十章 放置プレイ



 まゆと肉体関係を持ってから、1ヶ月。

 効率のよい勉強法を教えたこともあり、めきめき成績は上がった。

 親も喜んで受験までこのままこっちで見てほしいと言い出す始末。

 まゆの行きたい大学は涼のマンションから徒歩で行ける。合格させたら、ここから通わせるつもりだ。

 どうもまゆは、昔から警戒心が薄く、どことなくゆるい雰囲気があるせいで、押せばなんとなくいけそうと男に思われがちなタイプだ。

 それもこれも、まゆが自分に自信がないからだ。実際、嫌がってはいても涼が少しでも圧をかければ、抵抗はすぐに弱まる。

 そんなところもかわいいが、時に憎たらしく苛めたくなる。

 彼氏とやらも、大して好きでもないのにOKしてしまったに違いない。

 あの日たまたま帰らなければ、犯されていたかもしれないと思うと、正気を失い、常軌を逸した行動に出てしまった。

 だが、後悔はしていない。

 まゆが思ったより行為に順応するのが早くて驚いた。

 それに辱しめられたり、意地悪くされるのが好きなようだった。

 恥ずかしさから認めないが、ちょっと珍しいくらい感度がいい。

 普通ドン引きするだろう行為でも、しっかり感じて達してしまう。

 卒業したら迎えに行くつもりで、少し離れただけであの有り様だから、大学に行っても油断できない。

 しっかり心と身体に自分を刻み込んでおきたい。

 そのためには、どろどろに甘やかして依存させ、他の男では与えられないような快楽を教えてやることが必要だ。

「ただいま」

「お帰り」

 昨日の交わりも濃厚だった。

 経験のないような深い悦びを味わい、まゆも満足させたと思う。

 だが、帰宅したまゆの口から意外な言葉が出た。彼氏と別れたという。

「あの、もうえっちなことはしたくない」

「どうして?」

 涼との関係に疑問をもったようだ。

 当たり前だが、いい機会だ。まゆには自分が必要だとわからせてやらなくてはならない。

 始まる前はためらうが、いざ行為を始めると我慢できずに涼を求めてくる。

 ちょっと放置してやれば、すぐに戻ってくる。そう直観した。

「好きって言ってくれたけど、涼くんすごい遊んでたし、信用できない。ホントなら、身体の関係より心のが大事だよね」

「まあ、そうかもね」

 少女漫画ばかり読んでるまゆは、キラキラした恋愛に憧れているらしい。

性欲のかけらもなさそうな王子様タイプの誠実な男と美しい恋愛をするやつだ。

 ああいうのは、害しかない。少女の異性への認識を歪める──ド偏見だが涼はそう思っている。

 男なんてのは、好きな子に触ることしか考えてない。もっと言えば突っ込んで射精することでしか満たされない。

 そんなことはおくびにも出さず、

「まゆちゃんがしたい恋愛はどんなの?」

「一緒に図書館行ったり、悩みを話したり。手繋いで美術館行ったり……」

 鼻で笑いそうになったが、まあいい。

 そんなことで満たせるならそれもまた一興。

「とにかく、私実家に帰るから」

 実家に帰るというまゆに、母親に帰らないよう連絡をさせて、家に留めた。

「お母さんたち、熱が出たって」

「じゃぁ、もうしばらくここにいなよ」

 久しぶりに一人で寝かせると、夜中にそわそわとしていた。心も体も寂しがり屋のまゆがいつまで待てるか、見物だ。

「じゃあ明日はデートしよう。成績もめきめきあがってるし、気分転換しよう。でも帰ったら勉強ね」

 ダサい服しかなかったまゆに、お洒落な服を買ってやり、美容室に連れていった。

 そのあと、一緒にお洒落なカフェに連れていくと楽しそうだった。

「ブラックコーヒーって苦くないの?」

「苦さの中に旨味があるんだけど、まゆちゃんは甘さでごまかしたやつのがいいかもね」

「なんかその言い方、刺があるな」

 そうは言ったが、まゆは笑っていた。

 そのあと、学校での交遊関係の難しさなどの話をしっかり共感しながら聞いてやると満足そうだった。

 女の子は役に立つアドバイスは求めていない。全肯定で、わかるよ、大変だねを繰り返していれば大抵満足する。他の女なら面倒くさくてやってられないが、まゆ相手ならなんでもできる。

