第二章 張り込み捜査はむちゃくちゃ大変

「ただいまー」

「……お帰りなさい」

朱莉は元気に挨拶をして家に入っていく。

俺はその様子を朱莉の家があるすぐ側の交差点から見守っていた。

中から奥さんの声が聞こえてきたから、奥さんは家の中にいるのだろう。

ちょっと元気がないようだったけど、病気か何かかな?

奥さんにもいろいろお世話になったし、少し心配だ。

(途中、スーパーに寄っただけだったな)

朱莉の家は駅から四十分ほど歩いた場所にある。

築年数はすでに五十年くらいになるボロアパートだ。

(それにしてもボロいな)

引っ越しの手伝いで一度だけきたが、ギリギリ鉄筋コンクリート製の四階建てで、見るからにボロい。

会社が潰れる前は庭付き一戸建ての結構いい家に住んでいた。

あの家は、借金の返済で差し押さえられてしまったそうだ。

家を差し押さえたのは銀行だ。

正直、闇金よりも銀行の方が無慈悲だと思う。

銀行は晴れの日に傘を貸して、雨の日に傘を取り上げるとはよく言うが、借金のカタに追い剥ぎかよというくらいの勢いで物を奪っていった。

合法なため、警察も動いてくれないのが何よりたちが悪い。

おかげで社長は奥さんと離婚するハメになった。

いや、闇金は犯罪行為までしてくるから、犯罪行為をしてこない銀行は闇金よりはマシか。

動いてくれても警察は闇金を捕まえられてないから、あんまり意味ないし。

「娘さん。帰ってきましたね」

「そうだな」

「ん?」

俺のすぐそばに止まっていた車の中から声が聞こえてきた。

気になってその車を覗いてみると、車の中には一組の男女が乗っている。

その男女の視線は真っ直ぐに朱莉の家に向かっていた。

「はぁー。今日も徹夜か」

「そうですね」

男女はうんざりした様子でそう呟く。

どこか見覚えのある二人組だ。

「……今のうちに交代で仮眠を取ろう、先に三時間ほど寝てもらっていいか?」

「わかりました」

そう言うと、女性は膝掛けのようにしていた自分のコートを首元まで引き上げ、眠りに入る。

そして、すぐに寝息を立てて眠ってしまった。

はや!

相当疲れているみたいだ。

(もしかして警察の人かな?)

俺はこの二人に見覚えがあった。

闇金を追っていた警察の人たちだ。

二人とも結構くたびれた服装をしているが、多分間違いない。

そう思って見てみると、車内には回転灯のようなものもある。

覆面パトカーというやつなんだろう。

(あれ? でも、闇金は朱莉たちのところには取り立てに来てないんじゃなかったっけ?)

会社の借金のため、借金取りたちは会社の方には来ていたが、家にまではあまり取り立てに来ていなかった。

何度か社長の家には取り立てに来ていたが、離婚したあと、社長の奥さんの方には取り立てに来ていないという話を聞いた気がする。

社長の奥さんに取り立てをしても、払えるはずないからだろうという話だったが。

借金取りたちだって、タダで働いているわけじゃない。

取り立て要員の給料分のお金が回収できない場所からは普通取り立てを行わない。

奥さんはパートで働いてはいるはずだが、月に稼げる額が数万円ほどだ。

生活はギリギリだと言っていた。

朱莉の授業料は三年分入学の時に一括で払っていてよかったねと力無く笑っていたのを覚えている。

だが、今、警察官の視線は真っ直ぐ朱莉の家に向かっていた。

俺は嫌な予感を覚えつつ、何か情報はないかとパトカーの中を覗き込む。

覆面パトカーというだけあって、車内には特に情報はなさそうだ。

「ん? 定期報告か。もしもし」

男性の警察官の携帯電話が鳴り、警察官は朱莉の家に視線を固定したまま電話に出る。

定期報告ということは、何か有用な情報が得られるかもしれない。

俺は必死で耳を澄ます。

『こちら佐々木班。定期報告です。荒木さん。娘が帰宅しました。他は特に動きなしです。そちらの様子はどうですか?』

「娘の帰宅はこちらからも確認できた。こちらも特に気になるところはない」

ギリギリ携帯から聞こえてくる音声が拾えた。

ジョブ忍者様様だな。

NINJAとの相乗効果で相当小さい音まで聞き分けられるようになったし。

おかげで京子がお風呂に入ってる時など、煩悩を抑え込むのが大変なくらいだ。

そういう時は大体セカンドジョブを見習い鍛治師にして武器の手入れとかをしてるけど。

『そうですか、よかったです。今から後藤を買い出しに行かせようと思っているのですが、何か買ってきてほしいものはありますか?』

「そうだな。夕食の牛乳とあんぱん。あと軽い夜食になりそうなものを適当に頼む」

『また牛乳とあんぱんですか? 飽きませんね』

「飽きる飽きないじゃない。警察官の張り込みと言えば、牛乳とあんぱんと相場が決まってるんだよ」

『なんですか、そのこだわり』

「まあ、こだわりってほどじゃないんだが。車内で食べるんだから、パンカスやご飯粒を落とすわけにはいかないだろ? 張り込みのパートナーのことを考えると匂いが残るカップ麺やサンドイッチはあまり良くない。この辺を問題なく満たしているのが牛乳とあんぱんだってだけだ。他にいい候補があるならそれでもいい」

『……牛乳とあんぱんが良さそうですね』

「だろ?」

『わかりました。斉藤さんにも何かいるか聞いてもらっていいですか?』

「悪い。斉藤は今仮眠中だ。斉藤の分も適当に見繕ってきてくれ」

『わかりました』

通話はそれで終わった。

どうやら、彼らは警察官で間違いないようだ。

一体何があったんだ?

***

「お邪魔します」

「おつかれ」

しばらくすると、一人の男がやってきて、後部座席に乗り込む。

この人も見覚えがある。

確か、警官の人だったはずだ。

名前は後藤だったっけ?

「これ、頼まれていたものです」

「助かる。あぁ。斎藤が仮眠中だから、話をするなら静かに頼むぞ」

「わかってます」

荒木さんは後藤さんからあんぱんと牛乳を受け取る。

最近五個入りから四個入りに減った一口サイズのあんぱんだ。

後藤さんと荒木さんが話し始めたが、斉藤さんは起きる様子はない。

相当深い眠りについているみたいだ。

荒木さんはあんぱんを開封して、一つを一気に口の中に放り込む。

豪快な食べっぷりだな。

「変化なし。あいつらはまだ来てませんね」

「あぁ。毎日夜中に来てるし、今日も夜中に来るつもりなんだろう。完全な嫌がらせだな」

「借金の回収もできないだろうに、なんでこの家に来てるんでしょうね?」

「わからん」

そして、荒木さんと後藤さんは何気ない感じにすごく気になる話を始めた。

***

「この家に取り立てに来るようになったのも唐突でしたよね?」

「そうだな。一週間前までは動きを見せてなかったはずだ。先週は竜也の部下たちが何してるかわからず都内を探し回ってたからな」

二人の話を要約すると、やはり、借金取りたちは離婚してからは有村家の方には取り立てに来ていなかったらしい。

取り立て要員もタダじゃない。

お金のないところには取り立てに来たって意味がないし、収支はマイナスだ。

うちの社長という取り立て対象がいなくなり、警察官の人たちは一時的に借金取りたちを見失っていたそうだ。

状況が変わったのは一週間前。

夜中、有村家に借金取りたちがやってきて、扉の前で大声で喚き散らし始めたらしい。

110番を受けて警察が駆けつけると、借金取りたちは一斉に逃げ出し、追いかけた警察官は何故か彼らを見失ってしまったそうだ。

状況が社長の時と一緒だったため、その時捜査にあたっていた刑事さんたちが張り込みを始めると、翌日も借金取りたちはやってきて、同じ半グレグループだとわかった。

それから一週間。

毎日夜中に借金取りたちは来ているようだ。

嫌がらせのように毎日だ。

近隣の家に張り込ませてもらったり、有村家で待ち伏せをしてみたり、手を替え品を替え検挙しようとしてみたらしいが、いつもうまく逃げられてしまう。

袋小路に追い込んだりはしているのだそうだが、何故かいつもかすみのように消えてしまう。

(それってまさか……)

「(ドンドン)借りたら返すの当たり前!」

「(ドンドン)有村美香さ〜ん。ア・リ・ム・ラ・ミ・カさ〜ん。いるのは分かってるんですよ。出てきてください!」

「今日も来やがった!」

「一体どこからアパートに入ったんだ!?

