その脅しが効果的だったようで、

「分かった……わしの負けだ……好きにしてくれ」

 敗北を認めた。

「よし、それでいい」

 ペペロンは、ロシナッダの首から剣を引いた。

 ロシナッダは過呼吸になったように、ひぃひぃと息を切らしている。

 よっぽど剣を突き付けられたことが、恐ろしかったようだ。

 ペペロンはその後、クォレスにある、魔法書、設計図、武器、ゴールドを集めさせた。

 それほどレアな物はなかったが、持っていない物も多かった。

 特に魔法書は、四等級、五等級の物が多く、ペペロンたちには使う必要はないのだが、ほかの住民たちは魔力が少なく、ギガフレイムなどのハイレベルな魔法を使うことが出来ないため、有能な物だと言えた。

 ゴールドはかなり貯め込んでいたようで、一〇〇万ゴールドを一気に手に入れた。

 武器も品質はそこまでよくなかったが、今の住民たちが装備しているものよりかは、だいぶ上のものだった。

 ほかにも建築するための、石材や木材などの資材も、結構貯め込んでいたため、それも持ち出す。

 人口が今後増えていくことを見越して、家をもっと建てて、大勢が住めるようにする必要がある。

 資材はいくらあっても困らなかった。

 貯蓄されていた食料は、全部取っていくと、流石に餓死者が出まくって可哀想なので、貰うのは三割ほどにとどめた。

 三割でも、クォレスの人口は非常に多いので、相当な量もらえることになった。

 これらの物資を三ツ眼族に、拠点まで運ばせた。

 クォレスとの戦は、ペペロンたちの一方的な勝利で幕を閉じた。


 戦いの後、ペペロンはガスにいろんな街に情報収集に行かせ、名声が上がっているかどうかを確かめた。

 ガスはすぐ戻ってきて、情報を報告してくれた。

 どうやら、狙い通りグロリアセプテムの名前は、徐々に広がっているようだった。

 クォレスは、人口も多く力を持った都市であるが、その都市を一方的に、打ち破ったということで、名声が非常に高まっていた。

(ゲームだと、名声値がこんくらいって、数字で見ることが出来るから、新しい住民が自ら訪ねてくるくらい名声があるかどうか、すぐ分かったんだけどなあ……多分大丈夫だと思うんだけど)

 名声が高まったということは判明したが、それで住民になりたいという者が、来てくれるようになるのか、それはまだ分からない。

 こればかりは待つしかないかと、ペペロンはソワソワした気分で、住民志願者が来るのを待っていた。

 すると、

「ペペロン様、四人家族が住民になりたいと志願しているのですが」

 とララから報告が来た。

(よし。やっぱアレだけ大勝利すれば、名声もどかっと上がるよな)

 ペペロンたちは七人で戦いを挑んで、それに勝利したが、これは名声を上げる大きな要因となる。

 数で勝る戦に勝利しても、名声はあまり上がらない。

 同じ数でも上がるのだが、劣勢の状態で勝つのが名声は一番上がる。

 あくまで、数だけで見ると千位以上対七人と、圧倒的な不利な状況で勝ったのである。

 それも、攻めてきた敵軍を撃退するときと、城に攻め込んだ時、計二回勝利している。

 一気に名声が上がらないとおかしいと思っていたが、住民志願の者が来たということは、ペペロンの予想は当たっていた。

「それで、住民の種族は?」

「ヒューマンです」

 ヒューマン。

 簡単に言えば人間だ。この世界では数的に一番多い種族である。

 これと言って特徴はなく、強くもなければ弱くもない種族である。

 癖がないので、マジック&ソード初心者にはお勧めする種族の一つだ。

 ペペロンもそれこそ最初は、ヒューマンでプレイしていた。

 今回は不遇七種族である、小人、エルフ、ゴブリン、コボルド、賢魔、巨人、ハーピィーのいずれかでないと仲間には出来ない。

「ヒューマンではダメだな。お引き取り願え。今後、不遇七種族以外の住民志願者は、同じ対応をするんだ」

「かしこまりました」

 ララはペペロンの命令に従い、ヒューマンたちの移住を断りに行った。

 名声がペペロンの考えていたより上がっていたようで、かなりの速度で住民志願者がやって来る。

 名声が高ければ高いほど、来る確率も高くなるので、相当クォレスを打ち破ったのが評価されたのだろう。

 今のところ全部不遇七種族以外だったが、そのうち来るのも時間の問題だな、とペペロンが思っていると、その予想が当たった。

 巨人族の男女五人が移住してきた。

 もちろん許可を出す。

 巨人用の家はノーボも作っていなかったので、急ピッチで作ったりした。

 それから、どんどん住民が増え始めていった。

 ペペロンは、家をどんどん作り、拠点を拡大していった。

 拠点レベルが都市にレベルアップするには、必要な人口が一万人と、一気に跳ね上がるので、まだまだ先の話ではあるのだが、いずれそこまで増えるだろうとは思っていた。

 グロリアセプテムが、徐々に勢力を拡大させていった。