「もう4時だね。気分転換したから帰って勉強しなきゃ」

「楽しかった?」

「うん」

「女の子が思う恋愛ってこういうの?」

「わかんないけど多分」

 手を繋いで歩くと、まゆは少し周りを気にする様子があった。

 おそらく、この不道徳な関係をまだ周囲に知られるのを警戒しているのだろう。

 まゆが一人で勉強している間、リビングで女の子向けの恋愛映画を見た。

 きらきらした青春もの。

 ──こういうのがまゆは好きなんだろうな。

 ひたすら甘くてロマンチックな。誠実で優しくて、紳士的な男子。いるわけないだろ、そんなもん。

 涼としては、男女はわかりあえないようにできているというのが持論だ。

 わかりあえない分、肉体を繋げるのだ。

 それしかない。

 そんなこと言ったら女受け最悪だが、身体の相性が大事だ。

 まゆと涼は、かなりいい。というかこれ以上は考えられない。

 小さな頃から大切にしていたまゆの純潔を自分の手で散らしたのもたまらない背徳感があった。抱くたびに新たな快感を知り、堕ちていく感じもよい。

 そんなことはさせないが、まゆのほうも他の男とセックスしても、もう満足できまい。テクには絶対的な自信があった。

 そこらへんの男とは、一緒にしないでもらいたい。

「なに見てるの?」

「映画。勉強終わった?」

「うん」

 ちょうど映画はクライマックスのキスシーンだった。

 画面の中の美男美女が、唇を重ね合う。本来なら家族と見るには気まずいシーンかもしれないが、すでに男女の仲となった二人には別の感情がよぎる。

 まゆの手を握ると、目線が合い、どちらからともなく唇が近づいた。

 何度か軽く唇を交わしていると、まゆが物欲しそうに喉を鳴らした。そのままソファにもつれて唇を奪い合う。

「う、ふぁ」

「キスだけならいい?」

 今朝、身体の関係を拒否されたことを思い出す。

「う……うん」

 とろんとしたまま、まゆは抱きついてきた。

 もともと愛情不足な子なので、スキンシップは大好きだ。嫌なことがあったり、疲れていると昔からやたらくっついてくる。

 夏場にノーブラでうろうろしたり、涼を舐めている節はわりとある。

 それでも我慢してきたのは、まゆが大切だからだったのに、彼氏まで作ったのでもう容赦はしない。

 安心しきってきた分、しっかりこれからわからせたい。

 深いキスをしてまゆが蕩けてきたのを、見計らい、体を離す。

「じゃ、おやすみ」

「え?」

「あったかくして寝るんだよ」

 書斎に入りまゆをリビングに置き去りにした。まずは心が大事だというなら、じっくり付き合ってやろう。

 こちらとしては、まゆが後悔して辛くなり、自らねだるまで待つつもりだ。

 快楽に溺れている顔も好きだが、涼が欲しいと泣く顔を想像するのもまた楽しい。

「さて、いつまで我慢できるかな……」


 翌日も、優しい言葉をかけたりコミュニケーションは大切にしたが、寝室は分けた。

 ハグやキスも極力控えたし、風呂も一緒に入るのはやめた。

 時々ソファで手を繋ぐ程度だ。

 まゆが望んでいた清い交際とやらを続けてやることにした。

「あの、涼くんどうしたの?」

「清い関係もなかなかいいよね。確かに精神的な繋がりのが大切だし」

 思ってもないことを言ってみる。

「うん……」

「今日もおやすみ。勉強頑張ったね」

 触れるだけの軽いキスをして、ハグする。

 欲は、以前撮影したまゆの写真や動画で発散した。

 改めて見ると、まゆは天性の淫乱体質だと思う。普通の女の子は、突然あんな変態行為を強要されて、感じまくることはない。

 まゆの限界が近いのはわかる。

 寂しくなったまゆに自分からしたいと言わせたい。

 あとはまゆが自ら堕ちてくるのを待つのみだ。

 リビングに官能的気分を誘うという香りのアロマをセットしておいた。





 自分を慰めている最中、突然涼が部屋に入ってきた。

「まゆちゃん? 帰ってたの? 今日直帰だから、おやつ買ってきたよ」

「あっ!」

 ベッドの上で下着を下げて、指で秘部をいじっているのを見られてしまう。

「ちがうの……あの、これは」

「いいよ、普通のことだから。でもさ、指だけじゃ足りないでしょ?」

「ちがうの……」

「わかってるよ、まゆちゃんが、もうえっちなことしないといられない体になっちゃったってこと。でもさ、そんな触り方じゃ、気持ちよくないでしょ? 全身蕩けさせないと駄目っていつも言ってるよね」

