間章:王様が来た!?(Side:アンジェラ)
「アンジェラ! 早く
「だから、子どもなんだから若いのは当たり前でしょ!」
「そうだ、そうだ! 本当なら言われる前にやらなければいけないんだぞ、アンジェラ!」
「お義父様も賛同しないで!」
マーグレイブ辺境
「アンジェラ!」
「今度はなに!」
お母様は
「まだ全然掃除できてないじゃないの」
「まったく何をやっているんだ、アンジェラ。掃除もできないのか?」
文句あるなら自分たちでやりなさいよ!!
……ものすごいストレスの毎日だ。今まではこんなことなかったのに。どうしてこうなったの? これはきっと、お義姉様のせいだ。家から逃げたから、お母様たちの
「あと、アンジェラ」
お母様の声。がっくりして気絶しそう。
「……なんでしょうか」
「あんたのお
「ええ!?」
無しにしたからね、したからね、からね……。頭の中にお母様の声が
「な、なんで!」
「なんでって、食堂が閉まったからに決まっているでしょう。少しでも節約しないと」
サンデイズ食堂を
「
「お
お母様は
「で、でも、今週末にあるお茶会はどうするの。新しいドレスを買わないといけないのに」
「そんなの古い服でいきなさい」
貴族のお茶会は文字通りお茶を飲む会、ではない。将来の
「お母様が節約すればいいじゃないの! 今週何枚のドレスを買ったのよ!」
「……チィッ!」
仕立て屋から届いた分厚い
「お、お前、こんなにドレスを買ったのか? しばらく買わないと約束したばかり……」
「……何か文句でも?」
「いや、何でもない」
お母様に睨まれた
「そもそも、サンデイズ食堂を閉店にしたのはお義父様じゃないですか! どうして、あたくしにしわ寄せが……」
「人のせいにするんじゃない、アンジェラ! お前をそんな
ぬあああああ!
なんて
まとめると、これも全てお義姉様のせいだ。自分が追放された後のことを、全然考えていなかったのが悪い。長女ならもっとちゃんとしなさいよ。
「「サンデイズ家ー! サンデイズ家の者はいないのかー!」」
外から男性の声が聞こえる。何かしら? と思う間もなく、お義父様がカッ! と指を鳴らした。
「アンジェラ、出なさい」
「……」
またあたくしかよ。聖女のように心が広いあたくしでも、さすがにもう
「たまにはお義父様が出たらどうですかっ」
「口答えするな! お前が一番若いのだから率先して……」
リビングに小言を残して
こいつらは王宮の衛兵だ。制服を見たことがあるもの。何しに来たんだろう。ハンサムな人は一人もいないので、ローテンションのまま対応する。
「何用でしょうか」
「「あ! ……なたはサンデイズ家の者ですか?」」
またこの反応だ。衛兵たちはあたくしをギョッと見る。うら若きレディーに失礼でしょうが。きっと、美人の
「アンジェラ・サンデイズですが、何か?」
「「レベッカ
……またお義姉様かよ。どこまであたくしをイライラさせれば気が済むのだ。追放したと言ってやれ。
「お義姉様はつい……」
と言いかけたところで、言葉を止めた。またお母様たちに
「今ちょうどお料理を作っているわ」
「「お料理を? サンデイズ食堂は閉店したのでは?」」
「また再開したんです」
面倒だから適当に
「「そうですか、そうですか。いやぁ、それを聞いて安心しました」」
衛兵たちはホッとした表情。お義姉様の話をしているときは
「安心したって、どういうことで……」
言い切る前に、衛兵たちはとんでもないセリフを
「「国王陛下―。サンデイズ食堂は再開したそうです」」
「おお、そうかそうか。ようやく、レベッカ嬢の食事が食べられるのだな。これほど楽しみなことはない」
衛兵の後ろから出てきたのは……あろうことかフリーデン王国の王様だった。豊かな白い口ひげに、短い
フリーデン王国にある百個ほどの貴族家を
「「さあ、国王陛下、参りましょう」」
「そうだな、レベッカ嬢の料理が食べられる日がくるとは」
王様は衛兵に連れられ、サンデイズ家に足を
……