三章 浴室にて



「シャワー浴びようか」

 確かに汗やらなにやらで汚れている。

 涼に抱きかかえられて、浴室へ向かう。

「自分で脱げるから!」

「駄目だよ。まだ確認が終わってない」

 一体なにを確認するというのか。

 脱衣所でぼうっとしていると、涼まで脱ぎはじめた。一人で入ると思っていたので驚いて聞いてみる。

「ど、どうして」

「まゆちゃんの体、洗うよ。あいつの唾液がついてるし」

 和也に胸を舐められたことを言っているらしい。

 まゆの服を脱がし、ブラを外すと胸の周りを撫でた。

「あ、噛み痕。童貞は駄目だね。加減を知らなくて。痛かったでしょ。僕が帰らなきゃろくに前戯もしないで、突っ込まれてたよ」

 さっきまゆを打ったことなど忘れたように和也への非難を呟いている。

 まゆが望んだことではないのに、男二人からされた横暴を責められ、その理不尽さに落ち込んできた。

「涼くんに叩かれたとこも痛い」

「ん、お風呂から出たら軟膏塗ってあげるから」

 しれっと呟いた涼がボクサーショーツを脱ぎ捨てると、凄まじい大きさのそれが天に向かってそそりたっているのが見えた。

 禍々しいほど卑猥なそれを見て、思わず目を疑った。

 ──これはなに?