 そう言ってまゆをベッドに押し倒すと、靴下を脱がせ、涼は足の指をしゃぶり出した。

「はぁ……きれいな子って爪の先まで整ってるんだよね」

 うっとりと囁きながら、一本ずつ口に含んでは出す。その異様な様を見ているだけで、下腹部が痺れてくる。

「言ったよね? 女の子の体に感じないところなんてないって」

「そんなの知らないっ。んっ」

「自分じゃできない気持ちいいこと、いっぱいしてあげる」

「んっ……そんなことしちゃ、あぁ」

 軽く指を甘噛みされると、こそばゆくて声が漏れた。

 指の股を涼の下が行ったり来たりするのが、いやらしくて、みているだけでたまらなくなる。

「いきなりココに指入れちゃ駄目だよ。全身を気持ちよくしてからね。女の子は脳から感じる生き物だから」

 まゆの秘裂に触れながら言う。

 おでこや頬に軽くキスをされると、抵抗する気持ちもなくなってしまう。

 唇にしてくれるのを待つが、なかなかしてくれない。

「まゆちゃんの耳たぶ柔らかい」

 唇で軽く食まれたり、歯を当てられて、気持ちよくなって涼の背中にしがみつく。

 弱い刺激を繰り返されると、欲望の芽がどんどん育って自分から欲しくなる。

「うっ、あぁ」

「ふふ。かわいい。目潤んで、ほっぺた赤くして、えっちなことしてほしくて仕方ないって顔してる」

「そんなんじゃない……」

 まゆの体をうつぶせにひっくり返す。

「最近毎晩してたから、しないと眠れなかったんでしょ?」

 背中を指先でなぞられただけで、声が出てしまう。涼が言うように全身くまなく感じるようになってしまった。

 自分から言わせようと仕向けているとわかっても、火照った体は静まらない。

「んー」

 まゆは背中に歯を立てられるのが、特に弱い。

 普段は特に敏感な場所ではないのに、涼に触られると、どこもかしこもおかしくなる。

「甘噛みされるの好きだよね」

「ふぇっ」

 まだ焦らす気のようで、涼は背をつんつんと舌で刺激したり、肌をきつく吸ったりしてまゆの反応を楽しんでいる。

 涼がシャツを脱ぎ捨て、まゆの服も脱がせた。筋肉で盛り上がった胸元に目が釘付けになる。

 もう体の関係はもちたくないと自分から言ったが、三日でもう限界だった。

 涼のにおいを感じるだけで体が疼く。

「腕上げて。脇舐めたい」

「ひゃっ」

 人に見せたり、まして触れられるようなところではない。

 もう全身見られて、舐められている。

 指で軽く触れられるだけで叫びたくなる。そのままぺろりと舐めるときつく吸ったり舐めたりを繰り返した。

「やぁ、くすぐったい」

「まゆちゃんの全身を開発しようと思って」

「な、なんで」

「他の男としても満足できない体にする。そもそも他の男としたいと思えなくなるまで、仕上げる」

「怖いよ」

「そしたら二人とも幸せでしょ」

 発言が怖すぎる。恐怖と快楽への期待の狭間で肌が粟立つ。

 ひとしきり舐め終わると、胸の輪郭を確かめるようにやわやわと揉みはじめる。

 乳輪の周りを舌で軽くなぞるが、それ以上のことはしない。

 いわゆる前戯なのかもしれないが長すぎる。しつこすぎる。

 それでいて中心には触れようともしない。

「ここ触らなくても、硬くなってるのわかる?」

 見ると乳首が赤く充血している。

「吸いやすいようにこうなるんだろうね。人間の体は面白いよね」