「行きましょう!」

「はい!」

車に乗っていた三人は一斉に車外に出る。

そして、そのままの勢いで朱莉の家に向かって駆け出した。

「って。斉藤部長!? 起きてたんですか!?

「あの憎らしい声が耳に入ってきたら熟睡してても跳ね起きるわよ!」

俺は『隠密』のスキルを最大限に発動して彼らの後を追った。

俺の予想が正しければ、もしかしたら少し出力を抑えた今の『隠密』スキルでは借金取りたちに気づかれてしまうかもしれない。

「お前ら! 今日も来やがったな!」

「げぇ! サツだ!」

「逃げるぞ!」

「待て!」

警察官が姿を現すと、三人の借金取りは一斉に逃げ出す。

借金取りたちは階段を上がっていく。

上には逃げ道なんてないはずなのに。

「待てー!」

警察官はそんな借金取りたちを追いかける。

だが、借金取りたちは逃げ足が速く、ぐんぐん離されてしまう。

(俺にとってはどっちもそこまでは速くないけどな)

俺は警察官たちを追い越して、借金取りたちに肉薄する。

そして、借金取りたちの会話が聞こえてくる距離まで近づいた。

「急げ! 早くダンジョンを探せ!」

「待ってください! さっき入ってたFランクダンジョンが攻略済みになってて」

「ならEランクダンジョンでもいい。どうせモンスターとは戦わずに脱出するんだ」

「それもそうっすね」

「あ、でもDランクダンジョンはやめろよ? Dランクダンジョンだと潜った場所のすぐ近くにトラップがある場合があるから」

「ひぇ! ありました。Eランクダンジョン潜ります!」

「おぅ!」

次の瞬間、五人ぐみの借金取りたちは忽然と姿を消した。

俺はその場所に立ち止まる。

(間違いない。借金取りたちは探索者だ)

借金取りたちは探索者で、ダンジョンに逃げ込んだから警察官は彼らを見失っていたのだ。

おそらく、ダンジョンに潜って、すぐに出ることで、ダンジョン脱出直後はパーティメンバー以外から見えなくなるという保護システムを利用して、逃げおおせているのだろう。

警察の目を掻い潜って朱莉の家の前に現れたのもどこかでダンジョンに潜って、保護が効いているうちに家の前まで移動したに違いない。

そう考えてみると、社長のところに取り立てに来ていた時も、社員たちの視線を盗んで勝手に会社に入ってたこととかがあった気がする。

取引先の情報なんかもダンジョン脱出直後は他者から見えなくなるのを使って社内に潜り込み、資料を勝手に見たに違いない。

「くそ! また逃げられた!」

すぐに後ろから三人の警察官が追いついてきた。

斉藤と呼ばれていた女性の警察官がいなくなっていて、男性の警察官が一人増えている。

確か、佐々木さんだったかな?

この人も倒産した会社で見たことがある。

女性警察官は朱莉のところに行ったのかもしれない。

「毎日毎日。一体どうやって逃げ切ってるんだ!」

「この辺に隠し通路でもあるんっすかね?」

「鑑識の人に探してもらったが、そんなものは見当たらなかった」

「じゃあ、このあたりの家に隠れてるってことっすか?」

「いや、そう思って、捜索してみたが、あいつらは見つからなかった」

どうやら、いつも今みたいな感じで逃げられているらしい。

今日、偶然探索者だけだったというわけではなく、いつも探索者の借金取りが来ており、同じ方法で逃げおおせているということだろう。

(それならやりようもあるんだよな)

俺は明日やることを考えながら家路についた。

***

「今日も順調順調♪」

「そうだな」

「……」

翌日。俺と京子は朱莉と一緒にダンジョンに潜っていた。

昨晩のうちに京子には状況を教えておいた。

朱莉の家に借金取りが来ていることや、その借金取りが探索者であることなどだ。

そして、今日行う予定の作戦を告げると、「ぜひやりましょう!」と二つ返事でOKしてくれた。

「次はどのダンジョンに潜る? さっきは色欲のダンジョンだったし、次は強欲かな? 嫉妬のダンジョンっていうのもありだよね」

朱莉は移動中の電車内でも昨日と同じように元気に話しかけてくる。

事情を知っていると、それが空元気だとわかる。

表情は笑顔を作っているが、目は笑ってないし、声にもどこか影がある。

午前中のうちに一緒にダンジョンに潜ってみて、朱莉はかなり限界に来ていると確信した。

だから、予定通り、作戦を実行することにした。

そのためには、朱莉にも作戦のことを話さないといけない。

俺たちはターミナル駅に着いたので、電車を降りる。

この駅周辺はかなり発展しているので、ダンジョンもたくさんある。

だが、ここで電車を乗り換えれば、朱莉の家まで帰ることができる。

「あれ? 改札はそっちじゃないよ?」

俺と京子は迷わず乗り換え駅のほうへと向かう。

平日の昼間ということもあり、少し離れた場所にあるホームの近くにはあまり人がいない。

もともとここで朱莉と話し合いをするつもりだった。

ダンジョン関係の話は他人には聞こえなくなるが、借金取りの話はどの程度聞こえなくなるかわからないからな。

人のいないこの辺りで話をするのがいいだろう。

千葉方面へ向かう電車のホームはなぜか隔離されたような場所にあるんだよな。

本当、なんでだろ?

「なぁ。朱莉」

「ん? 何?」

「俺たちに言ってないことないか?」

「?? なんのこと?」

朱莉は本当に訳がわからないという顔をしている。

言う必要がないと思っているのか、言いたくないのか。

朱莉は他人にできるだけ迷惑をかけたくないと思っているみたいだし、おそらく前者だろう。

知っていれば俺も京子もなんとかしようとするのはわかりきっているからな。

実際、今もなんとかしようとしてるんだし。

「ごめん。俺さ、昨日別れた後、朱莉の後をつけたんだ」

!!

「詳しい話は警察官の人の話を立ち聞きさせてもらった。一週間前から朱莉のところに借金取りが来てるんだろ?」

「そ、それは……」

朱莉が目を泳がせる。

まさか知られているとは思わなかったんだろう。

バツが悪そうに頬を掻く。

「本当にごめん。秘密を暴くような真似をして」

「ごめんなさい」

俺と京子は深々と頭を下げる。

朱莉は頭を下げた俺たちを見て手をぱたぱたとしている。

借金取りたちは犯罪にも手を染めるような奴らだ。

下手をしたら俺たちも巻き込んでしまうことになったかもしれず、朱莉の中では悪いのは朱莉の方のはずなのに、なぜか頭を下げられているから焦っているのだろう。

罵られたっておかしくないとまで思っているのかもしれない。

「そんな! こっちこそごめん! 言ってなくて」

俺たちが頭を上げると、今度は朱莉が深々と頭を下げる。

「絶対サグルっちたちには迷惑をかけないからさ。このまま一緒にダンジョンに潜らせてください。このまま稼ぎ続ければ一ヶ月中にはきっと借金が返せる! だから、お願いします!」

朱莉の必死さがその声音からも伝わってくる。

朱莉にとっては俺たちとダンジョンに潜って稼ぐことは地獄に垂れてきた一本の蜘蛛の糸のようなものなのだろう。

本当は朱莉も借金を返しても何も変わらないということはわかっているのだろう。

だが、借金取りたちはあらゆる手段で朱莉たちを苦しめてくる。

警察が動いても何も変わらず、実行犯を捕まえることすらできていない。

今後も当分この苦しみは続くはずだ。

それから抜け出すために、借金を返す以外の方法は思いつかなかったのだと思う。

そして、俺たちとダンジョンに潜り続ければ、そう時間をかけずにお金が貯まり、借金を返すことができる。

つまり、俺たちとのダンジョン探索は今いる地獄から抜け出す唯一の手段ということだ。

なんとしてでも手放したくないと思ってるみたいだ。

そんな心配する必要ないのに。

俺たちはそんな回りくどいことをせずに直接的に相手を遠ざけるつもりなんだから。

「朱莉をパーティメンバーから外すつもりなんてないよ」

「そうです! せっかく見つけた信頼できる探索者なんですから! そう簡単に逃しませんよ!」

「本当!」

朱莉は勢いよく顔を上げる。

その顔には満面の笑みが浮かんでいた。

朱莉は京子の親友だし、俺にとっては妹みたいなものだ。

朱莉を見捨てるなんてありえない。

朱莉が困っているなら尚更だ。

「今日言いたかったのはそのことじゃないんだ」

「じゃあどういうこと?」

「昨日、俺が朱莉の後をつけてたって話はしただろ?」

「?? うん」

朱莉は不思議そうな顔をする。

まだ何かあるんだろうかという顔だ。

「そのあと、借金取りたちの後も追いかけたんだ」

!! じゃあ、あいつらのアジトがわかったの!?

