ああ、動画の専用部屋ね。確かに、協会内の改装工事なんて滅多に無い事らしく、掲示板でもかなり話題になっていたな。常駐している協会員達の口が普段より重いからか、余計に推察が捗っている印象だった。

「皆騒いでいたが、俺もこの件はどうにも気になってね。さっき、ちらっと覗いて来たんだけど……。匂うんだよ、とびっきりのお宝の匂いが。君はその件の詳細を知っているかな?」

匂いって。さっきも香りがどうとか言ってたし、シュウさん『嗅覚強化』でも持ってるのかな? まあ『直感』って、言い換えると『鼻が利く』ともいうけども。

もしくは、何気に『運』を伸ばしてるのかも。うーん、それにしても、俺と講習室の改装を結び付けて来たか。今朝掲示板を覗いた限りでは、誰も俺と絡めた事象だとは呟いていなかったような……。

それを思うと、本当にシュウさんは『鼻が利く』人なのかもしれない。

さて、シュウさんには世話になったし言ってあげたいところだが、何処まで言ったものか。現状で公開できる情報を吟味していると、『一等星』の紅一点、アヤカさんがやってきた。

「ちょっとリーダー! また無茶を言ってるんじゃないでしょうね?」

「アヤカ!? いや、まぁ、その……」

「言い淀むってことは自覚があるのね。ほんとごめんなさいショウタ君。こいつにはあとできつく言っておくから」

「ああ、良いんです。なるべく答えられそうなところを考えてただけなので」

「そ、そう?」

「はは、ショウタ君。それは答えたのと、ほとんど同じじゃないか」

「……あっ」

そういえば、知ってるか否かという質問だった。

言い淀んで答え方を考えた時点で、知っていると言ってるようなものだ。

「全く、本当に君は変わらないね。だけど、協会の施設という大事な部分にもかかわらず君の専属達が割って入って来ないということは、決定権は君が持っていて、信頼もされているという事か」

「ありがたい話です。……そうですね、早ければ明日にでもあの部屋とその中身は公開されるかと思います。シュウさん的にもとびっきりのお宝だと思いますので、楽しみにしていて下さい」

「おお、そうか! ありがとうショウタ君、胸のつかえが取れたよ。では、また会おう!」

そこで彼らとは別れ、彼女達と合流する。

「宜しかったのですか、旦那様」

「ああ、俺にとって数少ない冒険者の友人だしね。あれくらいは別にいいかなって」

「そういえばショウタ君、他の冒険者と交流してる姿、全然見なかったわね」

「ご主人様はぼっちだと思っていたのですが、情報を改める必要がありますね」

「うっ。仕方ないじゃないか、古巣には誰も寄らないんだから……」

「安心してください、ショウタさん。私達がついてますから、寂しくはさせません」

「はいですわ!」

それはそれでどうなのかと思うけど……まあいいか。

そして俺達は改めて帰路についたのだが、玄関を開けてリビングに入ると、またしても眩い光に出迎えられた。

くそ、もうかれこれ5度目だっていうのに、この光には慣れないな。