開店プロローグ



「な、なんだこれ……!?

 オレ、じよう、店長代理、みやゆうしらゆきとうほうけるように立っていた。

 ここはとあるコンビニエンスストア、デモン・イレブン店内。

 コンビニエンスストアだから、店内は当然、ありふれた物であふれている。

 立ち読みされて表紙がさびしいくらいクッシャクシャになってる週刊少年まん雑誌。

 だれが使うんだっていうくらいぼうだいな種類のオレにはよくわからないコスメ商品。

 しかしそんなありふれた物達とは裏腹な、ちよう・非日常な光景が、今確かにオレ達のそばには存在していた。

「どこなんだよここは……!?

 それは、店の窓から見える、外の光景。

 みなさんご承知の通り、デモン・イレブンは三ヶ月前、日本から異世界──いわゆるけんほうのファンタジー世界的な──の草原に転移し。

 そこで散々苦労しながら、店の売上げをばしてきていた。

 けれど、今、窓の外に見える光景は、まったく草原のそれではない。

 海。

 波も高くなく、風もない、晴天のなぎの海。

 その真ん中に、デモン・イレブンは、かんでいるのだ。

 客は一人残らず消えている。

「おいおいおい……〝草原〟はどこいったんだよ……!?

 あぶらあせをにじませながら独り言のようにいったのは、店長代理。

 ──が。

 さぁここからである。

 オレ達をおそう混乱が、本気を出し始めたのは。

 確かに、まだ〝とつぜん海に転移した〟だけなら、なんだかんだ異常なじようきようはお手の物なオレ達五人である。混乱しつつも事態にスンナリ立ち向かえた可能性はあった。

 けれど、ここから巻き起こった事態は、どうやってもスンナリとは立ち向かえないものだった。

 それをオレ達に思い知らせたのは──

 ある人間からの、一本の電話だった。