あとがき


 皆みな様さま、お久しぶりです。刻こく一いちです。

 書しよ籍せき版の方はもう一年ぶりになってしまいましたが、今年もギリギリ発売することが出来るようです。これも書籍版をお買い上げいただいている皆様のおかげ。本当にありがとうございます。


 さて皆様、今回の六巻はどうでしたか? 楽しんでいただけたでしょうか。

 裏話的なことを書いていくと、六巻の最初期のコンセプトは『ダンジョンの消しよう滅めつが周辺地域にどんな影えい響きようを与あたえるのか』でした。

 今ちょっと思い返してみて気付いたのですが。以前なろうで掲けい載さいされていた某ぼう作品を読んだ時、その作品の主人公が自みずからの利益のためにダンジョンをどんどん消滅させ続けていて、しかしその作中ではダンジョンの周囲に出来上がった町がその後にどうなったのか、まったく描びよう写しやされてなかったので、そこにちょっとした不満というか謎なぞがあって、色々と妄もう想そうすることが出来たんですよね。

 そんな妄想が今回の六巻の種になったような気がしてます。

 そして今回の六巻はダンジョンの話にはしたくないと思っていました。

 五巻もダンジョンの話でしたし、五巻までで四つのダンジョンを書きましたからね。あまりダンジョンの話ばかりになるのは本意ではないので、ここでは別の話を入れてみたいと思いました。

 そうして今回のラストを考え付いたのです。

 小説を読む人の中には面おも白しろい読み方をする人がいて。最初から順番に読むのではなく、まず『あとがき』から読む人とか、最初だけ読んで次にラストを読んで最後に中央を読む人とか、とにかく様々な楽しみ方をする人がいるらしいので、ここではネタバレになるようなことは書かないようにしますが──

 とにかく、主人公がああいった形でこの国の物語に関かかわるのも面白いのではないかと考えました。

 とは決めたものの、WEB版を書いている時──特に終しゆう盤ばん頃ごろはかなり不安でした。果たしてこの形式の話が受け入れてもらえるのだろうか? とね。

 実際、僕ぼくの肌はだ感覚ではWEB小説の読者の中には『閑かん話わ』というモノを嫌きらう人が一定数いて、読み飛ばす人がそれなりの割合存在することは把は握あくしていたのですが、それでも書いてしまったんですよね。だってアホっぽい顔をしながら主人公から逃にげていくユニコーンの姿が見えてしまったのだから!

 ぶっちゃけ、頭の中のその絵を目指して書いていたようなところはあります。

 最近、馬の餌えさやり動画を見ていたのが影響したのかもしれませんね……。

 小説家には大きく分けると二タイプあって、最初から最後まで完かん璧ぺきに決めてから小説を書くタイプと、ほぼなにも決めずに書き始めるタイプがあるんですよね。僕はどちらかと言えば後者タイプなんですが、この書き方だとキャラが勝手に動くことがあって、動いてしまうとどうしようもないというか、それが面白かったらそうするしかない感じになってしまう。勿もち論ろん、動いた先の形が面白くなければ修正するしかないのですけど、面白かったら従うしかないんですよね。

 実のところ、書く前の想定では、主人公にはもっと物語の核かく心しん的なドロドロとした政治闘とう争そうに関わってもらおうと考えていたんです。でも、そうはならなかった。ユニコーンだけの責任ではないけど、キャラが勝手に動いたその先が光り輝かがやいていると、もうそうするしかなくなるんです。

 キャラが勝手に動いた、という話で思い出したのですが、今回はマリーサも最後の最後にかなり自由に動いてくれました。

 書いてる本人もマリーサがあんなに活かつ躍やくするなんて考えてもいなかったし、変なことを書くようですけど、マリーサの内面やバックボーンが知れて面白かったです。が、WEB版のあの場所を書いている時は想定していた文量の二倍三倍と勝手に増えていって、終わらないし疲つかれたしで「これいつまで続くんや……?」と思いながら書いていた記き憶おくがあります。

 ですが、それがまた楽しいし、面白いところでもあります。


 最後に、今回もカクヨムでWEB版限定のSSか閑話を書く予定です。

 読んでいただければ嬉うれしいです。

 タイトルの頭に『WEB版限定』と書いてあるので、書籍版を読んでくださっている人はそこだけチェックしていただければ大だい丈じよう夫ぶ。基本的にこの書籍版はWEB版のアップグレード版になっているので、書籍版とWEB版の両方を読まなければ分からない的な話はないはずです。

 現時点での予定としてはWEB版に『六巻発売記念SS』とKSPにもなにか書くつもりです。

 それと地味にWEB版を読んでる読者にもあまり知られてないのですが、カクヨムのドラゴンノベルス公式ページにもSSが置いてあったりします。ちょっと探しにくい場所ではありますが、こちらもチェックしていただければ嬉しいですね。

 それではまた次回、どこかでお会い出来ればと思います!


二〇二三年一一月一五日 刻一