黄金華

寝て起きてを繰り返し、数日はだらだらして過ごした。その甲斐あって、気力は充実している。

『健康』があるといっても、やはり休養は必要だった。これでようやく落ち着いて本業に戻れる。

しかし本腰を入れて加工をしようという段になって、ミル姉から待ったがかかった。やる気を空回りさせられ、俺は少し不満を抱く。問いかける声が思わず荒くなった。

「まさか、また問題が起きた訳じゃないよな?」

俺と向かい合うミル姉は、やけに神妙な顔をしていた。何やら慎重に言葉を探している感がある。

……嫌な雰囲気だ。

これは本当に何かあったのかもしれない。気を取り直し、なるべく声を和らげる。

「あー……別に、今更何を憚るような関係でもないだろうに。どうしたんだ?」

ミル姉はそれでも迷っているようだったが、暫くして肚が決まったのか、はっきりと俺に告げた。

「そうね……まあそうか。じゃあ率直に言うけど、フェリスには暫く中央を離れて、カイゼン工国に行ってほしいのよ」

「それはまた、随分と急だな」

何故そんな話になってしまったのか。俺が制作環境を整えるため、どれだけ躍起になって問題を解決したのか、ミル姉が一番よく知っている筈だ。

苛立ちが湧き上がるものの、まず話を聞いてみなければ解らない。目線だけで先を促す。