二章 義兄のお仕置き



「なにをしてた?」

「ごめんなさい……」

「なにをしてたと聞いている」

「彼氏にお茶を出そうと思って、部屋に呼んだの」

 まゆの母親は性的なことに嫌悪感が強く、少女漫画を読んでいても少しでもそういうシーンがあると取り上げられ、きつく叱られた。

 家で男の子とあんなことをしていたと言われたら、どんなに罵られるかわからない。

「彼氏? まゆちゃんが誰もいない家で、あんなことするなんて思わなかったな」

「お母さんには言わないで」

 震えながら頼むまゆを見る涼の目が冷たい。

 涼は、昔からまゆには甘かった。

厳しい母親に叱られ萎縮するまゆを常にかばい、優しくしてくれた。

母は再婚した夫への気遣いからか、まゆに対する当たりが昔からきつい。

 なかなか義父に懐けず、居場所のないような気がしていたまゆに優しくしてくれたのは涼だ。

 具合が悪くても言い出せず、無理をしていると、いつも気づいてくれるのも涼だけだった。

 ──嫌われた。軽蔑された。

 どうしてあんなに迂闊なことをしてしまったのかと、今さら後悔する。

「まゆちゃん、いつもあんなことしてるの?」

「してない……。今日は貸してた本を返してもらったついでにお茶を出しただけ」

「男が女の子と二人きりになって、お茶して帰るわけないでしょ」

 そんなことは知らない。本当にお茶を出すだけのつもりだったのに、叱られて悲しい気持ちになる。

「もうしないから、お母さんに言わないで……。心配かけてごめんなさい」

 まゆに甘い涼なら、きっとすぐに許してくれるだろうと思ったが誤算だった。

「部屋の外まで喘ぎ声漏れてたよ」

 恥ずかしいことを言われ、耳まで赤くなる。

 あんなところを家族に見られるなんて、死んでしまいたい。

「ご、ごめんなさい……」

 ぽろぽろと涙を流す。

「普段からセックスしてるの?」

 ふるふると首を振る。キス以上のことをしたのは今日が初めてだ。

「ほんとかな……まゆちゃんが不純異性交遊するなんて思わなかったから、僕もショックだよ」

「最後まではしてない……」

「確認するよ」

「え……?」

 そう言うとまゆを押し倒し、足を開かせた。

「下着、濡れて透けてる」

 呆れたようにそう言いながら、下着の上から秘裂をなぞってから、下着を脱がせると足から引き抜いた。

「糸引いてる。おっぱい吸われて気持ちよかったんだね?」

 突然のことにわけがわからない。そんなところは、和也にだって見せていない。

 割れ目に視線を感じて、恥ずかしくて、足を閉じようとすると、

「これはお仕置きだよ、まゆちゃん」

 ぴしゃりと言われる。こんなに怖い声を聞いたことがない。いつだってまゆには優しかったのに。

 恐ろしさに身動きできずにされるがままになってしまう。

 涼はそっと剥き出しの秘裂に手を這わせた。

「こんなにぬるぬるにして、処女なんて嘘じゃないの」

 ゆっくりと、内部を確認するように指が入ってくる。異物感に恐怖心で、膝を震わせた。

「狭いな。嘘ではなさそうだけど、もう少し調べないとわからないね」

 恐ろしさに、無言でやめてくれるのを待つ。内部に入った指がゆるりと体内を撫ではじめた。

「指、抜いてぇ。んぁ、ん」

「さっきもやめてって言いながら、そうやって甘い声出してたよね。そう言うと、男が余計やりたくなるって本能で知ってるんだね」

 意味のわからない言いがかりに、言い返す気力もなく、体の中を他人にいじくり回されるという辱しめにひたすら耐えた。

 入り口の近くを撫でるように触れられると、不快感がなにか別のものへ変わっていく。

「やっ。やめてぇっ」

「僕が思ってたより、いけない子だね。まゆちゃんは。ちょっとお仕置きするよ」

 ぬちゃぬちゃと指を抜き差しされるたび、部屋に卑猥な音が響く。

 最初は辛いだけだったが、涼がまゆの反応を見ながら、弱い場所を探り当てて、執拗に撫でつけるため、時々甘い声が漏れてしまう。

「やめてって泣きそうなのに、気持ちいいの?」

「よくないっ」

「ぐちゃぐちゃになってきたけど」

