「……」

 それが彼女の望み。意図せずして生き返ってしまった彼女の望み。

 本当はそれすら諦あきらめていたはずなのに、実際に目にしたら思いが止められなかった。

「一度で、いいんだ……」

「わかったよ、〈レイラス〉」

 灰色の髪の男──フランダー・クロウ・ムーゼッグは優しく彼女に言った。

「僕が時間を作ってあげる。だから、それまでは意識を強く持って、待っていてくれ」

「フランダー……」

 白髪の女──レイラス・リフ・レミューゼは涙にまみれた顔で夫を見た。

「僕はもう十分彼と話をした。だから、今回は君のために僕の時間のすべてを捧ささげよう」

 フランダーは空を見上げる。

「君にもお願いしよう。見ているだろう? 我が友よ。あの日交わした約束を、ここで果たしてくれ」

 空に、人のものではない声が、響いた気がした。