十一章 そして彼女は寝取られた



 和也は、まゆの家の近くで待っていた。

 今日は卒業式。また告白してよりを戻したい。

 一方的に別れを告げられたが、まだ未練が残っていた。

 しばらくするとまゆが通った。急に髪や肌もつやつやとして、妙な色気が出ていて付き合った頃よりきれいになっていた。

「まゆ!」

 遠くに見えたまゆのほうへ行こうとすると、男と一緒にいるのに気づく。

 ──あれ、まゆのお兄さんじゃ。

 一目見て、優しい穏やかなタイプでないのがわかる。いるだけで威圧感で人を萎縮させるオーラがある。

 二人は恋人のように寄り添っている。目線や手の繋ぎ方、どう見ても兄妹には見えない。

 ──そういえば、再婚でできた義兄って聞いたような。まさかまゆとそういう関係なのか?

 二人がまゆの実家に入るのをよろよろとついていく。

 ただならぬ雰囲気を本能的に感じた。

 ──あの二人は一体……。

 玄関に入る前、男がまゆにキスをした。

 まゆが拒むような仕草をする。

「まさか、嫌がるまゆを無理やり……?」

 別れた時もおどおどして、なにか様子がおかしかった。

 たまらず二人をこっそり尾行してしまう。母親にバイトを禁止され、服も買ってもらえないと言っていたが、別れてから急に垢ぬけた気がする。

 二人が家に入ると電気がついて、しばらくすると消えた。家にいるのに、電気を消すなんておかしい。

 和也は、庭から回ってまゆの家を覗いた。

 西側の和室から、くぐもった声がする。

「荷物取りにきただけなのに、駄目」

「まゆちゃん、我慢できない」

 十センチほど空いた障子の隙間から、中を見ると薄暗い部屋の中で二人が重なり合って唇を吸い合っているのが見えた。

 衝撃的な光景に、和也は立ち尽くした。

「やっぱり……!」

 勉強が忙しいなどというのは嘘だった。

 義理とはいえ、年の離れた妹に手を出すとは、なんという卑劣な男だろう。今すぐ部屋に入って止めてやりたいと思うのに、体が動かない。

「無理やりヤられてるのか……」

 そう思った和也の耳に、まゆの甘い声が届く。

 部屋が薄暗くて、様子はよく見えないが、両足を開かされたまゆが男にのしかかられているのが見える。

 あっという間に服を乱され、白い胸や太ももが露出していた。

 男が首や胸に唇を落とすたびに、まゆが媚びるような声をあげている。

 男の手慣れた感じが一層苛立たしく、怒りが湧いてくる。

 体中に手や唇で愛撫を施したあと、男がまゆの乳首を口に含んだ。

 一度だけ自分も味わった場所だけに、衝撃だった。

「彼氏に吸われたのとどっちがイイ?」

「あ、涼くん……涼くんのがいい」

 偶然聞いてしまった言葉はあまりに衝撃的だった。

 どうしようもない屈辱と敗北感を感じた。

 男は延々とまゆの体を焦らすように、撫でまわしたり、舐めたりしていた。

 男の唇が腹を下っていき、まゆの恥ずかしいところに届く。

「んっ、あっ! そこだめぇ」

 男の頭が邪魔で見えないが、舐めているのは間違いない。

 まゆの声からして、相当感じているのがわかる。おそらく昨日今日の関係ではないのだろう。

 男がまゆの体を知り尽くしている感じがした。

「かわいいね」

 優しげな声で、あやすようにまゆの胸を揉みながら舐め続けている。白い胸の形がゆがむほど強く揉むが、中心には触れない。

「涼くん……」

「触ってほしいの?」

「うん……」

 言われたとおり、男がまゆの乳首を摘まむ。まゆの吐息が一層甘くなる。

「下と胸同時だと気持ちいい?」

「うん。涼くんの口好き……」

「あれ、持ってるから入れてもいい?」

「えっ、あれはイヤ……」

「少しだけだから」

「あっ……んん」

 本気で拒んでいないのはすぐにわかる。

