三章 思うだけじゃ伝わらないこと
「…………ん……。いたた……」
うららが目を覚ます。
そこは血のように赤い世界──ではなかった。
「な、んで……うららこんなところにいるの……? だって、ついさっきまで……」
そこは、ライブ会場だった。
色とりどりの照明が
熱気に包まれ、興奮があふれ、感動が
だが、彼女がいるのはステージの上ではない。
「ここは……どうして……」
ふらりと立ち上がったうららがステージを見上げる。
ずっとテレビで、ライブ会場で、
しかしなにかがおかしい──
「これは……夢なの……?」
幼い
まるで自分の
「すごい……」
大好きなアイドルたちの共演にうららは思わず
まるで自分のためにセッティングされた舞台のようであった。
うららは我を忘れて夢中になった。
最初は
だが、やがてその顔が固まった。
ステージ上からアイドルたちが次々と姿を消したかと思うと、代わりに現れたのは、彼女の心を今最も揺さぶっている一組のユニットだった。
観衆たちのひときわ大きな声援に
「そんな……」
うららは
それまでステージの上にいたのは自分が大好きだったアイドルたちばかりだ。
その同じステージに今、
つまりそれは──
「ち、
うららは反射的に顔を
認めたくなかった。
さっきまで
「正直になればいいじゃん♪」
瞬間、その声を除き、すべての音が消えた。
ライブの音楽も歌声も歓声も、すべてが
いや、音だけではない。
あんなに眩かった照明も、大勢いた観衆も、もちろん
真っ暗で無人のライブ会場に
いや──うらら〝たち〟だけになっていた。
「あなたは……」
声の主に視線を向けたうららが目にしたのは──自分とうり二つの顔をした
「だ……れよ、あんた……」
「うふふ……うららはうらら。もう一人のうららにきまってるじゃん♪」
「なに、言ってるの……?」
事態が吞み込めないうららに、もう一人のうららがそっと近づく。
「正直になればいいじゃん♪」
さっきの言葉をもう一度
「本当はうららも分かっているんでしょ? どれだけライバル視しても、気にくわなくても……
「そっ、それは……!」
自分の大好きなアイドルたちと同じステージに現れた
それは
「うららは本当はこう思ってるの。アイドルへの
「違う! そんなことないっ!」
認めたくないうららが耳を
それでもなお、もう一人のうららは彼女に
「自分に言い訳をしてるの。
「違う……違うもんっ!」
「だからあの二人が
「
「認められない……自分の小ささが
「──っ!! こ、このっ!」
うららが反射的に飛びかかって口を塞ごうとする。
しかしもう一人の自分は難なくその手をかわし、勢い余って
「うららは……うららは……っ!!」
言い返したい、言い返したい、言い返したい。
それなのに──言葉が出てこない。
だって全部が本当だから。
悔しくて
「将来、アイドルになりたいっていうのもウソなんでしょ。本気でなれるだなんて思ってない。うららは~、星守としての活動があるんだから~、いまアイドルになるための時間を取れないのは仕方ないよね~……って自分にウソをついてるだけ」
「そんなこと……!」
「でも~、心の底では本当は分かってるの♪ うららには本気でアイドルになる
「ち、ちがっ……」
「
「ちがうっ……ちがうのっ!」
必死に耳を塞ごうとしても、どうしてもそれができない。
なぜならもう一人の自分が語ることは──ここ数日の間、彼女の頭を
自分は、口ではアイドルになりたいといつも言っている。でも、今は星守としての活動があるのだから、すぐにアイドルになれるわけではない。
星守としての活動が落ち着いたらいずれ──そう思っていた。
それは仕方のないことだ──自分に言い聞かせていた。
だが
トップアイドルとして活動することも、イロウスと戦うことも、決して両立不可能なことではないのだと。
そう思った
自分はアイドルを目指す覚悟があるのだろうか。
星守としての活動を、アイドルになれないことの言い訳にしてしまっているだけではないのだろうか──と。
胸の奥で
どす黒いなにかが
今の自分を
「あ、ああぁ……あああぁぁぁっっ──っ!?」
こみ上げてくる
視界がかすみ始め、自分のうなり声もどこか遠くなって、自分が自分であるという感覚が
『うららちゃんがアイドルになることは、私の夢でもあるんだよっ!』
闇に吞み込まれてしまう寸前、誰かの──声が聞こえた。
(ここ……み……?)
