間章:魚があった!(Side:アンジェラ)
「アンジェラ、何をやっているの。騒がしくしないでちょうだい」
「そうだ、そうだ。子どもだからってうるさくしていいわけじゃないんだぞ」
さらに
「「こ、国王陛下! どうして、こちらに!」」
王様を見るや否や、
「レベッカ
「「なっ!?」」
目を見開いて呆然と
「こ、国王陛下。お言葉ですが、レベッカの料理などお口に合うはずはありませんわ」
「妻の言う通りでございます、陛下。あんな娘が作った食事より、王宮の料理の方が何倍も美味しいでしょう」
「いいや、それが違うのじゃ。ワシは一度レベッカ嬢が作った料理を……と言っても
「「そ、そうなのですかっ!?」」
ふーん、王様はお義姉様の料理を食べたことがあるんだ。別にどうでもいいけど。
「というわけでの、ワシは今日サンデイズ食堂を訪ねたんじゃ。まずはレベッカ嬢に
「お待ちくださいませ!」
すかさず、お母様が叫ぶように言った。お義姉様を追放したことが知られたら困るもの。ククク、どうするのかしら?
「ひょっとして、レベッカ嬢はいないのかの?」
「い、いえ、います! どうぞお入りくださいませ。食堂は奥の部屋でございます」
「失礼するぞよ」
王様は衛兵と一緒に食堂へ向かう。それを緊張した様子で見送るお母様たち。ざまぁ見なさい。あたくしに雑用を
「アンジェラ、あんたがどうにかしなさい! 料理を代わりに作りなさい! レベッカがいないことがわかったら、サンデイズ家は大変よ!」
「そうだ、そうだ! アンジェラが何とかしろ! 料理を作れ! レベッカを追放したことを隠し通せ!」
「ええ!?」
お母様が告げ、お義父様が賛同する。またこのコンボ……。いい加減にしてちょうだい。しかも、お義姉様の追放を隠し通せってどういうことよ。
「ええ!? じゃ、ありません! あんたが一番若いんだから、あんたがどうにかするべきでしょ!」
「そうだ、そうだ! アンジェラがどうにかしろ! 一番若いんだから!」
だから、さっきからなんなのその
「ちょうどいいわ、これをアンジェラの
「うむ、そうだな。ちょうどいい機会だ。王様の食事が作れる機会なんてそうそうないぞ。感謝したまえ」
「はぁ!?」
なに勝手に話を進めてるのよ。この人たちは本当に横暴極まりない。
「あたくし、お料理なんか作ったことありませんわ! 無理です!」
「つべこべ言わずやりなさい! 子どもは大人の言うことを聞きなさい! 子どもなんだから!」
「そうだ、そうだ! 言われた通りにするんだ! 子どもなんだから!」
「子どもかどうかは関係ないでしょうが!」
右からはお母様、左からはお義父様の
「どうしたのかの~? なんだか騒がしいようじゃが~。ワシは魚料理が食べたいの~」
お母様たちと言い争っていると、王様ののんびりした声が届いた。あたくしたちは
「な、なんでもございませんわ! ……ここは私たちがどうにかするから、早く料理を作ってきなさい。魚料理をね!」
「そうだ、そうだ。急いで料理を作らんか。魚料理をな!」
お母様に背中をぎゅうう! とつねられる。そのまま、お母様とお義父様は食堂へと向かった。仕方がないので、あたくしはとりあえずキッチンへ来た。
「ああ、もう。お母様は横暴なのよ!
そこら中の
(いつも食材を使い切るようなレシピを考えているの。余って腐らしちゃうともったいないからね)
とか言っていたっけ……。
「少しくらいは保存しておきなさいよおおおお! あたくしが困るでしょうがああああ!」
お義姉様に対する
……これはなに?
お腹のところがふっくらとしたお魚だ。凍っているから硬いけど、生きているときはタプタプしてそうな雰囲気。背中には小さな
これで料理を作ればいいじゃないの。