悪役令嬢は王太子殿下と目を見合わす
ギーク枢機卿を見送り、クラウディアとシルヴェスターは再度ソファーへ腰を下ろした。
局地的に、冷気が暖炉の火に勝ろうとしている。
枢機卿が置いていった書面を確認するシルヴェスターの眉が、ぎゅっと寄った。
「ご丁寧にも異性には親族も含む、と書かれている」
「なるほど。期間中、屋敷にいることのほうが多いですから、気を付けねばなりませんわね」
挨拶などで兄のヴァージルとハグすることはままある。
クラウディアも横からシルヴェスターの持つ書類を覗き込んだ。
すると。
「その体勢では見難いだろう」
「きゃっ!?」
力強い腕に支えられ、器用に横抱きの形で膝の上に乗せられる。