確かに辺りには星守クラスの仲間以外にもちらほら、カップルや家族、ペットの散歩をしている人々がいた。
うららは彼らの視線を気にしていたのだ。
もっとも、気にしているのはうららばかりで、
「うららちゃん、歩き方、変だよ……?」
「こっ、このくらい
「みんなからも遅れちゃってるよ……急ごう?」
「せっせと走るなんて、そんなアイドルらしくないことできない! ここみだけ先に行ってて」
うららがアイドル
心美は困ったようにモジモジしていたが、そのままうららのそばを
「どうしたのここみ、行かないの?」
「うん……。だって……」
うららちゃんと
「変なの……。遅れたくないって言ったのはここみなのに」
「なにやってるんだろうね……?」
心美とうららの姿を、みきたちが遠く眺める──その時だった。
けたたましい警告音が
「これは……」
『みんな、イロウスが現れたわ』
「せっかくみんなでお散歩してたのに……」
みきが
そんな彼女を遥香がそっと
「イロウスを
「……うん、そうだよね、遥香ちゃん! よーし、早く倒してみんなでお散歩に戻るぞー!」
うじうじ
星守の大切な役目なのだと気分を切り
「なかなか全部はいなくならないね……いっそ、生き残ってるのがまとめて一気に出現してくれればいいのにっ!」
昴も、イロウスへの
「行こう昴ちゃん、遥香ちゃん、みんな!」
みきの声に昴と遥香、そして星守の少女たちが大きく頷いた。

イロウスの
出現したイロウスの数は少なく、サイズも小型だった。
神樹の聖なる力によって守られた地上で、なんとか生きながらえていた
「ふぅ……みんな、おつかれさま!」
誰も
だがそんな中、遥香と明日葉だけが
「どうしたんですか、明日葉
気になったみきが
「いや……実は気になることがあってな……」
明日葉が重い口を開く。
「最近、このあたりで起こっている連続少女
「ええ、まあ……」
みきも事件のあらまし程度は
中学生、高校生の女子生徒が
本来なら世間を騒がす大事件に発展していてもおかしくはないのだが、短ければ数時間、長くても数日で発見されていることから、誰もが不安を
少女たちが失踪している間の
「でも……その事件がどうかしたんですか?」
「この近くなの……失踪した現場……」
遥香が見つめる先には細い路地がある。
ここに
そこでみきもようやく、二人が
「ひょっとして……今回だけじゃなくて……?」
その言葉に遥香と明日葉は
「これまでもイロウスを討伐すると、しばらくして失踪していた少女が姿を現すことが何度かあったらしい」
「それって……イロウスが女の子たちを
「そうとも限らないの。女の子が失踪する前にイロウスの警報が出ていたかというと、必ずしもそうではないみたい」
少女たちはいずれも街中で失踪している。これがイロウスの
「…………今はそれ以上のことは分からない。だが……」
イロウスの出現と少女の失踪──リンクしそうでリンクしない二つの事件に、みきは二人が難しい顔をしている理由を
「先生方もいろいろと調べているそうだ。ここで私たちがあれこれ
「はい……」
遥香と明日葉の間に重い空気が
その様子は、みきの心にも暗い一筋の

イロウスの退治を終えたみきたちは、報告のために神樹ヶ峰女学園へと
みきと遥香、明日葉の三人は胸の内に
「お帰りなさい、みんな」
「イロウス退治、お
ラボに戻ってきたところを、八雲樹と
ねぎらいの言葉をかける二人は、戻ってきた生徒たちの中に
「みき、遥香、明日葉?」
樹に声をかけられた三人の肩がピクリと
「どうかしたのか?」
「えっと……その……」
みきは遥香と明日葉に目配せする。
それに二人が視線で答えた。
「あの……ちょっと聞きたいことが……」
みきたち三人はそれとなく樹と風蘭をラボから連れ出すことにした。
「それで、聞きたいことというのはなにかしら?」
別室に場所を移したところで樹が切り出す。
「あの……最近起こっている女の子たちが失踪する事件、ありますよね? あれって……イロウスとなにか関係があるんですか?」