その声がうららの心に一つの記憶をよみがえらせる。
それは確か、ずっとずっと昔のこと──ずっと幼い頃のことだった。

うららは幼い頃から周りにチヤホヤされることが得意だった。
どうすれば
それを知ってか知らないでか、周囲の大人たちもうららが望むことはなんでもかなえようとしてくれたし、彼女のことをとても大切にしてくれていた。
「うららは将来、ぜーったいアイドルになるんだからっ!」
うららが自分の夢を、そうやって自信たっぷりに宣言した時も、もちろん周囲の反応はいつもと同じだった。
「うららちゃんなら、将来絶対に可愛いアイドルになれるよ!」
「だってうららちゃん、こ~んなに可愛いんだから!」
みんなが
でもなぜか、うららは不満だった。
幼心になんとなく察してしまっていたからだ。
誰も──誰も本気で受け止めてくれている人がいないことを。
『アイドル』という夢は、多くの子供が
しかし、現実にトップアイドルとして
大人たちはそんなこと百も承知だったが、いつも通り〝可愛い〟うららの言うことに深く考えもせず
うららが本気でその夢を語っているとは、本当にその夢を実現できるとは、誰も思っていなかった。
そのことがうららには分かってしまっていた。
それでも──それでも今もなお、うららがこの夢を持ち続けていられるのは、一人の友人のおかげであった。
「……ねえ、ここみ。やっぱりアイドルになるのって、難しいのかな……?」
ある日、学校からの帰り道、うららは
「うららちゃん……?」
「ずっとアイドルになりたいって、うららは思ってたけど……誰も本気にしてくれない。みんな……うららちゃんなら可愛いからなれるよ、って言ってくれるけど、誰も本気で考えてくれてないことくらい、うららでも分かるもんっ……」
「…………」
「……って、ここみにこんなこと言ってもしょうがないよね。っていうか、こんなこと話すのうららっぽくないし」
「……う、うららちゃん!」
「な、なによ。急に大きな声出して……びっくりするじゃない!」
「うららちゃん、ダメだよっ!」
「ダメって……なにがよ」
「だって、だって……うららちゃんがアイドルになることは、私の夢でもあるんだよっ!」
心美の予想外な告白を、うららはすぐには理解することができなかった。
「……なんで、うららがアイドルになることがここみの夢になるのよ。ここみには関係ないでしょ」
「えっと、その……それは……」
なにか言いたげだが、なかなか心美の口から次の言葉は出てこない。
「なによっ! 言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよっ!」
「うららちゃんは、私の……
「憧れ……?」
またもや心美の予想外の言葉にうららは
「……私はいつも、自分に自信がなくて、なかなか思ってることを口に出すこともできなくて……でも、うららちゃんはいつも自信たっぷりで……アイドルになりたいっていう夢も、いつも堂々と言えてるから……。だから、うららちゃんは私の憧れで……」
「ここみ……」
それはうららにとって意外な言葉だった。
いつも自分の後ろにくっついてくるだけで、あまり自分の意見を言わない心美。
そんな心美が、自分のことをそんなふうに思っていたなんて考えたこともなかった。
うららは、自分の顔がほんのり熱くなっているのを感じた。
それと同時に、ずっと
「……なによそれ……変なここみ!」
「ご、ごめんね、うららちゃん。急に変なこと言っちゃって……」
「ホントよ! そんなこと、急に言わないでよねっ!」
うららはいつの間にか、
「でも……安心しなさい。うらら、ぜったい、ぜーったい、将来はスーパーアイドルになるんだからっ! だから……ここみはそんな心配しなくていいの!」
「うららちゃん……」
「……っ! もう! ここみ、歩くの
「えぇ……待ってよ、うららちゃ~ん!」
アイドルになる──うららの幼い
