「わぁ……」
しかしそれを鏡で見ていた空は、見覚えのある造形に思わずぽかんと口を開けていた。
空はそれを知っている。前世でも実物を見たことはないが、テレビでは冬になるとよく見かけた気がする。
(これは……あれだ。クリオネ……間違いなく、クリオネ!)
そう、それは空の知るところの、クリオネにそっくりの生き物だった。
ただし、前世のクリオネよりも遙かに巨大だ。体が半透明なところは変わらないが、薄らと透き通るその中身は竹のような緑色をしている。
小さなタケノコから出てきたのに、もにょりと広がった体は何故か傍に立つ竹に迫るくらい大きい。
頭の天辺に立つ二本の触角だけでも一メートルくらいはありそうだった。
(何でクリオネ……)
謎だ、と思うがその答えはどうせ出ない。空に出来ることは、クリオネと対峙する皆を鏡の前で応援することぐらいなのだが。
「これ……ばっかるこーん、するのかな」
それだけはかなり気になるところだった。