あとがき


初めましての方も、そうでない方もこんにちは。ナユタと申します。

このたびは本作『拾われ弟子と美麗魔術師~ものぐさ師匠の靴下探しは今日も大変です~』をお手に取っていただきまして、誠にありがとうございます。

他社様から刊行したものと合わせて、本作で三冊目の単行本を出させていただけることになりました。

これもひとえにいつも読んでくださる読者様と、大好きな家族のおかげです。

そんな家族の中でもとりわけ毎回書籍化を喜んでくれたのは母でしたが、残念ながら今回の書籍化は一緒に喜びあうことはできませんでした。

この作品はもともと「小説家になろう」さんで連載中だったものを、毎年サイト内で行われるコンテストに出して拾い上げていただいたのですが、母はこの作品の結果発表どころか、コンテストの開催を待たずに長年患っていた病気で帰らぬ人に。

もう何も書けないのではというくらいスランプになりましたが、兄に最後にするにしても、頑張って書いた作品だろうと背中を押されたことで、コンテストのタグをつけました。

結果としてこのあとがきを書けることになり、とても感謝しています。

でも苦しい時や悲しい時にこそ物語が必要なんだなと。活字中毒なので、書けなくても読むんですよね、本。それで他の作家さんの作品を読んでしみじみ思いました。読書は心の点滴だなぁと。

今作の主人公とその師匠は、常日頃から素直に感情をぶつけ合う間柄。我儘と不満の応酬に手加減はないという二人。でも一番伝えたい好意だけは秘密な弟子の乙女心は、毎分毎秒師匠の無慈悲な行いに打ち砕かれます。

作中で主人公がすることといえば、主に掃除。掃除。掃除。一巻は本当にほぼ掃除しかしていませんね……。

しかしそんな弟子の前からゴミの山がなくなることはありません。

そのゴミの山を無尽蔵に生み出すのは師匠なのですが、明らかに駄目な大人である彼のどこにときめく余地があるのか。読者様にはそこを探していただければと思います(笑)。

最後になりますが、この作品を本の形にしてくださったTOブックス様。

まさかのパソコンとWi-Fi環境なしというジャブに始まり、機械音痴でネット音痴というどうしようもない私を見捨てず、根気よくメールでやり取りをしてくださった担当様。

温かい光と透明感のある素晴らしいイラストで、作中の世界とキャラクター達をとても魅力的に描いてくださった瓜うりた先生。

毎晩晩酌をしながら面白い歴史の豆知識を授けてくれる兄。

無謀な挑戦でも反対せずにゆるーく見守ってくれる父。

同人誌活動を一緒にしてくれるフットワークの軽い伯母。

十キロもあるのに抱っこが大好きでお散歩が嫌いな愛犬。

Web小説サイトから応援してくださる読者様と作家様方。


そしていつまでも茶目っ気と探究心に溢れていた大好きな母。


様々な方々に支えていただいてこの本を出すことができました。

本当にありがとうございました!


二〇二四年某日 ナユタ