あとがき
『転生大魔女の異世界暮らし』第二巻、お読みいただきありがとうございました。
今回の旅の舞台となったソルティアは、現実の史実のカルタゴという国をモデルにしています。古代ローマ史の中でも一大イベントである、第二次ポエニ戦争──ハンニバルとスキピオで有名なあの戦争の当事者となった国です。
作中では戦争はずいぶん昔に終わって、今は一大農業地となっている土地です。
ハンニバルとスキピオの物語は大好きなエピソードです。
第三次でカルタゴを完全に滅ぼすポエニ戦争は、ローマをイタリア半島の小国から地中海の覇者へと押し上げる重要な転機になりました。
一方でカルタゴは、それ以前は海軍大国としてギリシアと地中海の覇権を争う国でした。初期においてはローマよりもカルタゴの方がずっと強かったのです。
手に汗握る戦闘の行方と、ハンニバルとスキピオのライバル関係。ローマとカルタゴの国としての有り様など、様々な要因が絡まりあった戦争でした。
この部分をごくわずかでも作中に登場させたくて、カルタゴをモデルとした土地へ旅するお話になりました。
ここでこれ以上ローマ史について語るのもどうかと思いますので、代わりにおすすめの書籍を参考図書リストとして掲載しておきます。中でも『ローマ人の物語』はとても長い小説で、通読するのはなかなか大変。ハンニバルとスキピオのお話のように、盛り上がる部分から読むのもいいと思います。
なお、『ローマ人の物語』文庫版では三~五巻がその部分に相当します。
さて、話は変わりまして。
本作のコミカライズ連載中です。藤田先生の可愛らしく素敵な絵で描かれるゼニスが、生き生きと漫画の中で動き回っていて、原作者冥利に尽きる出来となっています。小説の読者様にぜひ見ていただきたい、素晴らしい作品になりました。どうぞお楽しみ下さい!
最後に、本作を出版に導いて下さった編集のO様、キャラクターと世界にビジュアルを与えて下さったイラストレーターのsaraki様、書籍化に力を貸して下さったTOブックスの皆様にお礼を申し上げます。
それでは、またどこかでお会いできることを願いながら。
二〇二四年五月吉日 灰猫さんきち