「どうしたの?」

「な、なんでもない」

 見なかった振りをして、そのまま浴室に入る。

 さっきからずっと異常な状況だが、なんだかもう抵抗しても無駄な気がして流れに身を任せることにした。

「昔みたいに洗ってあげる」

 熱いシャワーを頭からかけられ、シャンプーをされる。美容室以外で人に頭を洗われたことなどない。

 ごつごつとした大きな手が、頭皮を優しく撫でる。

 ──気持ちいい……。

 明らかに異常な状況なのに、その指の動きに陶酔してしまう。

「気持ちいい?」

「うん……」

 熱い湯で洗い流されると、頭が少しすっきりする。

「体も洗うよ」

「えっ! 自分でやるからいいっ」

「駄目だよ。きれいにするから」

 体中にソープを塗りたくられ、胸の裾野から持ち上げられる。

「ここ膨れてるのあいつに吸われたせい? まゆちゃんがそんなに淫乱だと思わなかった。鏡見て」

 風呂場にある鏡には、確かにぷっくらと腫れた乳首が映っている。

 後ろに立った涼が、体に手を回す。

「ごめんなさい……許して」

「もうしない?」

「しない、しないから」

 泡だらけの胸を大きな手が上下して擦る。敏感な中心に触れそうで触れないのが逆に卑猥に感じて、吐息が荒くなってしまう。

「どうしたの? はぁはぁして」

「そこっ、自分で洗うからいい」

「触ってないのに、勃ってるね。期待してない?」

「んんん…っ」

 胸の周りを洗っていた指が、乳輪にまで近づいて、乳首を軽く弾いた。

 泡のせいで摩擦がほとんどなくて、乳首の上を何度も指で擦られた。

「いやぁ、やめて」

「しっかり洗わないと駄目でしょ」

 くりくりと刺激され、立っているのが辛くなる。

「ここ、吸われたの今日が初めて?」

「う、うん」

「はぁ……やっぱり許せないな」

 そう言いながら、涼はまゆの乳首をつねった。鋭い刺激にのけぞると、後ろから抱き止められて、体がより密着した。

「まゆちゃん。いつまでも幼いままだと思ってたのに。こんないやらしい体の子と二人きりになったら襲うに決まってるでしょ?」

 そう言いながら、顎を掴まれ唇を塞がれた。呼吸もできないような激しいキスだった。

「うっ。ふぁっ……」

 舌を引きずり出して、きつく吸われると蕩けそうになる。

 頭がくらくらするのは、浴室に張られた湯から出る湿気や熱気のせいだけではない。

 ──私の舌が、涼くんの口の中に……。

 そう思うと、なぜか腹の中がきゅんとして、足の間が濡れてくる。

 舌を歯で挟まれて、緩急をつけて吸われると酔ったように頭がぼうっとしてきた。

「はぁっ……。やだぁ!」

「どうして? 蕩けそうな顔してるのに」

 口を塞がれたまま、石鹸でぬるついた胸の裾野や、脇下をくすぐるように触れられ、我を失い喘いだ。

「下手な男は、いきなり胸やら股関を触るんだけど、女の子の性感体は、全身なんだよ」

 囁きながら、耳たぶを唇で挟まれ、体に弱い電気が走ったような感覚がした。

 柔らかく唇で刺激しながら、耳の輪郭を舌でなぞる。

「指だって、感じるんだよ。やり方次第で」

 泡にまみれた手指の股を一本一本なぞり、耳元で囁きながら、最後は舌を耳穴に突っ込まれた。

 脳内を犯されたような音と、涼が体を洗う音でいつもの浴室が非現実的なものに思えた。

「ふぇ……もう許して……」

 触れられるだけで、脳が蕩けそうに気持ちいい。耳の中に淫らな水音が響く。

 足元から崩れ落ちそうになるのを後ろから抱き止められると、腰に熱くて硬いものが当たっているのがわかる。

「全身、洗ってあげる」

 浴室のチェアにまゆを座らせ、床に膝をついて足の先までゆっくりと泡を馴染ませ洗いはじめた。

 優しく弱い刺激でも、人に本来触られることなどない場所だから、敏感だ。

「あぁん、指の間いやぁ」

「くすぐったい手前くらいが気持ちいいんだよ。僕が教えてあげるからね」

 足の指の間を、涼の指が入ったり出たりする。洗っているといえば洗っているだけだが、ひどく卑猥なことに見える。

 くすぐったさに、足を動かすと、秘めなければいけない部分を見られてしまう。

「あっ、は、恥ずかしい」

「恥ずかしくないよ。昔も一緒によく入ったし、体も洗ってあげたし」

「でも、それは……」

 まだ幼稚園の頃の話だ。

「ふくらはぎも洗うよ」

 そう言って膝裏なども洗われ、太ももまで触れられると、必死に足を閉じた。

「そこまででいい」

「ん、太もも、ぬるぬるしてるけど、これなに? まだ石鹸つけてないよね」

 足の間を覗き込まれて、尋問される。

「せ、石鹸のせいだもん」

「嘘つき。まだここにはつけないけど、一回流そうか。泡がここに入ったら染みるものね」

 秘部にシャワーを直接かけられてしまう。水圧が絶妙で、まゆは喘いだ。

「シャワーで気持ちよくなる女の子もいるみたいだよ。したことある?」

「ない、ない」

「じゃ、別の方法でしたことは?」

「……」

「……あるんだ。やっぱり悪い子だね。どうやってしたの?」

 時々どうしようもなくなって、涼を想像して自分を慰める夜があった。

 一人でしたことがあるなんて言えない。しかも涼を想像してしたことがあるなんてもっと言えない。

「そう……言えたらやめてあげようと思ったのに。まゆちゃんみたいな淫乱には、もう少しお仕置きしたくなるな」

 涼が後ろに回り、椅子に座ったまゆの足を鏡に向かって思いきり開く。

 自分でもそんなにきちんと見たことのない部分だった。羞恥のあまり、正視できない。

