5 成人の儀

おごそかな雰囲気の中、儀式は行われた。緊張するし、見に来てくれた人がみんな笑顔で見守ってくれていたから、なんだかくすぐったい気持ちだ。

私は一段高くなっている祭壇の前まで歩み、立ち止まった。祭壇を挟んだ先には、私と向かい合うような形でお父さんと父様が並んで立っている。威圧感がすごい。こういうきちんとした場でこの二人が並ぶと圧巻だなぁ。

っと、早速始まるんだからぼーっとなんてしていられないね。お父さんに視線でうながされた私は片足を少し後ろに引いて頭を下げた。

「この世に生まれ、百の年を迎えし者よ。今日この日を人生の節目とする。ここに宣言せよ」

父様の低くて良く通る声が静かな教会内に響く。その声をしっかりと聞き、私は身体を起こした。

「私、メグは……本日より成人としての自覚を持ち、己に恥じぬよう生きるべく精進しょうじんいたします」

簡単な言葉を自分なりの言葉で告げる。これでいいかな? おかしくないかな? ドキドキしながらも大きな声を意識した。だって、一生に一度のことだから。

父様はそれからフワリと微笑み、ピンクと藍色の透明な宝石が埋め込まれた根付をうやうやしく差し出してくれた。それを私もかしこまって受け取る。

「この者の成人を認める者は、盛大なる祝福を!」

最後にお父さんがニッと笑って締めの言葉を言うと、みんなが一斉に拍手を送ってくれた。さっきまでとても静かだった教会の内部がワッと急に騒がしくなっていく。

「成人おめでとう、メグ」

「メグ、おめでとう。これでようやく我らの仲間入りであるな」

お父さんと父様が順番にお祝いの言葉を告げた後、次から次へと私にお祝いを言いに来てくれるオルトゥスの皆さん。おかげであっという間にもみくちゃにされてしまった。