(そうだよね、ここみ……。アイドルになるっていううららの夢はウソなんかじゃない。うららは星守としても強くなるし、スーパーアイドルにもなる。歌えて、
うららの心に、もう迷いはなかった。
「うら……らは……」
闇の
「うららは……
全身に
「ここみがいてくれるなら、うららはどこまでだって頑張れる……。どんな夢だってつかみ取ってみせるっ!」
花音と詩穂に負けているからなんだ。差をつけられているからどうした。
そんなもの絶対に縮めてみせる。
追い
ここみと
「絶対にっ……諦めないんだからっ!!」
うららの
真っ暗だったライブ会場全体を
そうして次にうららが目を開いた時──彼女はいつの間にか、ステージの上に立っていた。
その身を新しい
「これは……」
戸惑ううららが、ふとステージの下へ視線を落とす。
そこには、もう一人の自分がポツンと立っていた。
「…………うらら、諦めないから」
「…………」
「
絶対の自信をこれでもかと
その決意を受け止めたもう一人のうららは、なにも口にすることなく──わずかばかりの
だが彼女をじっと見つめていたうららは、その口が少しだけ動いた気がした。
がんばれ──そう
「早くみんなのところに戻らないと……。ここみは
うららが上を見上げる。
ライブ会場の屋根に
その割れ目の向こうに赤と黒の入り混じった空間が見える。
サイドブリッジで吞み込まれた時に見た、あの血の色の世界だ。
「入り口があそこなら……きっと出口もあそこよねっ!」
うららは不気味な空間めがけて

「ここは……」
心美が目を覚ました時、そこは映画館だった。
広い広い映画館──
そんな映画館の最前列、その中央に心美は座っていた。
そしてスクリーンに映し出されているのは──
『ほら、ここみ! 行くわよっ!』
『うららちゃん、待ってよ~!』
自分と、うららの姿だった。
毎日の何気ないワンシーンを抜き出して、つなげたような映像だった。
「これって……」
なんでこんなものが映画館で──心美が不思議に思っていると、不意にスクリーンが暗転した。
しばしの
やがて再び映し出されたのは──
『うららちゃん……大丈夫?』
『……なにが?』
『なにがって……それは、その……』
『……あーっ! もう考えるの止めっ! こんなことで考え込むだなんて、うらららしくないもん! 未来のスーパーアイドルうららが負けるわけないの! ほら、ここみ、いくわよっ!』
そして再び暗転。
次に映し出されたのは、日の暮れた
お
うららはなにかに
(今までと……どこか
心美はピンときた。
始めに流れていた映像は、いつどこの一幕か思い出すこともできない。
それくらい、自分とうららにとっては、ありふれた日常の一コマであった。
しかし今の二つの映像は──よく覚えている。
花音と詩穂の強さ、そして戦うことに対する二人の強い
イロウス警報が鳴り、出現場所に直行した時にはすでに二人によってイロウスが
花音と詩穂が、アイドルもイロウス退治もどちらも
うららが自信をなくして、元気をなくして落ち込んでいるのに、かける言葉を見つけられずに
「友達なんてくだらないよね」
あまりに
心美は目線だけで自分の隣を見やる。
そこには──自分とうり二つの顔でスクリーンを見上げる少女が座っていた。
「どれだけ一緒にいても、仲の良いフリをしても……本気で
正面を見つめたまま
「ねえ……ここに映っている二人って……本当に友達同士だと思う?」
自分と同じ声のはずなのに、それが心美にはどうしようもなく冷たく聞こえた。
「あ、あなた……だれ……」
「あなたは、わたし。わたしは、あなた」
心美は身動きができなかった。
異質な空間に閉じ込められた
そして──心を
「なんで……そんな、こと……」
自分とうららとは友達なんかじゃない──そんなことを言われて本来なら黙っていられるわけがない。
それなのに声が出てこなかった。
彼女の言っていることはデタラメだ──そう断言できない自分がいた。
(もう一人の私が言ってること……本当に違うって言えるのかな……?)