朱莉は期待の目を俺に向けてくる。

アジトが見つかれば、そこに警察が乗り込んで一網打尽にできると思ったのだろう。

だが、俺はアジトまではついていけていない。

それに、アジトに乗り込んでもあいつらは逃げおおせてしまうと思う。

多分、ダンジョンが近くにあるところにアジトを構えるだろうからな。

「いや、アジトまではついていけなかった。あいつらが逃げ出してすぐにダンジョンに潜ったからな」

「……!!

朱莉は俺の言っていることを理解すると、驚きで目を見開く。

「あいつら、探索者だったの?」

「あぁ。逃げながら『ダンジョンGo!』を開いてダンジョンに潜ってたから、間違いない」

探索者じゃない警察官には何も聞き取れなかっただろうが、俺には問題なくダンジョンについての会話が聞こえてきた。

奴らが探索者であることは間違いない。

「そうか、それで」

朱莉も奴らが捕まらなかった理由に思い至ったらしい。

唐突に朱莉たちの家の前に現れた理由にも。

「……つまり、借金を返すまでは今の状況が続くってことか」

借金取りたちが探索者なら、探索者ではない警察官が奴らを捕まえることはできないだろう。

ダンジョンに潜るだけで簡単に逃げおおせてしまうのだから。

「いや、それが、実は俺に考えがあるんだ」

俺は朱莉にも俺の作戦を話した。

◇◇◇

【そうだ】探索者情報共有掲示板345【ダンジョン行こう】

1:名前:名無しの探索者

ここは『ダンジョンGo!』ユーザーの情報共有掲示板です。

謎パワーによって一般ぴーぽーは見つけられないので、安心して書き込みましょう。


称号の取得方法や効率的なモンスターの倒し方など有益な情報の情報共有をしましょう。


ここで嘘や煽りなどはお控えください。

こう言っても、嘘や煽りをする探索者はたくさん出るので、話半分で聞くように心がけてください。


79:名前:名無しの探索者

俺、市川市でダンジョンに潜ってるんだけど、なんか今日、ダンジョンの攻略速度早くない?

あ、ちなみに俺はFランク探索者。


80:名前:名無しの探索者

>>79

たぶんだが、Eランクダンジョンが全部攻略されたんだろ。

Eランクダンジョンの数が少ない場所だとたまにある。

そのせいで、いつもはEランクダンジョンに潜ってる探索者がFランクダンジョンに潜ってるんだよ。

稼ぎはかなり減るとはいえ、潜らないよりはマシだからな。

Eランク探索者がDランクダンジョンに潜るのは自殺行為だし。


81:名前:名無しの探索者

>>79

Eランクダンジョンがなくなったせいだな。

市川市はもともとEランクダンジョンが二つしかなかったからな、ランクアップとダンジョン踏破が重なったりするとたまにEランクダンジョンがなくなるんだよ。

そのせいで、Eランクの探索者がFランクダンジョンに潜るはめになる。

そして、Eランク探索者がFランクダンジョンに潜ってるせいで踏破の速度も早くなる。


82:名前:名無しの探索者

>>8081

まじかよ。じゃあ、この状況が当分は続くってこと?


83:名前:名無しの探索者

>>82

いや、たぶん明日には解消するだろう。

今ダンジョンに潜ってるような探索者は今日は仕事終わりや学校帰りに集まった後にEランクダンジョンがないことに気付いただろうが、ダンジョンがないと分かれば、明日は別のところで待ち合わせしてダンジョンに潜るはずだ。

だから、明日はEランク探索者自体がいなくて、いつも通りになる。

数日もすればEランクダンジョンもいくつか生まれるだろうしな。


84:名前:名無しの探索者

>>82

たぶん明日には普通に戻る。

俺たちも、明日は東京方面で待ち合わせしてEランクのダンジョンに潜るつもりだし。


85:名前:名無しの探索者

>>83

そうなのか、よかった。


>>84

今日も東京の方でEランクダンジョンに潜ってくれよ!

おかげで俺たちは今日ほとんど稼げなかったじゃねぇか!


86:名前:名無しの探索者

>>85

一度集まってから移動するのめんどくさいんだよ。

移動先にEランクダンジョンがあるとは限らないし。

みんな、一度は通る道だ。諦めろ。

それに、Eランク探索者がFランクダンジョンに潜ると、何度も追い出されるし、大して稼げないからそう長い時間は潜らない。

だから、今の時間ならFランクダンジョンに潜ってるEランク探索者はあんまりいないんじゃないか?

俺たちも今日は早めに切り上げて解散したし。


87:名前:名無しの探索者

>>86

俺たちももう今日は全然稼げないからって解散しちゃったんだよ!


88:名前:名無しの探索者

>>86

一パーティあたりの探索時間は短くなるだろうけど、潜り始める時間がまちまちだから、たぶん今夜は何時に潜ってもFランクダンジョンの消滅時間は早いと思うぞ?

Eランクダンジョンは長いこと消滅しない分、同じダンジョンに結構な数のパーティが同時に潜ってるからな。


89:名前:名無しの探索者

>>88

それもそうか。


>>87

そういうことみたいだ。今日は諦めろ。

もしくは、お前らが別の場所のダンジョンに潜ればいい。


90:名前:名無しの探索者

>>89

ただでさえ稼ぎが少ないのに移動の電車賃までかかったら完全に赤字になるわ。


91:名前:名無しの探索者

>>90

Fランク探索者は稼ぎが少ないんだよな。

かといって、Eランクに上がるのも簡単じゃないし。

Fランクダンジョンは競争率が高いから、ボスを倒さずにレベリングみたいなこともできないんだよな。

FランクからEランクに上がるまでが一番大変なんじゃないか?


92:名前:名無しの探索者

>>91

いや、ランクを上げようと思うと、どこのランクも大変だぞ?

FランクからEランクではレベルを上げにくいが、EランクからDランクに上がるにはソロではなんとかならないから斥候職の探索者を見つけないと進めない。

やっぱりDPSを稼ぎやすい戦士系と魔法使い系が人気だからな。

斥候職はパーティがギスりだすと真っ先に抜けていくし。

それに、Dランクからは武器や防具を自分で作れなくなってくるから、生産系の知り合いを探さないといけない。

Cランク以上には天才しか辿り着けないし。


93:名前:名無しの探索者

>>92

今日みたいなことがあると面倒だけど、学校終わりの一日一時間の探索でうまいことダンジョン踏破できれば千円ちょっとは稼げるから、ランクを上げるのもな。

大変みたいだし。


94:名前:名無しの探索者

>>92

そうなのか。

まあ、Eランクダンジョンで十分に稼げてる俺たちにはあまり関係ないことだな。

頑張れば学校帰りの一時間で五千円ちょっと稼げるし。


95:名前:名無しの探索者

>>94

え! Eランク探索者ってそんなに稼げるの!

ダンジョンの踏破もしないんだよね!?


96:名前:名無しの探索者

>>95

Eランクからはドロップアイテムもあるからな。

一時間いかずに五千円超えることもざらだ。

流石にこれで食っていくのは無理だが、バイトとしては十分だな。

Fランクみたいにダンジョンボス攻略を競い合って急ぐこともないし。

結構快適だぞ?


97:名前:名無しの探索者

>>96

そんな話を聞くとランクを上げたくなってしまう。

でも、ランクを上げるのって大変なんだよな?


98:名前:名無しの探索者

>>97

さっきも言ったが、ランクを上げるのは大変だな。

ちなみに、Dランクダンジョンなら一時間で一万円くらいは稼げるそうだぞ?

モンスター討伐報酬が十倍になっていくから、ランクを上げるごとに報酬は十倍ずつになっていくが、その分モンスターを倒すのも大変になっていくから、稼ぎまで十倍というわけにはいかないが。


99:名前:名無しの探索者

>>98

それでも、Eランクの五倍じゃねぇか!