みきのその言葉に樹の表情が一気に険しくなる。
そのままの勢いで
「最近の神樹に変わった様子はない。もしもイロウスが活発化してなにかしでかすようなら、必ず反応があるはずだ。だが……」
「それでは御剣先生、やはり心当たりが……?」
明日葉の問いかけに風蘭がそっと目を閉じた。
「ああ、まさに今、アタシたちもその可能性を
「まだ確実なことは言えないけれど、イロウスの出現と失踪した女の子たち……あなたたちも気がついているように、あまりに近いのよ……時間も、場所も」
しかし両者を結びつける
「私たちに、なにか、できることはないのでしょうか……?」
分かってしまったからには
「今の段階で目立った行動はできない。アンタたちの気持ちは
確かな
「確実なことが分かるまで公表を
「ですがっ……!」
明日葉が複雑な思いをぶつけようとした、その時だった。
「残念ながら……そうも言っていられない状況になってきました」
「理事長!?」
「どういうことですか!?」
いきなりの登場と言葉の中身に、五人が牡丹の真意を問う。
「樹、風蘭……今すぐ星守たちを集めてください。もはや、我々に残された時間はありません」
牡丹は
「我が学園の生徒数人が……姿を消しました」
「……
「そんな……」
「とうとう神樹ヶ峰にも
「方針を、
あまりに急な展開に、みきたちもショックを
しかし、彼女たちも『星守』だ。
この星の平和を守る者としての覚悟は、とうの昔に固まっていた。
すぐに気持ちを切り替えた彼女たちの
「みき、遥香、二人はすぐにみんなを呼んできてくれ。私は、先生方と今後の動きを確認する」
「はい! 行こう、遥香ちゃん!」
「ええっ!」
明日葉の言葉に、みきと遥香は力強く頷くと、仲間たちの待つ教室へと

みきたちが向かった先、そこは
すでに事情を把握しているみき、遥香、明日葉がそれぞれ先導役となり、手分けして
みきは
「あの子たちも動き始めたみたいね」
みきたちを
「私たちより数も多くて、ちゃんとしたサポートも受けて……そんな星守が今までなんら行動を起こしてこなかった……。まったく、なにをやってたのかしら……」
「
二人は星守たちの様子を遠巻きに見つめながら
「星守さんたちには星守さんたちの事情があるのよ、きっと」
「どうだか……。地上からイロウスを追い
「ふふっ、花音ちゃん、顔が
詩穂からニッコリと
「分かったわ。でも……どちらにせよ、急ぎましょう。星守が
「ええ……花音ちゃん」

「秋葉原の地下にこんな空間が広がっていたなんて……」
イロウスが出現した場所を中心に捜索することになっていたみきたちは、用水路の出口から逆に進んで地下水路へと
まともな明かりもなく、
そちらに歩を進めてしばらくすると、一気に開けた空間に出た。
「人の手が加わっているみたい……昔、造られたなにかの
昴が周囲を
イロウスが
ここにイロウスが、いや、ひょっとしたら連れ去られた女の子もいるかもしれない──なにか手がかりはないかと五人が辺りを探る。
「……あ、みき
走り出した心美が、地面に転がっていたなにかを拾い上げる。
「これ……うちの校章!?」
見覚えのあるデザイン──
「ここに校章があるってことは……やっぱりここに連れてこられたんだ……」
「じゃあ、いなくなった女の子たちは、ここに
うららが背筋を
自分たちが今、まさに事件の現場にいるのだという感覚が強くなる。
「みんな、女の子たちを探すよ!」
みきが声をかけた──その時だった。
暗がりの向こう──無数にある地下水路の奥から、
息遣いは数を増し、近づいてくる。
やがて、その正体が五人の前に姿を現した。
それは──これまで目にしたことのないイロウスであった。
「な……なにあれ……」
「イロウス……? でもあんなの、見たことない……」
「だって……あれじゃあまるで……」
誰もが自分の目を疑った。
そのイロウスは──二本の
そしてなにより──人の
彼女たちが知っているイロウスといえば
