ここまで疑われると流石の俺も説明したくなり、ため息をついて言った。

「別に俺だって死ぬほど鈍感ってわけじゃないんだぞ。色々やることがあるし、お前にも立場があるしで、とりあえず今まで触れないことにしてきたが……ちょっと考えが変わってな」

「ど、どうして……」

「魔王討伐が終わってから、それほど経ってないのに色々あったろ。これからの俺の人生も、ずっとこんな風にバタバタしながら続いていくんじゃないかと思ってなぁ……そんな生活も悪くないな。そうも思っているにはいるんだが、やるべきことはやろうってな」

「それはそうでしょうね……」

「だから、いつか落ち着いてからにしよう、とか思ってたらその日は永遠に来ないんじゃないかと思ったんだ」

「そそ、そうなの……でもあれよね。名目上の婚約者にって、そういう話よね」

「さっきの話聞いてたか? 鈍感じゃないって言ったろ」

「えっと……」

 目を泳がせるフローラ。

 俺は諦めて、彼女の肩を強く掴み、固定してから、その美しい瞳をまっすぐ見つめながら、はっきりと言った。

「……俺と、結婚してくれ。お前が俺のことを好きなのはよくわかった。で、俺もお前のことが好きなんだ」

「……はい」

 珍しく顔を真っ赤に染めたフローラがそう言った。