「見ちゃやだぁ」

「自分でここ弄ってるの? ここの小さな粒。ちっちゃくてかわいいけど、敏感だよね」

「ないっ。ないからやめてぇ」

 指でくりくりといじられて、まゆは腰を揺らして耐えた。

「ちゃんと見て。皮かぶってるの、剥いてみようか」

 自分の体がどうなっているかなんて知らない。

「あっ!」

 二本の指で、押すように圧迫すると赤い身が出るのが鏡越しに見えた。

「直接触るよ。敏感なとこだから、まゆちゃんの愛液で濡らしてからね」

 割れ目に手をやり、指を濡らしてから、そこを円を描くようにゆっくりと撫でた。

「ひぁっ。やぁん」

「まゆちゃんは危機感が足りないから、少し勉強が必要じゃないかな」

 涼が肉襞を左右に開くと、慎ましい入り口が鏡越しに見えた。

「中もピンクなんだ。こんなにいやらしい体して、本当にいけない子だね」

「ああん、あぁんだめぇ」

 敏感なところを執拗に撫でられると、中からぬるぬるとした液体が溢れて、わけもわからず腰を揺らしてしまった。

 鏡越しに、うっとりと秘部を眺める涼の目に狂気を感じ、まゆはぞわりと震えた。

 そもそもこの状況がおかしい。

 不純異性交遊するなと言いながら、涼はまゆを好き放題にしている。

 叱るだけなら、浴室で丸裸にして体をいじり回す必要などないからだ。

「いや……! 怖い!」

 逃げだそうとすると、ぐっと手首を掴まれた。まゆの知らない男の力だった。

「やめて! どうしてこんなことするの」

 いつもは優しい義兄だ。だからこそ好きで、諦めきれず、別の人を好きになろうとした。

 それなのに。

「一回イっておこうか?」

「ふぇっ?」

 床に跪いた涼が、まゆを無理やり立たせて、自分の顔の前にまゆの股間が来るようにした。

 恥毛を掻き分けて、小さな粒を探しだすと、再び皮を剥いた。

「はー、まだ小さくてかわいい。ここ吸ってあげようか? ん?」

「な、なに言ってるの」

 涼の正気を疑う。

 首を振るが、腰を腕で固定され、涼は敏感な部分に狙いを定めて舌を絡めた。

「嘘っ……」

「んー、硬くなってる。体洗われて、興奮した?」

「あぁん。やだぁ、吸わないで」

「中からどんどんぬるぬるしたの出てきてるよ」

 割れ目からこぼれる蜜に舌を伸ばしごくごくと飲み干すと、再び突起を吸いはじめた。

 狭い浴室に涼がちゅうちゅうとそこを吸う音だけが響く。

「はぁっ……はぁっ。いやぁぁああ」

 中に指を出し入れされ、音が一層激しくなる。

 指を曲げ、まゆの弱いところを探そうとしている。

「ほら、ちゃんと言って。くちゅくちゅされるの好きだって」

「好きっじゃないぃ」

「じゃ、なにが嫌なの。ちゃんと説明して」

「ま、まゆのそこ舐めないで……」

「そこじゃわかんない」

 体内に入ってきた涼の中指が、まゆの弱点を探りあげた。

「あ、ここだね。押すと中が締まる」

 涼が中指で内部を押すように刺激しながら、舌での愛撫に集中しだす。

「んっ! あ! やぁー」

 たまらず体をのけぞらせると、空いた手で腰を引き寄せられてしまう。

「あー、すごい。お漏らししたみたいだ」

 太ももにまでべったりと愛液が垂れているのが自分でもわかる。

 ここまで来るとまともに頭が働かなくなってくる。

 恥ずかしいところを見られ、舐められて未知の快楽を与えられ、正気を失っていた。

 ──気持ちいい……。

 無意識に腰を揺らし、涼の唇に押し付けていると、目が合い、我に返り、動くのをやめた。

「いいんだよ。気持ちいいのは悪いことじゃない。体がしたいようにしてごらん」

「は、恥ずかしい……」

 自分でも動いていると、なにかが近づいてくる気がして、それがなんかのかわからないままに、快楽に身を委ねるしかできなかった。

「気持ちいい?」

「ぁあん。やだぁ、はっ……あん」

「やならやめる?」

「いやぁ。ふぁっん」

「わがままだなぁ」

 涼が指の動きを早め、唇でクリトリスを転がしながら、きつく吸引した。

 コロコロと転がされるたびに、景色が歪む。

「あっ、あーっ……」

「……イっちゃったね。感度がいいだけにこれからも心配だな。無理やりなのに感じちゃうなんて」

 凄まじい快楽が下腹部に広がり、がくがくと痙攣しながら浴室の床に倒れ込んでしまう。

 涼は、それでもそのまま、まゆの秘部に吸い付いていた。

 慰めるようにいたわるように、愛しそうに愛撫を続ける。

 ひどく敏感になったところを舌で触れられるたびに、体が跳ねる。

 体の力が抜けきって、もはや恥じらう気力もなく、だらしなく足を開いて、されるがままになっていた。

「全部飲みたい、舐めたい」

 溢れた愛液を一滴残らず舐めとる。達したばかりで敏感だというのに、容赦なくしばらく舐め続けた。

 ようやく唇が離れて、安心する。これでもう終わったのだろう。

「彼氏にされるのとどっちが感じる?」

「感じてないっ。くすぐったくて声が出ちゃっただけ」

 認めたらなにをされるかわからない。本能的に恐怖で嘘をつく。

「ちゅうちゅう音がするほど吸われたら仕方がないね。まゆちゃん、抵抗もしないであんあん喘いで、機会があればまたするでしょう」

「もう……しないっ」

「ほんとかな。ちゃんと反省してる?」

 こくこくと頷く。涼は満足そうに微笑んだ。

「じゃ、証拠見せて」

「証拠?」

「うん。ここを剃ろう。そしたらもう彼氏に見せられないでしょ?」

 涼が恥毛をそっと撫でる。

 ──剃る?