空を飛ぶものもいるにはいるが、四本脚で歩くものが大半だった。
それなのに、ここにいるイロウスはどうだろう。
どす黒い
だが──二本の脚で立っている。
ふらつきながらも、確かに二本脚で立っている。
その姿は、人間となんら変わるところがなかった。
『ギギギギギッ!!』
そのイロウスはみきたちを見つけると、
「くっ……なによ、こいつ!」
イロウスの突進をかわしながらあんこが
「見た目が違っても、イロウスはイロウスでしょ! うららがやっつけてやるんだから!」
「わ、わたしもっ!」
だが、勝手が違った。
「きゃあっ!?」
「ここみ!」
隙を
「ここみ、大丈夫!?」
「う、うん……ありがとう、うららちゃん」
二人がかりでどうにかイロウスをはね返した。
「心美ちゃんっ! うららちゃんっ!」
二人を心配するみきも、そちらに助けにいく
彼女も、そして昴もあんこも──誰もが
星守同士の連係は乱れに乱れ、個人個人が目の前のイロウスの相手をするだけで精いっぱいだ。
(くっ……このままじゃ……)
どうにかしなければと五人がもがいていた時──みきの眼前のイロウスが
巨大な柱にたたきつけられ、そのまま動かなくなる。
その
(みんなが……きてくれた……?)
しかし、イロウスの
「え……?」
その
彼女たちは何者なのか。
なぜこんなところにいるのか。
彼女たちがイロウスを
疑問は
「まったく……そんなんで本当に地球を守れるの?」
イロウスを
「ふふっ……大丈夫だった?」
みきの無事を確かめるように、
「詩穂、まずはアイツらを倒しましょ、行くわよ!」
「ええ、花音ちゃん」
二人はみきたちに背を向けるとイロウスへと飛びかかっていった。
その戦いぶりに、みきたちは目を見張った。
なんら
おまけに二人の連係も、見事という言葉を通り
一人がイロウスと相対すれば、もう一人はその背中をフォローする。
一人がピンチになる前に、もう一人がその芽を
しかも二人の間には合図もかけ声もない。
わずかな目配せに、返すアクションは小さな
まるですべてが初めから打ち合わせ通りだったような──それこそ、イロウスさえもが二人を引き立てるための役者だったのではないかと疑ってしまうくらいに。
流れるように次々とイロウスを倒す二人に、まるで
イロウスたちが
打ち倒されたイロウスは、まるで最初からそこにいなかったかのように、
「お
「花音ちゃんも。
「とーぜんっ!」
まるで疲れた様子も見せない花音と詩穂だった。
「す、すごい……」
自分たちが押されっぱなしだった人型のイロウスを、
「あ、あの……」
みきが二人に声をかける。
すると花音はどこか
「情けないわね……本当にあなたたちがイロウスから地球を取り
「なっ……いきなり失礼ね!」
「ちょっと! なんでうららたちが、急にそんなこと言われなきゃならないわけ!?」
しかし、花音はそんな彼女たちを
「私は本当のことを言っただけ……実際、さっきのイロウスにもまったく歯が立たなかったじゃない」
「そ、それは……」
「星守の使命は人々を守ること……そんな力で本当にやっていけるの?」
見たことのないイロウスだったから、
言いたいことはいろいろあれど、ただの言い訳だと自覚している彼女たちは
「花音ちゃん、それくらいで」
「だって詩穂! この子たち、星守なのに私たちに助けられているのよ! この程度の力じゃ、例の
「え……あの事件のこと、なにかご存じなんですか!?」
目の前の二人はただイロウスを倒せる力を持っているだけではないとみきが察する。
自分たち星守と同じように、少女失踪事件とイロウスとをリンクさせている。
「あなたたちには関係のないことよ。行きましょう、詩穂」
「ええ。それでは失礼しますね」
回れ右した花音が地下空間の奥へ進む。
詩穂はみきたちに深々とお
「あの人たち、いったい……」
昴が
いったい何者なのか、なぜイロウスを倒せるのか、なぜあんなにも強いのか。
さまざまな疑問がごちゃ混ぜになってこぼれ落ちた言葉だった。
「まったく! なんなのよ、あの二人!