どうしよ。俺もDランク行きたくなってきた。

でも、うちのパーティ斥候職がいないんだよなー。


100:名前:名無しの探索者

>>99

うちは斥候職いるぞ。というか、俺が斥候職だ。

最初に組む時、バランスがいいように戦士、僧侶、盗賊にしたんだ。


101:名前:名無しの探索者

>>100

え? すごい良い編成。

うち、戦士と魔法使いの二人組なんだけど、合流しない?

相方に相談してからになるけど。

Eランクダンジョンでレベリングに付き合うからさ。


102:名前:名無しの探索者

>>101

良いのか!

うちもパーティメンバに相談してからになるけど、ぜひお願いしたい。


103:名前:名無しの探索者

>>102

じゃあ、五時に明日駅前のターミナル集合でいいか?

川高の制服に黒のキャップをかぶっとくよ。√66のやつ。

黒いリュックサックを背負ってる。

相方が嫌だと言ったら行かないけど。


104:名前:名無しの探索者

>>103

同じ高校かよ。俺も川高だ。

こっちは青いキャップをかぶっとく。

パーティメンバーが竹刀袋みたいなの持ってるから、そっちの方が探しやすいかも。

俺もパーティメンバが嫌だと言ったら行かないけど。


105:名前:名無しの探索者

>>103-104

とりあえず、試してみるのはありなんじゃないか?

うまく行かなければ解散すればいいだけなんだし。

二人がうまくいくことを祈ってるよ。


◇◇◇


「はぁ〜。めんどくせぇ〜」

「そういうな。これも仕事だ」

中田武彦は大きなため息を吐くと、今一緒にパーティを組んでいるキョウスケに窘められる。

「でも、今日もこれから借金取りに行かないといけないんだぞ? 気が滅入る」

「気持ちはわからなくもないが、仕方ないだろ。俺たちには俺たちの生活があるんだから」

武彦たちは竜也の下っ端の下っ端だ。

竜也から直接指示を受けているわけではなく、竜也の部下たちに弱みを握られ、働かされているいわば使い捨てのコマみたいなものだ。

竜也の部下たちもその多くは竜也のように人の弱みを握って部下を作り、そいつらに危ない仕事をやらせていた。

最悪の不幸サイクルだ。

武彦たちも弱みを握られているため、仕事は選べない。

「それに、金は借りたら返すのが当たり前だ。返さないあいつらが悪い」

「でもさ、今回のターゲットは借金した奴の友人の家族なんだろ? 他人じゃん! それに、母子家庭で借金が返せる見込みもない」

今、武彦たちが取り立てを行なっている有村家は実際に借金をした男の連帯保証人(と言ってもおかしくないと竜也が判断した相手)の離婚した奥さんだ。

もはや赤の他人だ。

それに加えて、有村家は大黒柱がマグロ漁船にのっているため、収入が生活に必要な最低限しかない。

住んでいるボロアパートを見てもそれが窺える。

つまり、借金を回収できる見込みはほぼゼロだ。

「これなら直接ダンジョンに潜って稼いだ方が得じゃないか?」

「滅多なことを言うな。何されるかわからないぞ」

「……悪い」

彼らはダンジョンへの突入に制限がかけられていた。

竜也の部下たちにとって、武力というのは彼らを押さえつける手段の一つだ。

だから、武彦たちに自分たちより強くなられては困る。

そのため、武彦たちを使っている側の人間は武彦たちが強くなりすぎないようにダンジョンの突入に制限をかけているのだ。

具体的にいうと、武彦たちがダンジョンに潜っていいのはこの借金の取り立てに行く前と後の一日二回だけだ。

それ以外では、キョウスケとユウダイには会うことすら許可されていない。

連絡先も知らないし。

その上、ダンジョンに潜って稼げるからという理由で、取り立ての報酬はほとんどでない。

「今日はほとんど倒せなかったんだよな。昨日の帰りはEランクダンジョンに入ったから一回も戦闘できなかったし」

「……そうだな」

今日はダンジョンがどんどん攻略されており、ダンジョンに突入したのに、一度も戦闘ができずに追い出されてしまった。

掲示板を確認してみると、どうやら、今日は偶然市川市のEランクダンジョンが全てなくなってしまい、Eランク探索者がFランクダンジョンに潜っているため、ダンジョンの攻略サイクルが速くなっているそうだ。

明日には元に戻るそうなので、今日は諦めるしかない。

早く竜也たちから家族を守れるくらいに強くなりたい武彦としては、一日の足踏みさえもどかしかった。

「じゃあ、お仕事しますか」

「おう」

愚痴を吐きながら歩いていると、有村母娘の住んでいるアパートが見えてきた。

相変わらずボロいアパートだ。

こんなアパートに住んでいる母娘に一億なんて大金払えるはずないのに。

(許してくれよ。これも生活のためなんだ)

武彦たちは警察のパトカーのすぐ横を通り過ぎる。

特にこそこそしているわけでもないのに、警官たちは武彦たちに気づかない。

ダンジョンから脱出した後、一定時間は謎の力が働いて周りの人から見えなくなっているのだ。

それは探索者だけでなく、一般人も対象になる。

流石に、防犯カメラとかは騙しきれないため、万引きとかをすれば捕まるが、こんなオンボロアパートの近くには防犯カメラなんて高価なものはない。

(ほんとにダンジョン様様だな)

武彦たちはいつものように二階にある有村家の前までたどり着く。

そして、左右を確認して、警察官がいないことを確認する。

すぐ後ろには階段があり、逃げることは容易だ。

「上にも警官はいなかった」

「よし、じゃあ、始めるか」

上の階を確認に行っていたユウダイが帰ってくると、俺たちは大きく息を吸う。

そして、一斉に大声を出した。

「有村さーん! ア・リ・ム・ラ・ミ・カさーん」

「借りたら返すの当たり前!」

「出てきてくださーい!」

扉をドンドンと叩きながら部屋の中に向かって大声を出す。

隣ではキョウスケが嫌がらせのようにインターホンを何度も押す。

いや、完全に嫌がらせか。

こんなボロアパートなら壁も薄いだろうし、室内にも俺たちの大声は聞こえてるはずだ。

武彦は家の中で震えている親子を幻視する。

それが、自分の母親と、歳の離れた妹と重なる。

!! 仕方ない、仕方ないことなんだ!)

武彦は自分の気持ちを振り切るように何度も拳を扉に叩きつける。

「お前ら! 何やってんだ!!

「やべ! サツだ!」

「逃げろ!」

武彦は必死に階段を駆け上がる。

だが、武彦の中にはどこかホッとしたような気持ちもあった。

武彦は走りながらスマホを取り出し、『ダンジョンGo!』のアプリを起動する。

「早くダンジョンに突入するぞ!」

「おい! 何してるんだ!」

「早くダンジョンに!」

キョウスケたちが武彦を急かす。

武彦は走りながら、スマホを取り出して、ダンジョンを探す。

武彦がこのパーティの斥候職の探索者のため、ダンジョンを探すのはいつも武彦の役目だった。

「ない」

「ないって、何が?」

「近くにダンジョンがないんだよ!」

「はぁ!? 冗談言ってる場合じゃないぞ?」

「FランクじゃなくてEランクでもいいんだぞ?」

「Fランクも、Eランクもないんだよ。この辺には元々Dランクダンジョンもなかったから、突入できる距離にダンジョンがない!」

「何ぃぃぃぃ!」

キョウスケたちも自分のスマホを取り出して『ダンジョンGo!』のアプリを確認する。

「これもだめ。これも。これも」

「くそ! どうなってんだ!! 今日はほんとついてない!!!」

『ダンジョンGo!』のアプリには突入可能なダンジョンがなかった。

「そういえば、掲示板に市川市のEランクダンジョンが全部攻略されたって書かれてた!」

!! そういえばそうだった!」

そこで武彦は掲示板に書かれていたことを思い出す。

今日はEランクダンジョンが偶然攻略されてしまい、Fランクダンジョンの攻略速度がかなり上がっていると書かれていた。

こうなることは予想できたはずだ!

そうしているうちに武彦たちは最上階につき、廊下の端っこにまでたどり着いてしまう。

「待てコラぁぁぁぁぁぁ!!