 こんなふうにいじられたら、嫌でも多少反応してしまうのは仕方ない。

 情けなさに泣きながら、喘ぎ声を漏らして、涼の仕置きに耐える。

「も、許して……」

「駄目だよ。まゆちゃんが悪い子になったら、僕の責任でもあるからね」

 二本目の指が増やされ、中を撫で上げる。身体の奥が疼いて淫らな蜜がどんどん入り口から溢れてくる。

「ふっ。ふぁあん。そこいじっちゃやだ」

「感じるから? 彼氏じゃなくても感じるの?」

「ちがっ」

 中に指を入れたまま、クリトリスを撫で始めた。

 自分でするよりずっと的確な力加減と動かし方で、まゆは太ももを震わせて快楽に耐えた。

「あっ。あぁ……ん。なんでそこ、だ、め……」

「指食いしめて離さないけど?」

「そんなことしてない……っ」

 ゆっくりと規則正しい動きでまゆがどんどん追いつめられていく。

 お腹に溜まった熱が爆ぜそうで、無意識に腰を揺らす。

 あと少しで絶頂に達しそうな時、指を引き抜かれた。

「あっ?」

「ん。寂しい? ひくひくしてる。イっちゃったらお仕置きにならないからね。辛くても我慢して」


 涼はベッドに座り、まゆをうつぶせに抱き抱え、スカートをたくしあげると、お尻を丸出しにした。

「まゆちゃん、ごめんなさいは?」

「ご、ごめんなさい」

「なににたいして?」

「家族に内緒で男の子を部屋に入れてごめんなさい」

「二度としちゃいけないよ」

 パァンと音がして、お尻を叩かれたのだと知る。体の痛みより精神的な衝撃で、心が凍りついた。

「ひっく、うぇえん。ごめ……なさ」

 泣き出したまゆを、涼はさらに追いつめる。

「期待してたの? ああいうこと」

「してない。してません」

「……感じた?」

 感じてしまったなんて言ったら、もっとひどいお仕置きが待っている気がして、必死に首を振る。

「うぇっ。もうしない。しないからぁ」

「さっきより濡れてる。お尻見られて興奮した? それとも打たれるのが好きなの?」

 そんなわけはないと思いつつ、下腹がじんじんと疼いて、こうしている今も足の間がぬるついてくる。

「ぬ、濡れてない」

「見てみる?」

 涼がまゆの肉襞に手を触れ、濡れた指を見せつけた。

「じゃあ、気持ちよくなってごめんなさいして」

「ごめんなさい、えっちなことして、気持ちよくなってごめんなさい」

「お尻叩かれて、感じてごめんなさいは?」

 これ以上ひどいことをされたくなくて、言いなりになるしかない。

「お尻叩かれて感じちゃって、ごめんなさ……あっ」

 謝っている間にも、打たれた。

「まゆちゃん、いい子になれる?」

「なる……約束する」

 言っている間も何度か尻をきつく打たれ、泣きながら気を失ってしまった。

 ほんの数分だが、目を覚ますと、ベッドの上で涼に抱かれて眠っていた。

「痛かった?」

「うん……」

 すっかり怯えて、落ち込んでいた。

 素直に言うと、よしよしと頭を撫でられ、おでこや頬にキスをされた。

「赤くなってるから、手当するよ」

 冷たいタオルをお尻に乗せられ、ヒリヒリとした部分を優しく撫でられる。

 ひどいことをされたあとなのに、触り方がこれ以上ないほど優しくて、その落差にわけがわからなくなる。

 抱っこされて髪や背を撫でられ、まゆは涼の胸に抱き寄せられた。

「僕が怖くなった?」

 知らない一面を見て、怖くなったのは本当だ。

 ──でも抱っこされるの気持ちいい。

 年頃になってからはしなくなったが、幼い頃は、よく抱っこしてもらった。

 お風呂も一緒に入ったし、母に代わってまゆの欲しいものは、なんでも買ってくれた。

 年の離れた血の繋がらない異性に溺愛されて、好意や憧れの気持ちを持たないほうが難しい。

 でも自分のことを女として見てくれないのもわかっていた。

 涼には常に女の影があった。しょっちゅう女性から電話も来たし、家に女性が来たこともある。

 男らしいが色気のある美貌と、たくましい体躯で女性からもてないはずはない。

 彼氏を作ってようやく、涼を諦められると思ったが、軽蔑されるのは辛い。

 あんな恥ずかしいところを見られて、消えてしまいたかった。