「ま、なんにせよ、あんまり仲良くなれる気はしないわね」
「う、うららちゃん、あんこ
苦い顔をするうららとあんこを心美がなだめる。
「でも……あの二人が言ってたこと、
「そう、だね……」
昴の一言に、みきが暗い表情になる。
世の平和を守るために戦うのが星守の使命──しかし、今回の新型イロウスに歯が立たなかったのは事実だ。
このままでは──
「どうしたの、うららちゃん?」
その時、さっきまで怒っていたはずのうららが
「ちょっとね……。うーん……どこだっけなぁ……」
「どこかで見た気がしたのよねぇ……」
「見たって……さっきの二人を?」
「うん……」
しばらく
「とにかく……私たちも先を急ごう!」
気を取り直すようにみきが声をかける。
「
みきの
五人は気持ちを切り
開けた空間と地下水路が織りなす迷路をひたすら歩くこと小一時間。
みきたちは再び
すでにかなり深く
これ以上を進むなら、さすがに一度引き返して態勢を整えた方が良いかもしれない──そんなことを話し合っていた時だった。
「あ、あれを見てください!」
心美が指差す先にはさっきの二人がいた。
そしてその足元には──
「うちの生徒だっ!」
神樹ヶ峰女学園の制服姿の女子生徒たちが横たわっていた。
気絶しているのかピクリとも動かない。
みきたちは急いで少女たちのところへと
「あら、来たのね。
少しだけ見直したというように花音が呟く。
「なっ……逃げるわけないでしょっ!」
「花音ちゃん、失踪した女の子たちは、ここにいる子たちで全員ね」
手元の
「みんな息はあるみたい」
「そう……良かった。あー、ちょっと疲れちゃったかも」
花音が
「数が多かったものね、イロウス」
「ま、
「あの……もしかして、ここにいたあの強いイロウス、全部倒しちゃったんですか?」
まさかという顔でみきが
「ここには一体もいなかったわ。ここに来るまでのやつのことよ」
なんということもないように花音が言い放つ。
「確かに……ここに来るまで、イロウスは
「そんな、たった二人で全部のイロウスを……」
改めて花音と詩穂の強さに感服するしかない五人だった。
『ねえ~、お
その時、この場の空気にそぐわない気の
「
花音がやれやれと
「そんな子供みたいなことを言わないで。いい大人なんだから」
『あー、花音がいじめる……詩穂ぉ~』
「まあまあ、花音ちゃん。そんなこと言わないの」
『詩穂ってば
「空腹の心配って……星守が
『わーん、花音が
「まったく……」
『それに二人には、他にもやることがあるでしょ? 早く帰っておいで~』
その言葉を受けて、なにか言いたげだった花音がぐっとこらえる。
「はぁ……帰りましょうか、詩穂」
「ええ、花音ちゃん」
これ以上の問答は意味がないと
「あとはあなたたちに任せるわ。この子たちを地上に連れて帰ってあげて」
「よろしくお願いしますね」
あとに残された星守たちは、
彼女たちは、いったい何者なのか。
なぜイロウスを
そしてなぜ、あれほどまでに自分たちを敵視するのか。
「結局、あの子たちが
「そうね。ま、ワタシたちのことを良く思ってないってことだけは分かったけど」
「なんなのよ、あの態度! うらら、ああいう人、好きじゃないっ!」
「う、うららちゃ~ん」
「でもとりあえず……この子たちを安全なところに連れていかなきゃだね」
言いたいことは

みきから知らせを受けた樹の協力もあり、地下空間の少女たちは無事に救助された。
やはり連れ去られた
その立役者として賞賛されたのがみきたち星守だったのだが──もちろん、それを
神樹ヶ峰女学園へと