うららがなにか思い詰めている時、彼女から切り出してくれるのをただ待つことしかできない自分。
うららが悲しんでいる時に、ただ見守ることしかできない自分。
(ぜんぶ……私だ……)
的外れなことを言ってしまいそうだから、うららの気持ちを傷つけてしまいそうだから、自分なんかがうららの支えになれる自信がないから──その全部が
認めたくない自分の姿を、もう一人の自分から
「ねえ……楽になろうよ?」
心美の左手が、もう一人の心美にそっと
「本当に悩んでいる時に、悩みを打ち明けられないのが友達なの? 相手が悩んでいると分かっていても声をかけられないのが、本当に友達なの? 私とうららちゃんは、本当に友達なの?」
「わた……しは……」
震える心美の唇はまともな言葉を
目の
ゆっくりと、ゆっくりと心美の左手が形を
五本の指が
「さあ……」
頭の奥に
左手から
眼前のスクリーンに幕が下り始める。
もうこの二人の物語は終わったのだと告げるように──
『ここみの考えてること、もっと教えてよっ!』
瞬間、下り始めた幕が動きを止めた。
スクリーンに再び映像が映し出される。
それは──いつかの遊園地だった。
ずっと昔、うららと
『ここみの考えてること、もっと教えてよっ!』
うららはあの時、確かにそう言った。
だがうららはなぜ、あんなことを言ったのだろうか──

その日もうららは、自分の乗りたいアトラクションを次々と回り、それに心美が振り回されていた。
いつもの二人によくある光景だった。
(そうだ……。でも、あの時、私は……)
うららとある約束をしていた。
一緒に観覧車に乗ろうね──心美はうららと一緒に観覧車に乗ることを楽しみにしていたのだ。
でも、うららはそれを忘れてしまっているかのように、その場その場で
そんなうららがあまりに楽しそうだったから、自分の気持ちを言い出すことができなかった。
うららが楽しければそれでいい、我慢しようと口を閉じた。
そんな時、うららがふと立ち止まって、心美の方を
「ねえ、ここみ!」
「……どうしたの、うららちゃん?」
「ここみは、なにか乗りたいものはないの?」
「え……ううん、私はうららちゃんの乗りたいものでいいよ」
「……あっそ」
うららと一緒に観覧車に乗りたい──本当の気持ちを伝えることができなかった。
うららちゃんはきっと、私との約束のことなんて忘れちゃってる。でもこれでいいんだ。うららちゃんが楽しければ──そんな
『……ここみのバカっ! もういいっ! うらら、ひとりで観覧車に乗るからっ!』
心美には、うららが突然態度を変えた理由が分からなかった。
「えっ……うららちゃん、待ってよ……私も一緒に行くから……」
「ここみはいいのっ! うらら、一人で行ってくるから!」
「急にどうしたの、うららちゃん……?」
「だって、ここみは乗りたいものがないんでしょ! だったらここで待ってればっ!」
「え……どうしてそんなこと言うの……? 私だってうららちゃんと一緒に観覧車に乗りたいよう……」
「…………」
「約束したよね……? 二人で一緒に観覧車に乗ろうって……」
心美が自分の気持ちを
『だってここみがなにも言ってくれないからでしょっ!?』
うららのその言葉に、心美はハッとした。
一緒に観覧車に乗りたい──そう言い出したのは自分の方なのに。
楽しそうにするうららに遠慮して自分の想いを押し殺してしまっていた。
『ここみってばいっつもそうっ! ここみがなにをしたいのかさっぱり分からないっ! 今日だってそうっ! ねえ、ここみは楽しいの? うららにつき合うだけで……本当に楽しいのっ!?』
『もっと教えてよ! もっと聞かせてよ! ここみの考えてること!! ここみはうららと一緒にいて、ホントに楽しいの!? ここみの思ってること、ちゃんと言ってくれなきゃ、うらら……分かんないよっ!』
あぁ──そうだ。