 よく見ると、男がまゆの体に透明なシリコンでできたディルドを出し入れしていた。

 奥に届くたびにのけぞり、腰を揺らして、男を誘うような媚びた声が響いた。

「どうしてほしい?」

「あん。口で吸って」

「どこを」

「こりこりしたとこ……」

 さすがに淫語は言えないらしい。

 懇願されたように、男がディルドを出し入れさせながら、まゆのクリトリスを引っ張るように吸うと、まゆは悲鳴のような切ない声をあげて、足を震わせている。

「さすがに自分のを挿れてる時は吸ってあげられないからね。すごい気持ちよさそうだね。癖になりそう?」

「あー、いい。涼くん好き……もっと」

「素直だね。たっぷりかわいがってあげるから、もっと足開いて」

 言われたとおり、まゆは足を大きく開いて男を受け入れる。

 男は好きでたまらないといった様子で、玩具を出し入れしながら、まゆのクリトリスを吸っている。

 男は見ていてもどかしいほどに、ゆったりとまゆの反応を見ながら緩急をつけて手を動かしているのがわかる。

 濡れた音で、まゆの体がどれだけ反応しているか、こちらにも伝わった。

「あ、んっ。イく。イっちゃうー……」

「いいよ。何回でも」

 切なげな声と、足が痙攣していることから、まゆが絶頂したことがわかった。

 一度引き抜くと、まゆが切なそうに吐息を漏らした。

 女の子の体に詳しいとはいえないが、あんなことをされたら、ひとたまりもないだろう。

 引き抜かれて、ぱっくりと開いた秘所から溢れた愛液をいとおしそうに、ゆっくりと舌で舐めとると、右手でクリトリスを刺激しながら、穴の中に長い舌を入れた。

 普段AVなどで見るのとは違う濃厚な愛撫に、未経験の和也は驚く。

 まゆはいやいやと首を降りながらも腰を突き上げて、もっと奥を舐めてほしいとばかりに男の頭を手で押し付けている。

「奥から溢れてくる。おいしいよ、まゆちゃん」

「恥ずかしい……」

 あんなに自ら足を広げておいて恥ずかしいなんて、どの口が言うのか。

 すっかり男の手管の虜になっているのがわかる。再び絶頂を迎えたらしいまゆに男が尋ねた。

「どうする? 今日は」

「あっぁ、欲しい」

「どうすればいいかわかる?」

 まゆは、まだ余韻に浸ったままのとろんとした目で、四つん這いになり、男のベルトを外し、そそり立ったものを咥えた。

「いい子だ」

 清楚で、恥ずかしがりやのまゆが……。

 信じられない。

 そして、前に和也が見た時より胸も乳首も育っているのに気づく。

 あいつに開発されたのか──。

 引くぐらい長くて太いそれを口に頬張って、顔を上下させている姿は、知らない女に見えた。

 まゆはあんないやらしい舐め方はしない……。いや、知らないけれど以前のまゆならしないはずだ。キスだけで恥ずかしそうにしていたのが、遥か昔に思える。

「まゆちゃん、上手になったね。それ好き? 欲しい?」

「んー」

 まゆは咥えたまま上目遣いに頷く。

「先っぽ吸って。普段僕がまゆちゃんのクリ吸うみたいに」

 まゆが言われたとおりにすると、男も恍惚とした顔をする。

「まゆちゃん、孕ませたい」

 衝撃的な言葉を言いながら、まゆの口から剛直を引き抜くと、再びまゆの上に覆い被さる。

 まゆの秘裂に当てると、ゆらゆらと腰を揺らして割れ目やその上を擦る。

 いわゆる素股というやつだ。

 まゆ相手に風俗みたいなプレイをするのが許せない。孕ませたいなどと言うのは、頭がおかしい。

 まゆからねだらせるために、敢えてすぐに挿れないつもりだ。

 あんなにねちっこい前戯をされては、まゆだって自分から欲しくなるに決まってる……。

 男の破廉恥さに頭が沸騰しそうになる。

「いいの? つけてないよ。今日は安全日じゃないよ」