 意味がわからない。

 恐ろしいことを言っていることだけはわかる。

「ここ、どうしたのって聞かれて、自分で剃ったなんて言えないでしょ? 変態みたいだもの。まして誰かにされたなんて言えないからね」

「や……怖い!」

「んー、怖くないよ。大丈夫。じっとしてて」

 一度浴室から出ると、なにかのチューブと剃刀を持って戻ってきた。

「肌傷めないようにローションつけるからね」

 浴槽の淵に座ったまゆの足を開かせる。

 冷たいジェルをかけられ、快楽の余韻で熱をもったそこが一気に冷たくなる。

 涼がもっている剃刀が怖くて、目を閉じた。

「ひぁ……」

 刃の当たる感触が恐ろしくて、動かないよう体が緊張して強ばる。

「ふふ。大丈夫だよ。こう見えて手先は器用だからまゆちゃんを傷つけたりしない。でも、ちょっと複雑なところだし、じっとしてね」

 絶頂を迎えたばかりの秘部に、冷たい刃が当たる。

「はっ…っん。やあ」

 じょりじょりと、体毛が剃り落とされる感覚は鮮烈で、体中に鳥肌が立つ。

 恐怖からか、感度が跳ね上がり、ちょっと触れられただけでびくんと体が波打つ。

「かわいそうに。怖いんだね。震えてる」

「なんで……」

 薄目で下を見ると、すでに半分ほど終わったようで、隠れていた部分が晒されている。

「丸見えにしちゃうからね」

 執拗な手つきで、一本残らず剃り落とすと満足そうな顔をしている。

 しばらく恐怖に耐えていると、ようやく刃物が皮膚から離れた。

 刃物を当てられた恐怖に泣きだしたまゆを優しく抱くと、

「うっ」

「よしよし。よく頑張ったね」

「今日の涼くん怖い」

「ごめんね。かわいいまゆちゃんが他の男に抱かれると思うと耐えられなくて。毛がないほうが、よく見える。それに舐めやすいし」

 恐る恐る、下を見ると幼児のようにつるつるになっている。

 涼がローションをそこに塗り足してから、そそりたったものをまゆの秘裂に押し付ける。

「え……」

 ──犯される。

 そう思ったが、割れ目をなぞりながら、秘裂の上を擦るだけで中には入ってこない。

「挿れると思った? 大丈夫だよ。初めてがお風呂じゃちょっとかわいそうだし。あとでゆっくりベッドでしようね」

 意味不明なことを言いながら、体を揺らしている。

 たっぷりと塗られたローションのせいで、粘着質の水音が響く。

 涼はまゆの両胸が歪むほど激しく揉んで、指の間に乳首を挟む。

「ローションなんていらないくらい、ぐちょぐちょだね」

「ん…っ! ひっ…! ああぁっあぅ…」

「ほらっ。見て、どうなってる? 説明して」

「あ……涼くんのおっきいのが当たってる……」

 粘膜がこすれるたびに、涼の先っぽからも透明な液体が垂れてきて、まゆの秘裂に垂れてくる。

 鮮烈な刺激に、まゆはがくがく痙攣しながらむせび泣いた。しばらくそうしていると、涼の動きが激しさを増す。

「はっ、すごい。ビラビラに挟まれてるだけでイきそうなくらい気持ちいいよ。クリに当ててあげるからね」

「あ、はぁ……あーっ。そこに当てちゃ……ひぁん」

「僕の先っぽでまゆちゃんの敏感なとこにちゅーしてあげる」

「ひぁっ……あぅっ」

 先走りに濡れた亀頭をまゆのクリトリスにくっつける。

 互いの一番敏感な部分が直接交わる感じが卑猥すぎて眩暈がする。

「こっちでちゅーするのも気持ちいいね」

「あ、りょ、涼くん……駄目ぇええ」

「興奮して皮から出てるの見える?」

「さ、さっきいっぱい吸ったから……」

 普段は小さくつつましやかなクリトリスがほんの一時で、膨らんで露出してしまっている。

 あまりの恥ずかしさにまゆは顔を手で覆った。

 先ほど口でさんざん吸われたから、刺激が辛い。

 赤黒い男根は、まゆの体液とローションでぬらぬらと光っている。

 初めて見るそれは、想像より大きさも長さもすごくて、とても受け入れられそうにない。

「あぁ、いいよ。まゆちゃんのひくひくしていやらしい。挿れたらどうなるんだろう」

「あ、あぁん。うっぁあ」

 涼は、恍惚とした表情で一心不乱に腰を振っている。

 先ほど絶頂を迎えた体は、再び高みを目指して熱くなってくる。

「クリ擦らないでぇ。またイっちゃう……」

「うん、今度は一緒にね?」

 ちゅっとまゆの口にキスをして、そのまま腰の動きが早まる。興奮して剥き出しになったクリトリスを容赦なく亀頭で刺激され、頭の中が白み始める。

「はぁーッ…やぁ、もう苛めないで。怖いッ」

 まゆは再び絶頂した。

「あ、かわいい、まゆちゃん。あぁ、僕も出すよ」

 お腹の上に白い飛沫が飛び散り、浴室に男の匂いが漂う。

 口の中を嬲るように舐められているうちに、ゆっくりと意識が遠ざかる。