スージーは机に向かい、とても楽しそうに欲しいものを書いている。

「巻き込まれたわけだし、運が良いとも言い切れないような……」

「第二王子の元護衛主任が実行犯ですよ? 無実が証明されただけでも強運です」

 彼女は「自分も運が良いのです」と笑っている。

「……未練はないのですか?」

「聖女様。第一王子は一線を越えました。いくらそそのかされたとはいえ、踏みとどまれないような男はゴミ以下です。引き返す道は幾らでもあったはずなのです」

 私より少し大人のスージーは、ツンと顔を上げてきっぱり言い切った。

 かっこいい。

 ウジウジしない彼女の生き方は見習いたいな。

「それに上手く立ち回らないと、口封じもありますからね」

「まさか、そんな……」

「そのまさかなんですよ。知りすぎた弱者は危ういのです」

 彼女は何でもないようにそう言った。