!!)」

「(あぁ……また宗助ちゃんやってしまったわ……でも、私も素麺は好きだし……)」

「(また、月ヶ原様に気に入られた……でも宗助料理上手だから俺らも好きだし、美味しいし……)」

「(あ、薬味もいいなぁ、今度入れよう)」

このあと宗助は三九郎に素麺の作り方と麺つゆの作り方を教えたのであった。


チリーン……。


「はぁ……食べた、食べてしまった……」

「そう落ち込むなよ三九郎、美味いから仕方ないだろう」

「うぅ……忍びは、忍びは耐えるものなのに」

「やれやれ……」

どうやら俺はまた三九郎さんの忍びとしての矜持きょうじをへし折ってしまったようだ。

だが先ほど言ったように俺の家でのおもてなしの方針なので三九郎さんには悪いが俺は満足している。


チリーン……。


「……宗助、あの風鈴の製作を依頼していいか? 俺の部屋に欲しい」

お? 今日は持って行かないのか。お偉いさんからの依頼は初めてだから少し緊張する。

ここは相手の予想を超える最高の物を作らねば! それが依頼を受ける上での大事な事だから!

「構いませんが材質はどうなさいますか?」

「ん? びいどろ以外にもあるのか?」

あ、そうか初めてガラスの風鈴を見たんだったな。これはそれ以外の材質の注文となると俺の説明を聞いてからの注文になる……説明は俺の感性の部分も入ってしまうが仕方ないだろうな。

「はい、ガラ……びいどろ以外には陶器と金属、木と水晶などがあります。しかし、私が作れるのは水晶を除いたものとなりますが……」

「なんと木からも風鈴は作れるのか……うむ、やはりびいどろがいいな、この音が心地いい」

「承りました。数は一つでしょうか?」

この時代だし、もう嫁さんもいるだろうと数を聞けば少し考えたあと義晴様は指を二本立てた。

やはり嫁さんにかと思えば予想とは違う答えが返ってきた。

「……二つ頼めるか、暑さに弱い爺がいるんだ」

「爺?」

「ご老公様の分です」

俺が聞き返せば、すぐに三九郎さんが耳打ちで早口でだが教えてくれた。

昔から義晴様に世話を焼くお人で、恩師のような人物らしい。今でも現役の武将として働かれているという。聞く限りスーパーハイスペックお爺ちゃんらしい。

そのご老公様がなんでも年のせいもあり夏場では体調が優れないことが多いらしい。この風鈴で少しでも涼しく過ごしてほしいのだろう、と。

なんだ義晴様も意外と優しいとこあんだなぁ。なんて思っていたら義晴様にジト目で睨まれたので話題を変えようと注文についての話に戻した。

「……では、風鈴が二つですね。江戸ふ……あー、透明なびいどろと色付きのびいどろがありますがどうされますか?」

「? びいどろは透明であろう? お前のはそうではないか」

「はい、透明なびいどろに絵を描いております。が、青い海のような色のびいどろ等がありまして」

「……俺には分からぬ、お前に任せるから好きに作れ」

「わかりました」

なんと俺好みの注文なんだ! 今ぶら下げている江戸風鈴もいいがやはり琉球ガラスの風鈴を作りたい!! 淡い色で水色と薄緑とか夏にいいよなぁ!! でも海を思わせる深めの青も捨てがたい……!!!

あぁでもサンドグラスがここじゃあ出来ないんだよなぁ!! 絵を描くなら薄めにした方が……!! いっそシンプルでまとめて!? いやでも気泡で模様をつけてもいいなぁ!!

「宗助戻ってこい!!

「いったぁ!!

頭に衝撃を受けてすぐ傍にいる人物を見れば、拳を握る太郎がいた。その隣にはおゆきもいて俺に軽くチョップを食らわせる……これを知っているということは、数日前の俺と村長との喧嘩を見てたな、おゆき。(ちなみに喧嘩の内容は些細な事なので省略する)

「お客さんの前ではやめなさい!」

「ほったらかしにしないの! 失礼でしょ!」

あ、と俺が義晴様を見れば苦笑してこちらを見つめていた。とりあえず俺はすぐに謝り、義晴様がいいと仰ったので、この件は不問となったのだった。


その三日後、おゆきと太郎が持ってきた差し入れの魚を食べながら、二人に練習も兼ねて作った琉球ガラスもどきのペンダントをあげた。

おゆきには赤と黄色、太郎には紫と青色の物だ。親指の爪ほどの大きさの球に紐を通す穴を開けておき、同色の小さな小指の爪ほどの大きさの球を左右均等の幅で間隔を空けて紐を編み込むように結んだものだ。