 指でつんつんと乳輪に触れられると、もう狂いそうだった。

「そろそろ焦らすのもかわいそうだから、吸ってあげる」

「や……っ」

 唇だけで挟んでは、ぺろりと舐め、まゆの反応を見ながら吸い上げたり軽く噛んだりしている。

「そんなに強く吸っちゃやだぁ」

「あいつには吸わせてたのに?」

 和也のことを思い出す。

 ふと我に返ったのを涼は、見逃さなかった。

「まゆちゃんの体に、どっちが気持ちいいか教え込まないといけないね」

「や、そんなこと言っちゃやだぁ。んっ」

 どんなに飢えた赤ん坊でもこれほどしつこく吸わないだろう。母乳も出ないのに、こんなところを口に含んでなんになるのか。

 口の中で敏感なところを舌で絡めとられると、下半身の力が抜けていく。

 溺れる者が藁を掴むように、涼の頭にしがみついて、刺激に耐える。

「マシュマロみたい。美味しい」

 そう言って、ようやく乳首から口を離すと、胸の谷間や、腹に唇を落とす。

 腫れた乳首が、空気に触れるだけでじんじんする。

「しない約束したから、今日はしないよ。──まゆちゃんが撤回しない限りは」

 愛撫だけで蕩けているまゆに残酷に宣言すると、上体を起こしてベッドの上のまゆを抱いて膝の上に乗せた。

「……自分でしてたのはなんで?」

 毎晩抱かれて快楽を教え込まれたせいで、涼なしでは一晩だって耐えられなくなっている。

「りょ、涼くんが毎晩するから」

「欲しくなっちゃった? 僕がキライなのに?」

 首を振る。

「好き……だけど、体だけの関係は嫌なの」

「心もちゃんと好きだよ。ヤるだけならそういうことさせてくれる女なんて、いくらでもいるし」

「やっぱり他にもいるんだ」

 簡単なことのように言われ、傷つく。

「そういう話じゃないよ。まゆちゃんはさ、自分に自信がないからいくら好きって伝えても、信じないよね。こんなに好きなのに」

「ほんとに?」

「いつまでも気づかないから、体に教えてるんだよ」

 相変わらず言い分がめちゃくちゃだ。

 好きならまず言葉で言うべきではないだろうか。

「触れ合うから心が伝わる部分もあるんじゃない?」

 そっと背中を撫でられるだけで、ぞくぞくと感じてしまう。

 それでもまゆは言葉も欲しい。

「目潤んでるよ。誘ってるの?」

「好きって言って」

「好きだよ。まゆちゃん。ね、一人でしてるとこ見せて。さっきの続き」

 なんでロマンチックな言葉の後にそれが続くのか。

「む、無理」

「じゃ、手伝うから」

 両足を開いて、まゆの手をさっきいじっていた場所に当てる。

「指入れてみて。もうぐちゃぐちゃだから、大丈夫だよね」

 まゆの指を強引に中に入れ、恍惚とした目で涼が見ている。

「やだっ」

「嘘つき。恥ずかしいの大好きだよね? 中にざらざらしたとこあるからそこ押してごらん。指で届くから」

「あっ! はぁ……ん、やだぁ。こんなこと」

 数日間の禁欲生活もあり、この倒錯した状況に酔ったように、まゆは指で自分を慰めた。

「上手。もっと奥まで入れてごらん」

「んっ、んっ」

 小刻みに指を動かすと気持ちよくて、気づけば音がするほど出し入れしていた。

 涼はうっとりと見つめ、動かしている指や陰唇を涼が舐め始めた。

 さっき自分でした時は物足りなかったのに、涼に見られていると思うと、ものすごく感じやすくなっていた。

