あとがき




 はじめまして、作者のななみです。この度は『聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます③』を手に取っていただき、本当にありがとうございました。


 まずは今回の大幅な改稿についての説明を。

 WEB版ではいきなりフェルネットの叫ぶシーンで事件が幕を開けます。そしてガインさんの回想シーンに移り、登場人物ごとに時間が進みました。そのため回想シーンが多めで何度も時間が前後しています。そのままでもいいと編集さんは言ってくれましたが、どうしても時系列で書き直したくて大幅な改稿になってしまいました。

 読み比べて、楽しんで頂けると嬉しいです。


 さて、三巻では物語が大きく動きました。起承転結でいうところの〝転〟です。

 個人的に第二王子とスージーが大好きで、書いていてとても楽しかったです。国のために覚悟を決めた第二王子は、おそらく幼い頃からそのように教育されて育ったのでしょう。少しだけ見直しました。それにスージーの決断力と実行力は見習いたいですね。間違いに気付いた時の判断の速さは流石です。側近のブリッドも王子のために頑張りました。

 隣国の教会は支店のような位置付けで、教皇様のいるシルバリークの教会が本店と考えていただけると分かりやすいと思います。


 リリーの成長も大きなポイントでした。家族という狭い世界で、与えられる事しか知らずに生きてきた。そんな彼女が隣国でナイアと出会います。親と離れて一人になったこともあり、精神的に大きな転機が訪れました。リリーが自分以外の他人を意識した瞬間だと思います。誰しもそんな瞬間があったのではないでしょうか? 私の幼い頃の記憶はその衝撃から始まっています。


 書き下ろしでは、もう一人の聖女様に初めて触れました。私の頭の中ではずっと存在していたのに、登場の機会がなくここまで来てしまいました。上品な方で何をするにも手間暇かけ、とても丁寧な暮らしをしているイメージです。真面目なだけでなく、少しおちゃめなお婆ちゃん。お孫さんのライラさんと楽しく暮らし、時々白神官が訪ねて来て世間話をしている。そんなゆったりとした時間の中で生きています。


 このエピソードは、風邪で高熱を出していた時に書きました。実は書いた覚えがまったくなくてちょっと笑えます。引退した聖女様が幼い時のマリーに会いに来ていたら……と考え始めたら止まらなくなったのでしょうね。今でも謎です。編集さんと相談して書き下ろしに採用されました。とても気に入ってくれたので嬉しかったです。


 ここで嬉しい報告があります。

『聖女の加護を双子の妹に奪われたので旅に出ます』のコミカライズが決定しました! マリーやガインさんたちに動きが出ると思うと楽しみで仕方がありません。みなさまのおかげです。本当にありがとうございました。詳細は追ってお知らせしますのでお楽しみに!


 最後に謝辞を贈らせてください。

 きれいなイラストを描いていただきました、にもし様。今回の表紙もとても素敵で、第一声は「可愛い!」でした。いつも素敵なイラストをありがとうございます。

 本を出して頂いたアース・スター ルナ様。私の見えないところで色々と動いてくださり、執筆だけに専念できました。感謝しております。

 そしてこの本に関わったすべての皆様にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


 次回はとうとう最終巻です。結末に向けてのラストスパート。突然みんなの前でプロポーズをしたハートさん。マリーの気持ちはどう変化していくのでしょうか。リリーの処分もこれからです。それに、キリカと家族のその後も気になります。問題が山積みのマリーですが、持ち前の明るさと強さでガインさんたちに支えられながら、きっと乗り越えてくれるのでしょう。最後までマリーの成長を見届けて頂けると嬉しいです。


 次巻でもまたお会いできることを楽しみにしています。