豪華な朝食とヤバイ家令
吹き抜けの高い天井から柔らかな朝日が差し込み、どこからともなく爽やかな風が頬をくすぐる。
まるでテラスで食事を取っているような、そんな錯覚を与えてくれる素敵な食堂。
そして、樹齢数百年は経っていそうな巨木をそのまま一枚板にしたようなテーブルの上には、これまた「ビュッフェですか!?」というぐらいに、所狭しと料理の数々が並べられている。
「出された食事は全て食べる!」がポリシーの私はそれらを制覇すべく、もっきゅもっきゅと頑張って食べまくっている最中である。
実は私、昨晩はあんまり食欲がなかったので、結局フルーツジュースのみで済ませてしまったのだが……。ひょっとしてだけど、その分も含めてこの食事量なのだろうか? ……なんて、疑ってしまうほどの品数である。これ、王都邸でいつも取っている朝食の三倍ぐらいはあるよね。
「エレノアお嬢様。本日はバッシュ公爵領の視察をなされてはいかがでしょうか?」
紅茶のお代わりを差し出しながら、イーサンが告げた言葉に、私は思わず目を丸くする。
「え? 領地視察……?」
「はい。領地の各村々から、「お嬢様はいつ頃こちらにいらっしゃるのですか?」との問い合わせが殺到しておりまして……。ああ、お嬢様。お口元にソースがついておりますよ」
そう言って、イーサンが口元をナプキンで優しく拭ってくれる。