後ろからは警察官が追いかけてくる。

「ど、どうする? どうするよ!」

「あぁぁぁあああ!! くる! きちゃうぅぅぅ!」

ここは四階だ。

大丈夫だと思って上の階に逃げたのが仇になった。

「ここから飛び降りるか?」

「俺とタケヒコは大丈夫だと思うけど……」

「……」

武彦とキョウスケはユウダイの方を見る。

武彦は見習い盗賊でキョウスケは見習い戦士だ。

どちらもランクⅡまで上がっており、四階から飛び降りてもうまくいけば怪我くらいで済むかもしれない。

だが、ユウダイは見習い商人だ。

しかも、上からの指示でここ最近ジョブチェンジさせられたので、ランクはまだⅠだ。

前のジョブも見習い僧侶だったので、ジョブを変更してもフィジカル面にはあまり期待できない。

!! 新しいFランクダンジョンができたぞ!」

「何!」

アプリを見ると、新しいFランクダンジョンが出現していた。

まさに、天の助けだ。

結構近くだ。

これなら!

「くそ! 入れない!」

「タケヒコでもダメか」

だが、武彦が突入しようとするが、突入ボタンはグレーアウトされており、『このダンジョンに突入する場合、もっとダンジョンに近づいてください』というメッセージが出ている。

ギリギリいけそうな距離に見えなくないが、少し遠すぎるようだ。

「いや、こうすればワンチャン!」

「おい! 危ないぞ!」

武彦は廊下から上半身を乗り出し、必死に手を伸ばす。

少しでもダンジョンに近くなるようにだ。

側から見たらスマホの電波を探しているように見えるかもしれないが、武彦は必死だった。

キョウスケとユウダイはそんな武彦が落ちないように武彦のズボンを必死に掴んでいる。

「あ!」

幸運にも、限界まで腕を伸ばすと、突入ボタンのグレーアウトが消える。

これでダンジョンに突入できる!

「え?」

だが、次の瞬間、Fランクダンジョンは消失してしまう。

そんなバカな!

まだできてから一分くらいしか経ってない。

ダンジョン内では時間が十倍になると言っても、それでも十分だ。

Fランクダンジョンが十分くらいで攻略されたっていうのか?

「いたぞ!」

「今日こそ捕まえてやる!」

警察官が四階にたどり着く。

「くそ! うぉぉぉぉ!」

「キョウスケ!」

キョウスケがアメフトのタックルのように警察官めがけて突っ込んでいく。

「うぉ!」

「こいつ、見た目以上に強いぞ」

二人の警察官がキョウスケを受け止める。

かなり細身のキョウスケが想像以上の力を発揮したため、警察官は一瞬押し返される。

「舐めるな!」

「うわ!」

だが、警察官はすぐにキョウスケを投げ飛ばす。

武彦からはどうやったのか見えなかったが、柔道技のようなものを使っていたように見えた。

単純なパワーなら探索者であり、ランクⅡにもなっている武彦たちは警察官に負けないが、組み合えば技量に勝る相手に分がある。

あっちは対人戦闘のプロなんだから。

「公妨! 一名確保!」

一人の警官は大きな声をあげながら、キョウスケに手錠をかける。

(もう逃げられない!)

キョウスケが捕まってしまった以上、武彦たちも逃げてもすぐに捕まってしまう。

武彦は鞄から探索で使っているサバイバルナイフを取り出す。

「被疑者! 武器所持!」

俺のナイフを見て、二人の警官は腰から警棒を引き抜く。

見るからに頼りない。

(大丈夫。これならモンスターより怖くない。倒せる!)

そこまで考えて、武彦はふと我に返る。

倒す? 殺す? 人を? 俺が?

人を殺すと考えると、顔から血の気が引いていく。

膝がガクガクと笑いだし、視界が歪む。

まっすぐ立っているのかさえわからなくなってきた。

!! 武器を捨てて投降しろ!」

「……」

俺は脱力するように構えを解く。

「タケヒコ!」

後ろからユウダイの声が聞こえてくる。

すまん。俺には人を殺すなんて無理だ。

すると、警官が殺到してきて、地面に引き倒される。

「被疑者三名! 確保ぉぉ!」

夜の住宅街に警察官の声がこだまする。

両手に手錠をかけられ、警官の大声を聞きながら、武彦はどこかほっとした気持ちになっていた。

それはキョウスケとユウダイも一緒だったようだ。

二人とも顔から今までの張り詰めた様子がとれていた。

◇◇◇

「被疑者三名! 確保ぉぉ!」

「終わったみたいだな」

「みたいですね」

俺は京子と一緒に朱莉のアパートのすぐ近くに来ていた。

警察官の声が聞こえてきたため、朱莉の家に押しかけてきていた借金取りたちが捕まったことが分かった。

「いやー。このタイミングでFランクダンジョンが生まれた時はどうしようかと思ったが、なんとかなったな」

「ですね。でも、サグルさんが速攻で攻略しちゃうんですもん。びっくりしましたよ」

警察が借金取りたちを追いかけ出した直後、近くにFダンジョンが発生した。

俺と京子は急いでそのダンジョンに潜り、攻略したのだ。

ダメかと思ったが、犯人たちが逮捕されたということはあいつらはダンジョンに入れなかったんだろう。

少し遠かったからな。

「京子がナビをしてくれたおかげだよ。ありがとう」

ダンジョンに入った直後に俺は京子をお姫様抱っこの体勢で抱えてダンジョン内を駆け抜けた。

当然、途中で出てくるモンスターは全スルーだ。

モンスターが俺たちに気づくことは稀だったし、『壁走』を使えばモンスターの脇を駆け抜けるのなんて全然問題なかった。

一度抜けてしまえば後ろから追いつかれることはまずない。

スピードで俺に勝てるモンスターなんていないからな。

道順は京子がナビゲートしてくれた。

京子の『ダンジョンGo!』にはボスは出ないが俺の方は出ている。

そのため、俺のスマホを京子に預けナビをしてもらった。

おかげで迷わずボスの下まで辿り着けた。

攻略まで内部時間で一分くらいだったんじゃないだろうか?

突入までの時間を考えても、発生から消滅まで外部時間で三十秒もかからなかった筈だ。

一瞬でもダンジョンに入ってしまえば保護が効いてしまい、逮捕できないので本気で急いだ。

まあ、今日捕まえられなくても、明日もやるつもりだったんだけどな。

というか、ダンジョンを潰す作業は当分続けるつもりでいる。

どうせ今日捕まったのは下っ端だ。

替えはいくらでもいるだろうから、三人捕まったところで、この嫌がらせが終わるかはわからない。

だが、うまくいかないと分かれば流石に向こうもやめるだろう。

「これくらいならお安い御用ですよ(役得もありましたし)」

「え? 今なんて?」

「いえ。なんでもないです」

「? そうか」

なんでもないと言ってるのだから、なんでもないのだろう。

何かあるような気がするが、それを聞き出すほどのコミュ力は俺にはない。

京子が俺の不利になるようなことをするとは思えないし。

「ん? 電話?」

俺のスマホが震える。

この振動の仕方は着信かな?

取り出してみると、画面には有村朱莉の文字が表示されていた。

「朱莉からだ」

「あかりちゃんから?」

俺は電話に出る。

すると、京子が俺のスマホに耳をくっつけてきた。

京子さん。近いです。

俺はドキドキする心臓を落ち着かせるように深呼吸してから電話の向こうの相手に話しかける。

「もしもし?」

「犯人! 捕まったよ! 二人ともありがとう!」

電話の向こうの朱莉はいつも以上に明るい声を出している。

本気で喜んでるみたいだ。

やってよかった。

京子の方を見ると、京子と目があう。

京子は笑顔でガッツポーズをしてくる。

俺も満面の笑みでサムズアップを返した。

「いや、捕まえてくれたのは警察の人だよ。俺たちは大したことしてない」

「そうですよ。私たちは近くのダンジョンを攻略しただけです。それに、ダンジョン攻略にはアカリちゃんも参加してたじゃないですか」

俺と京子と朱莉の三人は今日の午後、この辺にあるEランクダンジョンとFランクダンジョンを片っ端から攻略していた。

犯人たちはダンジョンを使って警察から逃げている。

それなら入れるダンジョンを全てなくしてしまえば犯人たちは逃げきれないと思ったのだ。

隣駅にあるDランクダンジョンは流石に手を出さなかったが、念の為と思って、駅の近くにあるEランクダンジョンまで攻略した。

昨日の会話だとDランクダンジョンは危険だから使ってないみたいだったし、俺たちもぶっつけ本番でDランクダンジョンの攻略に乗り出すわけにもいかなかった。

それに、犯人の中に見習い盗賊がいたとしても、同じ見習い盗賊の朱莉がこの近くから、隣町のDランクダンジョンに潜ることはできなかった。

だから、犯人も潜ることはできないだろう。

ダンジョンのランクが上がれば突入できるようになる距離も広くなっていくが、さすがに隣駅の近くのダンジョンに駅から離れたこのアパートから潜ることはできなかったようだ。

「あ、警察の人に呼ばれちゃった。じゃあ、キョウちゃんはまた明日学校で! サグルっちはまた明日の放課後! バイバイ! 今日は本当にありがとう」

「おう。また明日」

「アカリちゃん! また明日ね」

通話が切れたので俺はスマホをズボンのポケットにしまう。

警察が大声を出したためか、野次馬がどんどん集まってきている。

警察の応援も駆けつけてきたらしく、普通のパトカーも何台か来ていた。

よく見ると、野次馬の中に報道陣っぽい人も何人か見受けられる。

……まだ十分も経ってないのにどっから出てきたんだ?