「あぁん、我慢できない。したい……」

「中に出されるのがいいの?」

「挿れて、ぐちゃぐちゃに犯して。まゆがイってる時に出して」

 信じがたい破廉恥な言葉を言っているのは、間違いなくまゆだった。

 男は一気に奥まで押し込むが、相変わらずもどかしくなるような速度だ。

「まゆちゃん、この前までしたことなかったのに、こんなになっちゃうなんてすごいね。奥いっぱいよしよししてあげるから」

 ポルチオというやつだろうか。

 それもこれも経験はない。ネットで得た知識だ。そんなところまでまゆが開発されたと思うと、気が狂いそうだ。

 悲鳴まじりの吐息を漏らしながらまゆは、男の腰に足を絡めて奥まで誘っている。

 こちらまで耐えがたい程しつこく焦らしている。

 明らかにゆっくりとした動きをされて、まゆは逆に燃え上がっている。

「ふぇっ、焦らしちゃやだ。いっぱい出し入れしてぇ」

「いいよ。まゆちゃんのここ、誰のもの?」

「涼くんの。まゆの体全部涼くんのものにして」

「よしよし、素直だね」

 まゆが従順に答えた褒美とばかりに、先程より激しく腰を打ち付ける。

 男が上体を少し起こしたせいで、二人が繋がっている部分が丸見えになった。

 触れたくて仕方なかった場所に、別の男のものが入っている。

 ──あんなでかいのが入るなんて……。

 まゆの粘膜をこれでもかと押し広げながら、ぬらぬらと濡れた巨根が出入りしている。

 まゆの反応を見ながら男は自分をよくコントロールしている。自分にはあんなことはできない。

「あぁん、激しいのだめぇ。すぐイっちゃうから……」

 駄目と言いながら、むしろまゆのほうが腰を浮かせ激しく動き出した。

「まゆちゃん、奥まで欲しいんだね」

「やぁ、奥は駄目、駄目なの」

 男は焦らすのが目的なのか、動くのをやめ、代わりにまゆのクリを右手の親指でくりくりといじりはじめた。

「だめっそこいじらないでぇ。ふぁっ……あん」

 首を振りながら、まゆは男の腰に自らをぐりぐりと押し付けながら、しばらくして大きな声を上げて、絶頂した。

 ──信じられない。あんなにおとなしくて真面目なまゆが。自分から腰を振ってイってる……。

「かわいいよ。でもちょっと早くない?」

 痙攣して、気を失ったようにぐったりしたまゆ相手に、男が激しく動き出す。

「あっ。出ちゃうっ、やめて」

「ん。出して。ぐちょぐちょのまゆちゃんが好きだよ」

 水音がして、まゆが潮を噴いたのだと気づく。

「イった後、激しく突かれると噴いちゃうの癖になってきたね」

「いやぁ、もう無理。終わりにして」

 まゆの懇願を無視して、男は止まらない。

「もう一回まゆちゃんがイったら出すからね。ここの子宮の入り口に出すよ」

「ひぁっ! あっ」

「責任取るから、ね? もう結婚しちゃおう」

 男の吐息が荒くなる。

「あ、もうむり」

「僕も出すよ」

 無責任極まりない欲望を吐き出すためだけに、男が最後の追い上げをする。

「あー、まゆちゃんがきゅうきゅう吸い付いてるとこに出すよ。全部飲むんだよ」

 蛇のように肢体を延々と絡めあい、二人はやがて動かなくなる。

 まゆの中に出したことは、一目瞭然だった。

 乙女の秘めなければならない場所は、白濁を飲み干すように男に吸い付いついたままだった。

 自分の知っているまゆはもういない。

 すっかり男の手管で快楽に染まり、離れられないことがわかった。

 この狂った男に調教されきって、身も心も堕ちている。

 あまりの衝撃に、和也は屈辱と共にかつてない激しい興奮を覚えていた。

 好きな人が他の男に抱かれているという惨めな状況に。

 ──まゆ……。

 この狂った宴を見てしまったことで、もう前の自分には戻れない気がした。