
今回は大所帯だ。俺が転移門に魔力を流すので、転移するのは俺が最後だ。
まず、フレイの第1騎士団を転移させた。次は近衛師団だ。これだけで40名。騎士団30名に近衛師団から選抜された10名。今回は皇后様も一緒だから、近衛師団が護衛として同行する。
次に皇后様、皇后様付きの侍女2名、母、母付きの侍女2名、フレイ、フレイの側近のデューク、レイ、レイ付きの侍従、アース、アース付きの侍従を転移させた。
そして最後に、オクソール、リュカ、ニル、シェフ、ラルク、ユキ、俺だ。
父達や兄達、レピオスが見送りに来てくれた。
「ご一緒できなくて、残念です。お帰りをお待ちしております」
「うん。レピオス」
「リリ、兄様も一緒に行きたかったんだが」
「クーファル兄さま、また今度一緒に行きましょう」
「ああ。気を付けるんだよ」
「リリ、のんびりしておいで。皇后とエイルを頼んだよ」
「はい、父さま。じゃ、行ってきます!」
皆に送り出され、俺は転移した。

「リリ!」
「姉さま!」
俺達を包んでいた白い光が消えると、フィオンに抱きしめられた。
「姉さま! お久しぶりです! お元気でしたか?」
「ええ! リリ! 会いたかったわ!」
「姉さま! ボクもです!」
このフィオンの反応、久しぶりだ。ちょっと嬉しい。
「リリアス殿下、お久しぶりです」
「アラ殿、大勢になってしまってすみません。宜しくお願いします」
辺境伯夫人のアリンナ様、アスラール、アルコースとも挨拶を交わす。
辺境伯一家が揃って待っていてくれた、地下の転移門から上に移動する。懐かしい、辺境伯邸だ。
応接室に移動すると、先に転移した皆が揃っていた。
「さあ、殿下。お座り下さい。りんごジュースをご用意してますよ」
「アリンナ様、有難うございます」
そして皆一通り自己紹介した。皇后様も転移は初めてだけど、なんともない様で良かった。
「殿下、息子のアウルースです。アウルとお呼び下さい。アウル、ご挨拶を。母様の弟君だよ」
アルコースに連れられて、トコトコと小さな男の子がやってきた。
フィオンとアルコースの長男でアウルース・サウエル、2歳だ。
フィオンの金髪にアルコースの蒼色の瞳。クリックリのお目々に、ほんのりピンク色したプックプクのほっぺをしている。辿々しい喋り方もなんとも可愛い。まんま、小さいフィオンだ。
好奇心が勝っているのだろう、俺をキラッキラした目で見ている。
「はじめまちてッ、アウリュれしゅ!」
小さな身体でペコリと頭を下げ、直ぐにまた満面の笑みを見せる。
「はじめまして、ボクはリリだよ。大きくなったね〜。会いたかったよ!」
俺はアウルースの目線に合わせてしゃがみ頭を撫でた。赤ちゃんの時にほんの少し会って以来だ。超可愛い! こんなに小さいのに動いているよ。アハハハ。
「リリ?」
「うん。リリだよ。いっぱい一緒に遊ぼうね」
「あいッ! リリ!」
「こらこら、リリ様だ」
「とうしゃま、リリしゃま?」
「そう、リリ様だ」
「リリしゃま!」
「アハハハ、小っちゃいね〜!」
思わず抱きしめちゃったよ!
「リリアス殿下、私の娘です。アンシャーリです。アーシャと呼んでます。アーシャ、リリアス殿下だ。ご挨拶をしなさい」
「はじめまして、アンシャーリです!」
小さな女の子が、小さな手でスカートを摘んで挨拶してくれる。おお、この子はもう令嬢なんだ。