エバンズ商会のブライアンについても訊いてみたかったけれど、ヘレンから話があるまでは待つことにする。

「お父様にも話を通しておくわね」

「よろしくお願いいたします。わたしも両親と話し合っておきます」

ヘレンが乳母を見据えているなら、結婚相手は貴族に限られる。

すぐにまとまる話でなくとも、体裁を整えるには、各方面への根回しが必要だった。

「サポートはわたくしに任せて!」

「何だかドキドキしてきました」

正にこの瞬間、ヘレンは新たな一歩を踏み出そうとしていた。