どんどん騒がしくなってきたな。

関係者だと思われて足止めを喰らうのも嫌だし、さっさと帰るのが正解だろう。

腹も減ってきたし。

昼に弁当を食べてから何も食べてないんだよな。

──ぐぅぅぅぅぅぅ

そんなことを考えていると、俺のお腹が悲鳴をあげる。

結構大きな音だったので、京子にも聞こえてしまったらしい。

京子は微笑ましいものを見るような顔をしている。

「笑わないでくれよ。腹減ったんだよ」

「そうですね。私もお腹空きました。帰りましょう。今日はサグルさんの好きなオムライスですよ。調理の準備はほとんど終わってるので、帰ったらすぐにできます」

「まじ! やったぁ! 京子のオムライス美味しいんだよな!」

俺たちは上機嫌で家路についた。

◇◇◇

「はぁ? 下っ端が捕まった?」

「ひぃぃぃぃぃ! すみません!!

竜也はその知らせを聞いて、持っていたグラスを握りつぶす。

ご機嫌斜めな様子の竜也を見て、竜也の部下は土下座するように頭を下げた。

朱莉の家に取り立てに行っていた下っ端たちが捕まったことはその日のうちに竜也の下に伝わった。下っ端が逃げないように監視する要員が近くにいたからだ。

彼らは潜るはずのダンジョンが見つからず、警察に捕まってしまったらしい。

今は警察で勾留中だそうだ。

その知らせを聞いて、ただでさえ悪かった竜也の機嫌はさらに悪くなる。

「捕まったのは俺の部下で、竜也さんのことは何も知りません。情報がバレるようなことはないかと」

「ちっ」

自分の情報が漏れないと聞き、竜也は少しだけ機嫌を直す。

だが、今度は保身的な自分にイラつき、どんどん機嫌が悪くなっていく。

「そいつらはさっさと処分しろ」

「し、しかし」

「あぁ? やるのか? やらないのか? 何ならお前ごと処分してもいいんだぞ?」

「や、やります!」

『ダンジョンGo!』を使えば警察署に潜り込むことも容易だ。

警察署内の防犯カメラには姿が映るが、リアルタイムで監視している相手には防犯カメラ越しでも見つかることはないし、顔を隠しておけば後で誰かバレることはない。

拘置所まで行って捕まっている奴らの携帯を取り返し、逃がしてやると嘘をつき、ダンジョンに誘い込んでダンジョン内で殺してしまえば、勾留中の病死ということになる。

元々下っ端たちはこき使っていたため、健康状態はあまり良くない。

病死してもそこまで不審には思われないだろう。

「お前は絶対に捕まんじゃねぇぞ。捕まったら……。わかってんだろうな?」

「ぜ、絶対に捕まりません!」

「なら行け」

「はいぃぃぃぃ!」

竜也の部下の男は転げるように竜也の下を去る。

無様な部下の様子を見て、竜也は少しだけ機嫌を良くする。

だが、その機嫌もすぐにまた悪くなる。

(……くそ。うまくいかねぇ)

竜也は最速ダンジョン踏破者の称号を失って以来、色々なことがうまくいかなくなったと思っていた。

Gランクダンジョンもなかなか作れないし、部下たちは失敗続きだ。

本当はそんなことはなく、竜也がGランクダンジョンに潜るペースは部下たちを急かしている分増えている。

部下たちのミスも、竜也が部下たちを急かしているから起きているだけで、運は全く関係ない。

だが、竜也は全て運が悪いと思っていた。

(それもこれも、俺から最速ダンジョン踏破者の称号を奪ったやつのせいだ。見つけ出して絶対に殺してやる)

そして、全ては竜也より早くダンジョンを攻略してしまった相手のせいだと竜也は結論づける。

竜也はセカンドジョブを失って以来、情報収集能力が格段に落ちていた。

掲示板のような自分の思い通りに動かない相手の多い場所に行くとイライラするので、元々ネットでの情報収集を行なっていなかった。

今までは、部下たちがネットで収集した情報についてアジトで話しているのを自分の部屋から立ち聞きしてるだけで情報が入ってきていたので、問題はなかった。

しかし、セカンドジョブを失って以来、竜也の部屋からアジト内の情報が拾えなくなった。

匪賊ひぞくのジョブだけでは聴覚の強化に限界があるからだ。

やはり、同系統のジョブを二つセットしないと尋常じゃない能力は得られない。

部下たちからの情報収集もできないので、新しい最速ダンジョン踏破者の称号持ちが誰かもわからない。

部下たちも誰が最速ダンジョン踏破者か知らないのだが、それすらも竜也は気づいていなかった。

(やっぱり、手下どもに情報を集めさせるか? いや、それにもリスクがある)

情報収集能力が落ちたからといって、部下たちに情報を集めさせるわけにはいかない。

竜也が色々な情報を知っているということは、部下たちが竜也を恐れる理由の一つだった。

反乱を起こそうとしても相手がどこからかその情報を得てくるのだ。

反乱を起こす側としてはこれほど怖いことはないだろう。

竜也は話を立ち聞きして、そのことを知っていた。

だから、部下たちに情報収集をさせることもできない。

(やっぱり早く称号を取り戻さないと)

称号を取り戻すためには、現在のユニーク称号保持者を殺すか、ユニーク称号保持者の出した記録以上の記録を出さないといけない。

現在のユニーク称号保持者が誰かわからない以上、記録を塗り替えるしかない。

そのためにはGランクダンジョンに潜り、より早くボスを倒すしかない。

だが、竜也は何度Gランクダンジョンに潜っても今までの自分の記録である一分を切ることができないでいた。

竜也は知らないことだが、Gランクダンジョンはそこまで広くないが、ボスモンスターと雑魚モンスターがおり、エントリーポイントは必ずボスモンスターとの間に一体以上の雑魚モンスターがいる場所になる。

そのため、どんなに早くモンスターを倒しても一定以上のタイムを出すことは無理だった。

まして、現在のユニーク称号保持者のサグルはIランクダンジョンに潜り、三秒で踏破してしまっている。

Gランクダンジョンではこの記録を塗り替えるのは不可能だ。

「お困りみたいだねー」

!!

竜也は声のした方を見る。

その場所には一人の男が立っていた。

「充か。帰ってたんだな」

「あぁ。さっきー帰ってきたんだー」

部屋の隅に立っていたのは高坂充だった。

竜也が信頼する部下の一人だ。

充は竜也が『ダンジョンGo!』を手に入れる前からの知り合いで、今でこそ竜也の部下をやっているが、竜也よりも半グレとしての経歴は長い。

竜也に半グレのいろはを教えてくれたのも充だ。

兄のように慕っていた時期もある。

今では『ダンジョンGo!』のことを教えてくれた竜也に大変感謝しており、竜也の部下をやっている。

そして、充は竜也がダンジョンに潜る際のパーティメンバーでもあった。

そのため、竜也は充のことをかなり信頼していた。

「荒井組の処理は終わったのか?」

「荒木組ねー。構成員は全員処分してきたよー。今頃ー、港のお魚たちはーお腹いっぱいでーご機嫌だろうねー」

「そうか。ならいい」

充は最近ちょっかいを出してきた荒木組という組織の処理を行なっていた。

組織の連中は拳銃を持って応戦してきたが、戦士の派生ジョブである剣士の充の敵ではなかった。

アジトを探すのが一番手間取ったくらいだ。

「にしても、時間がかかったな。一週間かからないと思ったが」

「いやぁ、あいつらの反応が面白くてねー」

「……程々にしろよ」

充は暴力団組織が大嫌いだった。

半グレの時代は何度も辛酸を舐めさせられたからだろう。

当時、充と敵対した組織はすでにこの世にないが、組織と敵対すると、充は真っ先に先頭に立って、相手の組織を再起不能にまで追いやる。

今回の組織も、充は必要以上にいたぶっていた。

剣で銃弾を切り捨ててやると、強面のヤクザどもが目を見開いて驚くので、楽しくて毎回やってしまっていたし。

「それでー、これからどうするんだいー?」

「これから?」

「おいおいー。有村ー? とかいうやつのことだよー。まさかー、下っ端が捕まったからって手を引くわけじゃないだろー?」

「? ……当然だ」

竜也は充が何を言いたいのかわからなかった。

有村家にはこれまで通り、取り立てを行なっていくつもりだ。

それ以外に何かあるのだろうか?

