いくら魔力を込めても、王様は目を覚まさない。それどころか呼吸が浅くなり、生気が抜け出した。役に立たないとわかると、衛兵たちはあたくしを乱暴に突き飛ばす。

「この女はダメだ! 急いで王様を王宮の医務室に運べ! 事態は一刻を争うぞ!」

そくせきのタンカを作れ! 使えそうな物を持ってこい!」

おれ、先に行ってじようきようを伝えてきます!」

 衛兵たちは大急ぎで走り回る。その光景を見ていると、お義姉様の言葉が思い出された。

(〈ハザードフグ〉がれいとう保存されてますがもうどくなので、調理できないなら処分してくださいね)

 あの謎の魚こそが〈ハザードフグ〉。猛毒があったのだ。

 ――お義姉様の忠告をちゃんと聞いていれば……。

 あたくしは、かつてないほどのあせりに身を焦がす。