 こんなことを強要されて、従っている自分も涼の毒に侵され始めている。

 でも自分の指では欲しいところに届かない。

 涼のごつごつした長い指やざらざらした舌、そして剛直で慣らされてしまったからだ。

「あ、ん! 自分の指じゃだめぇ」

「して欲しいの?」

「んっ、あっ恥ずかしい……」

「大丈夫だよ。中やってあげるから、自分でここ弄って」

 涼はまゆの指をクリトリスに当て、自分の指は中に挿入した。

「協力するから」

 涼の長い指はまゆのいいところを知り尽くしている。巧みな指戯に、欲求不満のまゆはひとたまりもない。

「ふぁあっん。そこだめぇ」

「ちゃんと自分でもして」

 自分で敏感な突起をいじると、いつもとはまた別の気持ちよさが押し寄せる。それに明るい部屋で涼に恥ずかしいところを見られている。

「かわいい。今度からしたくなったら、ちゃんと呼んで」

「やだぁ」

 涼の指が二本に増えて、子宮を揺らすように出し入れを繰り返す。

 内側を涼に、外側を自分で気持ちよくしているから、すぐに気をやってしまいそうになる。

「りょ、涼くんもう駄目」

「イっちゃうの? いいよ」

「んーっ、見ないで」

「見るよ、もちろん」

「恥ずかしい」

「まゆちゃんの恥ずかしい姿見せて」

「あ、イっちゃう」

 腰を反らせ、涼の手管であっという間に達してしまった。

「もぅイってるからぁ、動かさないで……」

「ふふっ、まゆちゃんのイくとこ見ると幸せ」

 まゆの指を舐めしゃぶってから、股間に顔を埋めた。

 クリトリスを引っ張るように吸ったり、中に尖らせた舌を、出し入れしたりしている。

 片方の手で器用に陰核の皮を剥き、そこに舌を絡め縦横無尽に舐め回す。

「女の子も勃つんだよ。男と違って出したらおしまいってこともないし、底なしだよね。ここは気持ちよくなるためだけにあるって知ってる?」

「知らないっ」

「シーツまで濡らして悪い子だね」

「そ、そんなにするからぁっ……あぁん。いや、あぁぁああん」

「目、閉じないでちゃんと見るんだよ。なにしてるか」

 舌がぬらぬらと自分の恥ずかしいところをはいまわるのを見ると、あまりの刺激の強さに、気を失ってしまいそうだ。

「中も舐めてあげる。穴に出し入れするから見てて」

 まゆの腰の下に枕を入れ高くすると、長い舌が体内に入るのが見えた。わざとまゆに見せるためにそうしたようだ。

「どうなってる?」

「あ、中に舌入っちゃってる……」

「ん、見ててね」

「やだっ! 中舐めたらいやぁ……ひぁ、あん、動かさないで」

 溢れた体液を音を立てて吸い上げる。

「びらびらも興奮して開いてるから、穴の中まで見えてるよ」

「やぁ、見ないでぇえ」

 太ももをこれ以上ないほど広げられ、閉じることも許されない。思わず両手で顔を隠した。

「ぐっちゃぐちゃのかわいいここ、写真撮ってもいい?」

 駄目に決まっている。首を振る。

「そう? 絶対悦びそうだけど。今日は目に焼き付けておくだけにするけど、今度動画にして一緒に見ようね」

「あー、あっ……またイっちゃう。だめぇ」

 中の液体をすべて飲む勢いで吸引され、絶頂してしまう。

「はぁっ、はぁ……もう無理、もう無理ぃ……」

 あまりの強烈な快楽に、涙が溢れる。

 涼に穴があくほど見つめられながら、再びまゆは深く絶頂した。

「よくできたね」