「星守ではないけれど、イロウスを倒せる……」
みきの言葉に樹がうーんと考え込む。
「残念だけどわからないわね。そういう存在がいるという情報も現時点では入っていないわ」
「そうですか……」
樹の言葉にみきが大きく肩を落とす。
気落ちした星守たちを前に、樹は彼女たちを激励するように柔らかく微笑んだ。
「でもみんな、よく
残念ながらイロウスが少女を連れ去る理由だけが不明だが、それを補って余りある
そう感じて教え子を
「あの、理事長……」
これまでの会話を隣で聞いていた牡丹へ、みきが思い切ったように口を開く。
「私たちは、星守は……弱いんでしょうか……?」
新型のイロウスに
二人の連係も感動すら覚えた。
それに比べて自分たちはどうだろう──すっかり自信をなくしてしまっていた。
「ふふっ……
そんな不安をぬぐうように、牡丹はゆっくりと言い切った。
「私は、誰と
「そう……ですか……」
「でもワタシたち……あの人たちの言う通り、なにもできなかった」
「……そうね」
昴とあんこがその時のことを思い出し、何度目になろうかというため息をもらした。
「やっぱり……私たちは弱いんでしょうか……」
「そんなことないっ!」
心美の言葉にうららが声を荒らげる。
だが、みんなの視線を受けてその勢いはすぐに沈んでしまった。
「そんなこと……思いたく、ないよっ……」
「うららちゃん……」
『はぁ……』
少女たちの間に暗くよどんだ空気が
そんな空気を打ち破ったのは──風蘭だった。
「話は聞かせてもらった!」
一同が振り向いた先で、理事長室の戸を開け放った格好の風蘭がニヤリと笑う。
「おまえら、もっと強くなりたいんだってな?」
「な、なにか方法があるんですか!?」
風蘭の勢いに、みきが思わず前のめりになった。
「喜べ! ちょうど、新しい特訓プログラムを
『新しい特訓!』
あの二人に追いつける強さを身につけられるなら──それまでしょんぼりしていた少女たちの
「全員、星衣になってラボに集合!」
『はいっ!』

風蘭の特訓を乗り
イロウスが
あの二人に早く追いつきたい、強い星守になりたい──その一心で続けざまに
パトロールの際、心美とうららは
ヘトヘトになりながら、しかしみんなが頑張るのだからと元気を振り
「うららちゃん……?」
なにやら考え込んだままのうららに心美が声をかける。
「えっと……うららちゃん?」
聞こえていないのかな、と心美が顔を
「あーもうっ! ここまで出かかってるのにっ!」
「思い出せそうで思い出せないのって、すっごいモヤモヤするっ!」
「思い出せないって……あの二人のこと?」
そういえば地下空間で
「そんなに無理して思い出そうとしなくても……」
「だーめっ! なんかよく分かんないけど……このままにしておくのはすっごくイヤなの! 思い出さなきゃダメだって、うららの中でなにかが
「よく分かんないよぅ……」
うららが必死になる理由がさっぱりな心美は、それ以上の追及を止めた。
そのうち思い出してくれるだろう、くらいの気持ちで、今はパトロールに集中する。
そんな感じでしばらく街を散策していた──その時だった。
『さーて、今週もやってきました! ベストヒットGP!』
『今日、
『はい、初めましてーっ!』
その声に──
「あ、あ、あ……」
「うららちゃん?」
急変したうららの様子に心美が首を
そんな彼女に答えることもなく、うららはただ、
それにつられて頭上を見上げた心美も、やはり声を失った。
『私たちのこと、知ってる人はお久しぶり!』
『知らなかった方は、ぜひ覚えていってください!』
『私たち、二人合わせて