「じゃあ遺言書に書いたほうがいいかな。どこか大事にしまってさ。いつ死ぬかなんて誰にもわからないし」

「大丈夫です。ミスティア様が承諾してくださった、ということが重要ですから。ミスティア様がお亡くなりになられ、埋葬される際にその遺骨を抱いてそこで朽ちます」

「それ餓死だって! 寿命でね、寿命で。それに止められるからね!」

「駄目ならば夜が深まったころに」

「いやいや、あと生きてる時にできるお願いもたくさんしてね」

メロは終わりに向かった考え方をしている気がする。でも生きている、今この瞬間に我儘をたくさん言ってほしい。そんな気持ちを込めて彼女を見ると、「わかりました」と頷いてくれた。

彼女の手を取って二人、夕焼けに赤く染まる道を歩く。前にもこうしていたような、懐かしいような気がして、ずっとこの時間が続けばいいなと思いながら私は屋敷へと帰ったのだった。