 収縮を繰り返すまゆの中を、涼の舌がまだ出たり入ったりしている。

「すっごい舌をきゅーって締め付けてきた。下のお口のが積極的だよね。すっきりしたなら寝ようか?」

「…………」

 まだ物足りない。奥まで涼が欲しい。太くて硬いのが欲しい。

「どうしてほしい? 小さい頃みたいに、抱っこしたままねんねする?」

 わかっているくせに意地が悪い。

 たった三日涼と寝ないだけで、苦しくなったのに、ずっとしないなんて耐えられない。

「言ってごらん。まゆちゃんの願いなら、なんでも叶えてあげるから」

「涼くん、ちゅーしたい……」

「そんなこと?」

 唇が合わさり、お互いの舌を絡め合う。今までの一方的にされる口づけとは違う。

「んっ、んっ」

 舌を絡めとられ、歯でやわくしごかれる。キスだけでこんなに気持ちいいのに、それで終われるわけがなかった。

 抱き合っていると、無意識にむき出しの下腹部を硬いものに押し付けてしまう。このまま達してしまいそうだ。

 無意識に腰を揺らして、もっと圧迫してほしいとねだるように動いた。

「どうしたの?」

「やぁ、あぁん」

 涼の硬いものが気持ちいいところに当たる。ぐりぐり押し付けられて、またイきそうになる。今日のまゆは底なしに涼を欲していた。

「こんなんでイっちゃうのもかわいいけど、もう少し深くイってほしいな」

「もう死んじゃう」

「どうしたの?」

「はぁっ、涼くん……」

 すがるような目で見つめる。

「欲しいなら言って? まゆの恥ずかしいとこにくださいって」

「ま、まゆの恥ずかしいところに……ください」

「聞こえないよ」

「……ください」

「セックスしたいって言って」

「し、したい」

「はは、肝心な言葉は言えないの? まぁいいよ。まゆちゃんのかわいいお口に卑猥な言葉は似合わないもの。下のお口は変態そのものだけどね」

 そのまま、挿入しようとする涼の胸を押して抵抗する。

「やぁ、生はだめぇ……んんん……っ」

 抵抗虚しく、そそりたったものが自分の中に入ろうとしているのが目に入る。

「はぁーっ、キツいな。搾り取ろうとしてるみたい」

 駄目なのに、体に力が入らない。

 涼は満足そうに微笑む。

 駄目だと思うのに、体はたっぷりと蜜を垂らして受け入れようとしてしまう。

「挿れるよ」

「ひあっっあぁ」

 何度か浅く出し入れを繰り返したあと、一気に奥まで貫いた。

 最近ますます感じやすくなって、挿れた瞬間に達してしまうことがよくあった。

 こんなに乱れてしまう自分が悲しい。快楽と情けなさで涙が滲む。

「気持ちよすぎて泣いちゃった?」

 涼は、涙をぺろりと舐めながらも抽送を繰り返す。肉と肉がぶつかる音と、淫らな水音が耳を犯す。

 まゆの両足を肩に乗せると、一層結合が深まった。

「そんな、奥まで来たら壊れちゃう」

「壊れないよ」

「はぁん。やぁ。抜いてぇ」

「すっごい気持ちよさそうだけど」

「あぁん、あーっ」

 奥のほうはもともとさほど感じなかったが、連夜開発されて、ちょっと突かれただけでも簡単に達してしまい、しかも一度では満足できない特殊な場所になってしまった。

「奥はね、もともとそんなに神経はない鈍感な場所だから、まず脳にここを突かれると気持ちいいんだよって教え込まないといけないんだ。普通の子はこんなにすぐ悦くならないんだよ」