本当はもう少し作りたかったが色の材料が一部手に入りにくいのであまり練習には使えない。

少し物足りなさがあるが二人はガラスの色を気に入ったのか空に掲げてじっと見ていたのでよしとする。

「綺麗……夕焼けの色だわ……」

「こっちは夜明けだ……こんな首飾り見た事ねぇや……」

この感想に俺は満足だ。練習とはいえ作った甲斐がある。

そのあと、二人は笑顔で村に戻って行ったのを見て俺は製作に戻った。


七日後……依頼の物が完成したので義晴様に伝える術を村長に聞くために山を下りようと家の戸を開けると三九郎さんが俺の前に、正確には家の戸の前に下りてきた。

こんないいタイミングで来たということは……。

「完成したか」

「はい、あの……もしかしてずっと製作中も見ていたのですか?」

「いや、中には入っていない……が、何かあればと何人かをこの周辺に付けていた」

やはり今回も忍者はつけられていたらしい……。

まぁ国の若様に贈る、もとい作る物に何か変なことをしていないか見張るよなぁ……。

これは仕方のないことだと、俺は開き直って完成した風鈴の入った箱を渡す。

風鈴についての説明をすれば分かったと頷かれたので、これにて依頼された風鈴の納品は終えた。気に入ればいいが……。

清条国 月川城……義晴の部屋にて職務に励む義晴の後ろに天井裏から声をかけた三九郎が下りれば、義晴は三九郎が手に持つ箱に目を輝かせた。

「おっ! もう出来上がったのか!」

「はい、こちらが若の風鈴。そして、こちらがご老公殿の風鈴にございます」

「うむ、早速拝見しよう! ……ほぉ、これはまた涼しげな」

箱から取り出された二つの風鈴は翡翠ひすい色と空色の涼しげな色の泡で出来た渦が美しい螺旋らせんを描いていた。

その中を鳥の形をした白い泡が飛んでおり。

下に垂れ下がる重しの紙は程よい厚さで、触り心地がいい。翡翠色の風鈴には《風》、空色には《涼》と書かれていた。

「若が緑に御座います。緑が風を、青が水を表現したものと……確か、琉球のびいどろを真似たものと言っておりました」

義晴はぎょっとしたように風鈴を眺めていた顔を三九郎に向けた。向けられた三九郎は少し緊張した面持ちで頷く。

「琉球だと!? あの国とは最近ようやく我が国が交流を始めたのだぞ!? なぜあいつが!」

「私にもわかりません……が、宗助殿には琉球のなまりはありません」

「それは俺にもわかる! ……あいつの出自は今も不明、他国を調べても全く出てこない」

義晴は開いていた扇子をぱちりと音をさせて閉じるとこつんと風鈴を軽く叩いた。

その音は高く体に響くようにしみ込んだ。その音のせいか少し頭が冷えた義晴は空色の風鈴を箱に戻し、蓋を閉じた。

「まぁ、とりあえずこの風鈴を爺に渡してきてくれ。せっかくよい風鈴を宗助が作ったのだからな」

「はっ」

ご老公である沢野木さわのぎ伝六でんろくは御年六十というこの時代では長生きな人物であった。

《清条の生ける鬼》と敵国に呼ばれるほどの強さを保つために武芸に励んでいた屈強なその体は未だに衰えを知らずと名高い。のだが、夏の暑さには勝てず、部屋で体調が優れぬことが増えたことで己の限界を悟り始めていた。

「やはり後継者を決めねば……しかし、この老いぼれに跡継ぎを育てる時間があるだろうか……、いや、育てねばならぬ、それがこの国のためなのだから」

自分の老いを自覚した沢野木は自分の後を引き継ぐものを探さねば、若い者達に後を託さねばと焦っていたのだ……。

そんなときであった、ある物が仕える主の子、義晴から彼の元へ届いた。

「これを私に?」

「はい、若がご老公様のためにと懇意にしている職人に作らせた風鈴に御座います」

「ほぉ……これはまた、美しい風鈴であるな……色も涼しげな青……いや、空色だ」

義晴から風鈴を受け取った沢野木はびいどろの美しさを一目で気に入り、すぐに部屋の前にある縁側に吊るした。

《チリーン……》

風に揺られて鳴る音は体に染み渡るように沢野木の体を冷やす。

その心地よい音に沢野木はまたこの風鈴を気に入った。

「これは良い物を貰いましたな」

「この風鈴は天野宗助という者が作った風鈴です。水を表現したのだと」

「天野……宗助? 確か、若が最近お気に入りの刀鍛冶であろう?」

沢野木が知るのは鍔に龍が宿るという刀と、星を映した刀の事のみ。切れ味もいい、腕のいい刀鍛冶と聞いていたのだ。

「はい、ですが刀だけでなく様々な物を作っております。天野宗助職人の家にて吊るされていた風鈴を気に入り、注文する際に沢野木様が少しでも夏の暑さに耐えられるようにと、若がお頼みになったのです」

「それは、なんと……この風鈴は大事にしなければ」

三九郎は義晴からの用は済んだため、部屋を去る。沢野木はその姿を確認すると席に戻り、執務作業に戻った。

《チリーン……》

《チリーン……》

心地よい風鈴の音は沢野木の周りの暑さを取るように程よく涼しくさせる。

沢野木はその涼しさに笑みを少し浮かべて筆を動かしていればそよそよと夏の湿っぽい風が吹いて風鈴を揺らす。

《チリーン……》

《きゅーい》

《チリーン……》

「ん?」

風鈴の音とは違う音がした気がすると沢野木は筆を止めて周りを見る。が何もいない。

あるのは先ほど吊るした風鈴のみで風に吹かれて揺れている。

《チリーン……》

《きゅい》

気のせいかと再び書類に目を戻そうとした沢野木はまたもや聞こえた音に顔を上げれば障子の枠から見知らぬものが部屋を覗いていた。

まるで様子を窺うようにこっそりと、じっと沢野木を見ていたのだ。

「なんだ……あれは、鳥なのか?」

小さく、翼のないように見えるがくちばしのようなものを持っているので鳥と考えたがずんぐりとした体で空を飛べるのか疑問を抱くほど鳥とは思えない。沢野木は鳥のような何かを同じようにじっと見ているとペタペタと音をさせて部屋の中に入る。

突然のことに警戒をするように筆を置き、傍に刀を引き寄せる沢野木を気にしていないのか、敵意の無い鳥? はペタペタと音をさせて近づいてくる。

普通ならばすぐさま斬っているが沢野木は何故か斬ることはしなかった。それどころか……。

《くきゅー》

「なんと愛らしい……」