「まさかー、偶然ダンジョンが無くなったと思ってるのかー? そんなわけないだろー? 偶然Eランクダンジョンが全部攻略されてー? 偶然Fランクダンジョンの攻略スピードが速くなってー? 偶然有村家の近くにダンジョンがなかったー? 流石に三つも偶然が続くわけがないよねー? さっき調べてきたけどー、今も有村家の周りにはEランクとFランクのダンジョンがなかったからねー。Dランクダンジョンは残ってたけどー」

「何?」

充に言われて、竜也も違和感に気づく。

さっき部下から報告を受けた時は不幸な偶然が重なっただけだと思ったが、今もダンジョンがないとなれば話は変わる。

誰かが率先してダンジョンを潰して回ってると見た方がいい。

そうなると、有村家の後ろに探索者がいると考えるのが普通だ。

竜也の視線が鋭くなったのを見て、充はニヤリと口角を上げる。

「ターゲットのー娘のー朱莉ちゃんさー。前に逃しちゃったー京子ちゃんとー同じ学校らしいねー。これは偶然かなー??

「……」

竜也は最近、水商売に落とそうと思っていた矢内京子という女子高生を逃していた。

矢内京子が探索者になってしまっていたからだ。

元々、ダンジョンの素材にするつもりでの突き上げだったこともあり、ダンジョンを作らない探索者になってしまった娘はさっさと切り捨てて母親から回収を行なった。

その娘を探索者に誘ったのは竜也の部下で、その部下も粛清済みだ。

母親もまだ若く、資金の回収もできたし、母親の方が作ったGランクダンジョンにも問題なく潜れた。

便利なコマの一つだった金田を失ってしまったのは痛かったが、奴隷商人のジョブの探索者はすぐに作れたし、竜也の中では成功に分類されていた。

「一回邪魔しただけならー面倒だし見逃してやってもいいけどー、二回も邪魔をしたら放っておけないよねー?」

「そうだな」

竜也たちの邪魔をする探索者なら落とし前をつけさせないといけない。

Eランクダンジョンを攻略できる探索者と戦うのは少し面倒だが、竜也たち半グレは舐められたら終わりだ。

敵は叩き潰す必要がある。

「じゃあさぁー? 僕がー行ってもいいよねー?」

「充が?」

「あぁー。ちょっとー不完全燃焼でさぁー♪」

「……」

どうやら、充自身が探索者とやりあいたいからこの話題を出したらしい。

すでに、充は行く気満々だ。

ダメだと言っても勝手に行くだろう。

「……悟と恭平も連れていけ」

「えー。あの二人もー? 一人でも大丈夫だと思うんだけどなー」

「念の為だ」

拳士の悟と魔法使いの恭平は竜也のパーティメンバーだった。

僧侶の幸子は今回は流石にいらないだろうが、相手はEランクダンジョンを攻略できる相手だ。

Dランクダンジョンを攻略でき、もうすぐCランクに届きそうな竜也たちのパーティにとっては格下だが、もしもということもあり得る。

「二人を呼び戻すから少し待て」

「わかったよー。あーあ。せっかく暴れられると思ったのにー」

竜也はパーティメンバーへと連絡を送る。

二人とも、今の仕事がすぐには終わらないということだったので、襲撃は一週間後ということになった。

「一週間後かー。楽しみだなー」

「……」

充はスキップをしながら竜也の下を去っていった。

◇◇◇

【今日から】探索者情報共有掲示板370【探索者!】

1:名前:名無しの探索者

ここは『ダンジョンGo!』ユーザーの情報共有掲示板です。

謎パワーによって一般ぴーぽーは見つけられないので、安心して書き込みましょう。


称号の取得方法や効率的なモンスターの倒し方など有益な情報の情報共有をしましょう。


ここで嘘や煽りなどはお控えください。

こう言っても、嘘や煽りをする探索者はたくさん出るので、話半分で聞くように心がけてください。


801:名前:名無しの探索者

東京周辺の暴力団組織が立て続けに潰されてるらしいんだが、誰か知ってる人いる?

襲撃を受けた雰囲気だったのに事故扱いになってたから、多分探索者関係だと思うんだけど。


802:名前:名無しの探索者

>>801

竜也が自分のパーティメンバーを集めてるかららしい。

最近潰れてる暴力団組織は竜也のパーティメンバーと対立していた組織ばかりだそうだ。

パーティメンバーを集めてる理由は不明。

竜也がユニーク称号を失って、パーティの強さはかなり落ちてるはずだからダンジョン攻略のためじゃないだろうし、どこかに襲撃をかけるつもりなんじゃないかと言われてる。


803:名前:名無しの探索者

>>802

まじか。

竜也のパーティって、Dランクダンジョンの攻略もできる手だれ揃いだよな?

まあ、最速ダンジョン踏破者の称号を持ってる竜也がいたおかげっていうのもあったかもしれないけど。

それを集めて襲撃する相手って何者だよ?


804:名前:名無しの探索者

>>803

わからん。

だが、襲撃先は市川市のあたりだと言われてる。

市川市の駅から離れたところで日曜日から連続でダンジョンが攻略されているらしい。

EランクのダンジョンもFランクのダンジョンもできてから十分以内に攻略されてるんだとか。

Dランクダンジョンの攻略ができる竜也のパーティなら不可能じゃないだろう。

つぶされてるダンジョンの量的に言って、一パーティでは無理だと思うけど、複数パーティなら大丈夫だろうし。


805:名前:名無しの探索者

>>804

なんでダンジョンが攻略されてるんだ?


806:名前:名無しの探索者

>>805

ダンジョンを使った逃走手段をできなくするためじゃね?

竜也たちはそれを使いまくってるんだから、相手に同じことをされないように警戒するだろ。


807:名前:名無しの探索者

>>806

なるほど。

それで、誰を襲撃するんだ?


808:名前:名無しの探索者

>>807

正確なことは分かってないけど、新しい最速ダンジョン踏破者が襲撃対象じゃないかと言われてる。


809:名前:名無しの探索者

>>808

うわ。逆恨みで襲撃するのかよ。

今のユニーク称号保持者は御愁傷様。


810:名前:名無しの探索者

>>809

私怨による襲撃とも言い切れないけどな。

今の最速ダンジョン踏破者の称号を持つ探索者を殺せば、前に称号を持っていた竜也のところに繰り上がりで称号が転がり込んでくるだろうから。


811:名前:名無しの探索者

>>810

そうか、ユニーク称号は保持者が死んだら繰り上がるんだっけ?

それでユニーク称号保持者は常に一人になるってことか。


812:名前:名無しの探索者

>>811

そうだが、少し違う。

ユニーク称号には最低ラインがある。

最多ダンジョン踏破者は最低百万個、最多殺戮者は最低十人とかな。

最速ダンジョン踏破者は一分以内だったはずだ。

最多殺戮者はクリアしてる奴がいないなんてことはないから、大体誰かがユニーク称号を持ってるけど、最速ダンジョン踏破者や最多ダンジョン踏破者みたいな称号は所持者がいない時期もあるらしいし。

まだ誰も取得したことがないユニーク称号もあるかもしれないしな。


813:名前:名無しの探索者

>>812

へー。誰も取得したことがないユニーク称号とかあるのか。

誰も取得したことがないってことは、取得方法もわかってないってだけで、めちゃくちゃ簡単かもしれないってことだよな?

つまり、もしかしたら明日、偶然俺が誰も知らないユニーク称号の保持者になっちゃうかもしれないってことか。

ちょっとやる気が出てくるな。

明日今までやってこなかったことをいろいろ試してみようかな。


814:名前:名無しの探索者

>>813

可能性はゼロじゃないが、限りなくゼロに近いと思うぞ?