 涼の硬く長いもので、奥を刺激される快感を覚えた体は、自分の指ではもう満足できない。

 涼の先端が子宮の口に、口づけするように当たると、もう他のことなどどうでもよくなってしまう。

「あぁん、そんな気持ちいいとこ当てちゃやだ」

「離れられなくなるから?」

「うん……恐い」

「中のお口にちゅーしてあげるよ。ここ精子欲しくて気持ちよくなると降りてくるんだよね」

「はっ、あっん、おっきい」

 出し入れされる時に、カリ首の段差が内壁を擦るのもよいが、奥をとんとん刺激されるのもたまらない。

 もう快楽を叩き込まれた体は抗えずに、涼の射精を受け入れたがって、きゅうきゅうと搾り取るような動きを繰り返す。

「まゆちゃんはほんと嘘つきだからね。えっち大好きでしょ?」

「ぁっ、好きじゃないぃ」

「素直じゃないとこも好きだよ」

 涼の熱さも硬さも大きさも、まゆを極限まで気持ちよくするのに最適だった。

 涼のせいでおかしくなった体は、もう元には戻らない。

 もしも涼に捨てられたらどうなってしまうのか、考えただけで恐ろしい。

「今度さ、一緒に動画見ながらしよ」

「えっ?」

「撮ったんだ。前にしてる時に」

「嘘……っ」

「生で見てもかわいけど、過去のもいいよ。あえぎ声がすごいかわいい。誰にも見せないから安心して」

 遠慮なく奥まで突かれて、逃げようとすると腰を押さえつけられ、弱いところを抉られる。

 張りつめた先端で感じる場所を撫でるように刺激され、体が切なく疼いてくる。

「あ、もう限界。許して、あ……ふっぁ……ん」

 まゆは限界だが、涼はまだまだといった様子で、だんだんと動きが激しさを増す。

 筋肉質の体に玉のような汗が浮かび、その整った顔が、興奮に歪むのを見ると、自分の知っていた涼などほんの一部だったのだと気づく。

 だんだんと余裕がなくなっている涼を見て、怖くなる。

「りょ、涼くん。出しちゃやだぁ。ひぁん」

「ん。まゆちゃんがイくの我慢できたら、外に出すからね」

「む、無理」

 めちゃくちゃな要求に、恐ろしくなり必死に涼から逃れようと体をよじらせていると、腕で押さえ込まれて身動きが取れなくなった。

 ずんずんと子宮口を狙い打ちしたかのように刺激されると、体が蕩けそうになる。

 かろうじて残っている理性がそれに抗おうとするが、本能に勝てない。

 いつしか、自分から腰を浮かせて深く受け入れようとしていた。

「腰振ってるのかわいい」

「死んじゃうッ! 死んじゃう」

「ん、そんなにイイの?」

「あ……っ」

「イってるね……奥気持ちいいね」

 陸に上がった魚のように跳ねるまゆに、涼は訊ねた。

「こわ、い! おかしくなっちゃぅう」

 助けを求めるように声を上げると、唇と唇が合わさった。

 下半身も唇も淫らな音を立てながら混じり合うと、もはや獣にでもなったような気持ちになる。

「まゆちゃんがもう一回イったら出すよ」

 興奮に膨らんだクリトリスを親指でぐりぐりといじると、気持ちなど無関係に、腰が揺れもっと奥へと涼を迎えてしまう。

「あー、まゆちゃんいやらしい」

 甘い喘ぎ声を上げながら、腰を動かして果てると、涼も激しく動き出す。

「まゆちゃんがイってびくんびくんしてる時に出したい」

「だめぇ、赤ちゃんできちゃう」

 このままでは、中に出されてしまう。

 かろうじて残っている理性が、涼の射精から逃れようとするが、がっちりと腰を押さえ付けられてしまう。

 限界が近いようで、どんどん動きが激しくなる。絶頂したばかりの体を激しく突かれるともうわけがわからない。

「ん、出すよ」

 絶望的な言葉と共に、体内に熱いものが溢れる。

 慌てて引き抜こうとするが、最後の一滴まで注ぐ気のようだ。

「まだ出てるから逃げちゃ駄目だよ」

 まゆの腰を抑え込み、涼は欲望を最後の一滴まで注いだ。