「その子はどうするつもりです?」

「どうにも出来ません。ただ、この子は偶然に生まれた精霊種であって、祭壇の関係者ではありません。私のように縛られている訳ではないので、いずれはこの地を離れることになるでしょう」

その言葉を否定するように、少女は監視者の足にしがみついた。この様子では、逃げるよう話したところで説得には応じまい。

溜息が出る。受託者などという役職を与えられたところで、所詮俺はこんなものか。

いや、でも。

かといって簡単に諦めるのか? 今すぐではないにせよ、これで何人死ぬ? 本当に何か手は無いのか?

監視者は痛まし気な目で俺を見詰める。

「……義理立ては不要です。託宣をこなしたとて、報酬を与えられるだけの余力がここにはありません。貴方はもうこの件から手を引いて、ゆっくり休んでも良いのです」

それは……あまりな言葉じゃないか。

反論しようとして顔を上げ、思わず舌打ちをする。

魅力的な響きを残して、二人はもう姿を消していた。