第九章:王宮からの使者
「ロールちゃん、金貨も大粒の砂金もレア
『そこら辺のダンジョンの宝より高価な品が集まっているんニャよ。もっと自覚持ってほしいニャ』
「んああ~」
お客さんがたくさん来るようになっても、私の日常は変わらない。ロールちゃんから貴重品を回収し、食材を集め、料理を作る。キャンデさんも相変わらず〝カフェ・アンチドート〟を出入りしているし、ネッちゃんも元気。昨日だって、お風呂から
「「お帰りなさい、キャンデさん」」
「ただいま。今回のクエストでは、毒食材は入手できなかった。すまんな」
「いえ、お気になさらないでください。まだまだ保管している食材がありますから」
キャンデさんはクエストのついでに食材を集めてくれる。でも、お
「「レベッカ・サンデイズ嬢……レベッカ・サンデイズ嬢はいらっしゃいますかー!?」」
何人かの男性の声だ。誰だろう。お客さんじゃないことだけはわかった。声だけでも
「レベッカ、誰だろうね」
『ずいぶんと慌ててるっぽいニャ』
「わ、わからない。聞いたことない声だよ」
「念のため、私も
みんなに付き
「貴様ら何者だ!
「「ち、違います、我々は……」」
「キャンデさん、大丈夫です! この人たちはフリーデン王国の衛兵の
誤解から争いが始まる前に、慌てて彼らの間に入った。武装した人たちはフリーデン王国の衛兵。その証に、胸には国の
「……ったく、そうならそうと先に言え」
「「申し訳ございません……」」
キャンデさんがSランク
「あの……レベッカ・サンデイズは私ですが、いったいどうされたんでしょうか?」
「「ああ、お会いできて良かった……。実はですね、今国王陛下が大変なことになっています。サンデイズ食堂にて食事をしたら、非常に強力な毒に襲われてしまったのです」」
「「えぇ!?」」
実家は私の追放を
要するに、実家の面々は私が注意したことを何も聞いていなかったというわけだ。
「……サンデイズ家がご
「「い、いえ! レベッカ嬢のせいではないですから!」」
頭を
「「それでですね、レベッカ嬢。ぜひ、あなた様のお力を貸していただきたいのです。聞くところによると、どんな毒も無毒化してしまうとか」」
「ええ、もちろんです! すぐにでも行きます! 私の《毒消し》スキルなら無毒化できると思います」
こうしちゃいられない。急いで王宮へ行かないと。
「「それを聞いて我々も安心しました。王宮の専属
衛兵の皆さんに連れられ、お店前の広々としたスぺースへ。プレートを落とすと、地面に
「ネッちゃん……」
『一緒に行くニャ!』
「あの、
「「……え? はい、構いませんよ。さあ、行きましょう」」
ネッちゃんとともに魔法陣の中心へ立つ。
「レベッカ、気を付けてね!」
「毒なんかさっさと消して戻ってこい!」
ロールちゃんとキャンデさんが
「「〈テレポーテーション〉! 我らをフリーデン王国の王宮へ転送せよ!」」
衛兵の皆さんが
□□□
「「レベッカ嬢、どうぞ目を開けてください。王宮に着きましたよ」」
「『うっ……』」
光に包まれて数秒後、衛兵さんの声が聞こえた。そっと目を開ける。石造りの
「「お身体に異常はありませんか? 人によっては軽いめまいを起こすことがあります」」
「私は大丈夫です。ネッちゃんは平気?」
『全然平気だニャ!』
「「良かったです。それでは、さっそくですが国王陛下の毒消しをお願いします。陛下はその扉の中にいらっしゃいます」」
私たちの目の前には大きな扉がある。あの
「はいっ、お願いしますっ」
衛兵さんたちが扉を開き、私たちを案内する。入ってすぐのベッドに……王様は
「王様……今、治しますからね」
気持ちを落ち着けながらベッドの
「《毒消し》!」
いつものように、私の手が白く光る。何度も私を助けてくれた
今度は王様を助けて……!
「はぁ……はぁ……がはっ! げほっ、ごほっ! はぁはぁ、ワシはどうなったんじゃ……? ……生きているのか?」
王様は
「「国王陛下! ご無事ですか! 体調は問題ありませんか!?」」
「ああ、
「「そちらはレベッカ・サンデイズ嬢です! レベッカ嬢が類まれな《毒消し》スキルで国王陛下を
「なんと!」
王様はガシッと私の手を握り、笑顔でお礼を言ってくれた。
「そなたがレベッカ嬢だったか! 会えて
「は、はい、私も治せて良かったです」
王様の言葉を皮切りに、室内のみなさんがいっせいに叫ぶ。
「「お……王様が回復されたぞー!」」
「王様が治ったって本当ですか!? ああ、ベッドに起き上がられている! 顔色も良い!」
「レベッカ嬢! あなたならどうにかしてくださると思いました!」
「ありがとうございます、レベッカ嬢! あなたはこの国を救ってくださったのです!」
無事、王様が元気になってくれて良かった。