ユニーク称号は強力な分、どれも取得がかなり大変だ。

それに、俺たちが考えつくようなことは大体誰かが既に試してる。


815:名前:名無しの探索者

>>814

そんなことわかってるよ。

でも夢を見るくらいいいじゃないか。


816:名前:名無しの探索者

>>804

僕、市川市周辺の探索者なんですけど、地元のダンジョンが無くなってるのってこういう理由からだったんですね。

最近は駅前の方はFランクダンジョンの攻略速度はだいぶ落ち着いてきてたんですけど。

そろそろ戻ろうかと思ってたんですけど、何か起こるなら避けておいた方がいいですかね?


817:名前:名無しの探索者

>>816

回避が安定だな。

Fランクの探索者が竜也たちの襲撃に巻き込まれたらひとたまりもない。

勝つにしろ負けるにしろ相当な被害が出るだろうし。


818:名前:名無しの探索者

>>817

ですよね。

パーティメンバーと相談して、当分は別の場所でダンジョンに潜るようにします。

家の近くのダンジョンに潜れないの不便ですね。


819:名前:名無しの探索者

>>818

家の近くにダンジョンがあるだけいいじゃないか。

うちの周りなんて田んぼと野生動物ばっかでダンジョンなんて年に一度も発生しないぞ。

その分、ダンジョンが発生すると美味しい狩場になるんだが。

まあ、俺たちはEランクまでしか潜れないから、Eランクのうちに攻略しておかないと大変なことになるんだけど。


820:名前:名無しの探索者

>>819

攻略できないレベルになったダンジョンは放置しておけば大丈夫じゃないんですか?


821:名前:名無しの探索者

>>820

ダンジョンはDランクくらいまでなら問題ないが、Cランク以上になると、現実世界にも影響を与えだすからな。

Cランク以上のダンジョンがある場所は交通事故の起きやすい交差点が生まれてしまったり、近くで変質者が発生したりする。


822:名前:名無しの探索者

>>821

怖いっす!

Cランクダンジョンのあるところには近寄らないようにします!


823:名前:名無しの探索者

>>822

それがいい。

でも、意識しなくても、大体は近寄らないぞ。

何か、やばいところに行かないといけない理由がなければ、なんとなくで避けられるし。

人間の生存本能も大したもので、やばいところは自然と避けるようになってる。

精神分析学で言うところの防衛機制? っていうのが働くそうだ。

やばいものは無意識が無かったことにしてしまうらしい。

『ダンジョンGo!』の話が一般人に聞こえないのもこれによるものなんじゃないかと言われてる。

怖い話だって大体そうだろ?

やばいとわかっていて肝試しに行ったり、尿意とかに負けてやばいトイレに行ってしまったり、事故物件に住んでしまったりとかな。

大体、理由があってやばいところに行っちゃってる。

だから、普通に生活している分には大丈夫だ。

最近はカーナビに従っていくと、やばいところに着いちゃったりすることもあるらしいが。


824:名前:名無しの探索者

>>823

確かに!

というか、怖い話って、ダンジョンのせいだったんですね!

もし自分の家にCランクのダンジョンができちゃったりしたらどうすればいいんですか?


825:名前:名無しの探索者

>>824

引っ越すしかないだろうな。

こういう掲示板とかに住所とダンジョンが発生したことを書いておけばCランク以上の探索者が攻略にはきてくれるだろうが、攻略がいつ終わるかはわからない。

Bランク以上になって、政府の探索者集団が動いて攻略される頃には住民は多分土の下だろう。

自分の家の近くにダンジョンができたときは自分が対処できるうちに攻略して潰してしまうのが鉄板だ。

それ以前に、ダンジョンが近くにできた家は住み心地が悪くなるから、長くいられない。


826:名前:名無しの探索者

>>825

そうなんだよ、ダンジョンができると家の住み心地がなんとなく悪くなるんだよな。

うちも、庭にダンジョンができたことがあって、最初はプライベートダンジョンみたいで気分が良くて、ギリギリまで引っ張ろうと思ってたんだ。

でも、なんとなく居心地が悪くなって知り合いを呼んで速攻で攻略してもらった。

空気が重くなるというか、日が差してるのに暗いというか。

Eランクダンジョンでもあれだったんだから、Dランクとかになったら引っ越してたかも。


827:名前:名無しの探索者

>>825-826

そうなんですね。

僕も家の近くにダンジョンができたら速攻で攻略します。

まあ、うちの近くは探索者が多いので、僕が攻略しなくても誰かに攻略されちゃうと思いますが。


828:名前:名無しの探索者

>>827

そういう意味では都会っていいよな。

陰気も勝手に誰かが払ってくれるってことだろ?

うちの近くの山にCランクダンジョンがあるんだけど、ずっと放置されてるもん。

あそこ通った方が駅への近道なんだけど、なんとなく避けて大回りで駅に向かってる。

誰かあのダンジョン早く攻略してくれないかな。


829:名前:名無しの探索者

>>828

場所はどこだ?

ここに書いておけば誰か攻略に来てくれるかもしれないぞ?

Cランクダンジョンは数が少ないから、Cランク探索者は他県にも遠征するし。

Cランクに潜る探索者は大体専業だからな。


830:名前:名無しの探索者

>>829

本当か?

埼玉県××市の〇〇山にCランクダンジョンがあります。

最寄駅は△△線の〇〇山駅です。

良かったら来てください。


831:名前:名無しの上級探索者

>>830

情報サンクス

いつからあるダンジョンかもわかれば教えてほしい。

あと、ホテルの情報とかもあったら教えて。


832:名前:名無しの上級探索者

>>830

意外と近いな。

攻略はできるかわからないが、明日からそっちにいく。

今潜ってるところは先行してるパーティがいくつかあるみたいだし。


833:名前:名無しの上級探索者

>>830

ちょうど、今潜ってるダンジョンのボスを先週見つけたところだから、攻略してそっちに行きます。

栃木の△△にあるダンジョン攻略しちゃいますね。


834:名前:名無しの上級探索者

>>833

オッケー。

そろそろ栃木の名産品も食べ尽くしたし、今度は埼玉だな。

埼玉って何か美味しいものとかあったっけ?


835:名前:名無しの上級探索者

>>833

攻略了解。

俺も明日から埼玉行こ。


>>834

名物料理は地元で探すのが一番だ。


836:名前:名無しの探索者

>>831-835

ありがとうございます。

ダンジョンができたのは五年前です。

朝起きたらEランクのダンジョンができてて、地元のみんなで頑張ったんですが、間に合わず、Dランクになり、今ではCランクです。

ホテルは〇〇山駅前にビジネスホテルがあります。

あと、地元では有名な温泉宿が隣駅の〇〇川から無料送迎バスを出してるので、そこに泊まるのもありかもしれません。


837:名前:名無しの上級探索者

>>836

五年だと、Bランクになるまでかなり余裕があるな。

けど、地元民の邪魔になってるならさっさと攻略した方がいいかもな。

みんな攻略優先で。


838:名前:名無しの上級探索者

>>837

了解。


839:名前:名無しの上級探索者

>>837

オッケー


840:名前:名無しの上級探索者

>>837

わかった。


841:名前:名無しの上級探索者

>>837

りょ


842:名前:名無しの上級探索者

>>837

攻略優先なら、今の所に残っておこうかな。

ここは結構ゆったり攻略してるし。


843:名前:名無しの上級探索者

>>837

攻略優先か。

まあ、仕方ないな。


844:名前:名無しの探索者

一気にスレが加速したっす!

このスレって、上級探索者も結構いたんですね。


845:名前:名無しの探索者

>>844

上級探索者は秘匿情報が多いから、ROM専の人が多いな。

会社とか組織に所属してる人が多いから、勝手に書き込めないんだよ。

だから、こうやって新しいダンジョンが見つかったりしたときは情報交換で掲示板が使われる。

知り合い同士ならフレンドチャットとかでなんとかなるんだけど、県をまたいで移動すると知らない探索者とも関わることになるからな。

まあ、年に数回は県を跨いで移動するから、関東圏の探索者同士とかはみんな知り合いだったりするんだけど。


846:名前:名無しの探索者

>>845

そうなんっすね。

勉強になります。


847:名前:名無しの探索者

あの山が通れるようになるのは本当に助かる。

もっと早くここで相談しておけばよかった。