「あっあっ、涼くん」
部屋に二人が交わる音が響く。
媚びるような甘い声で、まゆは名前を呼ぶ。
今日は卒業式だった。涼の指導のおかげで大学にも入学した。
大学は涼のマンションの徒歩圏内にあるから、両親も涼のところで暮らすことを勧めてきた。
今日は二人で実家に荷物を取りに来ただけだったが、部屋に入ると、どちらともなく求め合ってしまった。
「ねぇ……なんか窓の外に誰かいた気がする」
「猫じゃないの? 集中して」
気になって訊ねるが、気持ちよすぎてすぐにどうでもよくなる。
「涼くん。好き」
「僕の体目当てなんじゃないの?」
「そんなことない。全部好き……」
「セックス、大好きでしょ?」
「涼くんが好きなの」
ずっと憧れの人だった。その人に毎夜変態行為をされているなんて、誰にも言えない。
涼の手管は凄まじく、もはやまゆの体は涼なしでは、一晩だって耐えられないほどだ。
同時にどんどん依存していくのが怖くなる。
涼の大きくて硬いものや、舌の動きを思い出すだけで、いてもたってもいられなくなる。
「涼くん好き……」
「まゆちゃんが好きなの僕のココだけじゃないの?」
「んはぁっ、ちがっ」
「本当に? 体だけじゃないの? まゆちゃん淫乱だから。ほら、コレが好きなんだよね?」
ぐりぐりと奥の感じるところを押されて、下半身が蕩けそうになる。
「あーっ」
「ここの相性がいいんだよ。してもしても足りない」
「涼くん、離れないで」
「離れられるわけないでしょ。自分でも動かしてごらん。見ててあげるから」
「やぁっ、恥ずかしいッ」
「ほら、ここでしょ?」
いいところで腰を止められ、まゆは腰を揺らして奥まで求めた。
剥き出しの粘膜が体内を擦る快感に抗えない。
唇を奪い合いながら、二人で高みを目指す。
「子宮口、降りてきてる。精液受け止めるために。体も気持ちよくしてくれる男の精子が欲しいんだよ」
「欲しい、涼くんの精子欲しい」
「ん、いっぱい出してあげるからね」
熱くなった性器同士が擦れ合い、二人で快楽を与え合う。
涼にしがみつきながら、まゆは気をやった。
最も気持ちいい瞬間が終わりなのだから、またしたくなるのは当然だ。
涼の体液がまゆの胎内に放出される。自分が絶頂する時とはまた別の得も言われぬ快楽がその瞬間訪れる。
「涼くんのまゆの中でたくさん出てる」
「いい子だね。気持ちよかった?」
「うん……まゆだけに出して、これからも」
──計画通り。
涼が果てる前に小さく呟いた。
「まゆちゃん、変わったね」
「ん……だって気持ちいいの我慢できない」
「もう他の男に抱かれても満足できないでしょ? 計画が少し早まっただけだよ」
二人だけの世界に終わりは見えない。今日も明日も爛れた純情を抱えて淫らに愛し合うのだろう。
誰に咎められてももう構わなかった。
この快楽を求めないなんて不可能だ。罪にすら思える。満たしてくれるのは涼だけ。
この狂った欲望と愛に身も心も堕ちていく──。
明日も常識も倫理も無視して、この人と交わってしまうだろう……。
目を閉じる。
気が遠くなるような法悦のあとでまゆは意識を手放した。