その時、心美は気づいたのだった。
うららは自分のことを本当に友達として見てくれているのだろうか──そんな不安を
うららに対する想いを、自分がちゃんと伝えていないから。
「……うららちゃん、ごめんね。私、うららちゃんと一緒にいて楽しいよ! 今日だってうららちゃんと一緒に観覧車に乗れるの、すごく楽しみだったから、だから……私、うららちゃんと一緒に観覧車……乗りたい……!」
「……そ。じゃあ、さっさと行くわよ。……でも、これからはここみの考えてること、したいこと、ちゃんと言ってよね。いい? もし
「うん……うんっ……ありがとう、うららちゃん!」
あの日、約束したのだ。
(そうだ……。それなのに私は……)
いつしか忘れてしまっていた。
活発なうららを見守るだけの自分に
だから──
「…………うららちゃんは、私の大切な友達」
その半身を闇の
もう迷わない。もう遠慮しない。もう怖がらない。
だってそれが、本当の友達なのだから──
「元気で、
その目がもう一人の心美を
闇を振り
その
最後に残されたのは、新たな星衣をまとった心美だけだった。
「これって……」
見たことのない星衣に心美が
しかし迷っている場合ではないと、自分の
「……うららちゃんが待ってる!」
決意を新たに心美が走り出す。
延々と終わりなく
「きっと、あそこに出口が……」
立ち去る心美を見届けるように、その背後ではスクリーンに再び幕が下り始めた。
やがて幕がスクリーンを完全に
幕が下りきるまで、スクリーンには一枚の写真が映っていた。
それは仲良く手をつなぐ心美とうらら、そして──
そんな二人を背後から見守る、もう一人の心美だった。

サイドブリッジ──
赤く染まった空に
一つ、そしてもう一つ。
「たあぁぁぁ!」
「やあぁぁぁ!」
二つの亀裂が同時に
裂け目をぶち破るように飛び出したのは──心美とうららだ。
「ここみっ!?」
「うららちゃん!?」
二人ともお互いに
勢いそのままに二人は空中で衝突しそうになったが、なんとかスピードを殺し、お互いに
「ここみ! あのね、うらら、伝えたいことがっ……!」
「うららちゃん! 私、どうしても言いたいことが……っ!」
二人が同時に叫び、同時に
今までの二人なら迷わず心美が先を
しかし、今度は違った。
「うららちゃん! 私から言わせてっ!」
うららのお
「私はうららちゃんを支えたい! 星守のうららちゃんも、アイドルのうららちゃんも、どっちも大切なうららちゃんだからっ! だから……だから教えて! うららちゃんの悩んでること全部っ!」
これまで
「ちゃんと答えられないかもしれない! 変なこと言っちゃったり困らせちゃったりするかもしれない! でもっ……でも絶対に受け止めるからっ! うららちゃんは……私の大事な大事な友達だからっ!!」
その頰に一筋の
「ここ……み……」
うららは声を失った。
「…………うん、分かった」
やがて、うららが語り出した。
「うららね……自信なくしちゃってた」
かつてなら
「ううん、それだけじゃない……。星守としての使命とか、アイドルを目指す熱意とか、そんなのも全部まとめて消えちゃってた……
でもね──うららが心美の顔を見つめ返す。
「ここみが思い出させてくれたの……。うららの夢は二人の夢だって。うららだけじゃない、二人でかなえる夢なんだって……」
心美の手の上に自分の手のひらを重ね、
「ありがとね、ここみ……」
「うららちゃん……」
「な、なぜ……。なぜその姿で戻ってきた!?」
エヴィーナが声を
宙に
その一つ一つが星守たちと花音、詩穂を閉じ込めた
うららと心美も
「ふんっ、未来のスーパーアイドル、うららを
「うららちゃんと
二人の瞳にもはや不安の色はなく、自信に満ちあふれていた。
そんな二人にエヴィーナが食ってかかる。
「なぜイロウス化しない!? なぜその姿を保てるっ!? なぜ……なぜっ!?」
人間の