4 反撃開始


「なるほどね、さすがラッセル老と言うべきか……、大胆な作戦を思いつくものだな」

 緑の塔へ飛び込んできたエドワルドが、興奮したようにラッセル老から聞き出した作戦を告げると、アデルは感心したように頷いた。

 エドワルドを待っていたので、四人は少し遅い朝食を取っている。

 今日のメニューは厚焼き玉子のサンドイッチに、キャベツを豚の薄切り肉で巻いてトマトとブイヨンで煮込んだ、ロールキャベツもどき。ひき肉をこねる手間がいらない分パパッとできて、これがまた美味しい。そしてコーンスープに、食後はブルーベリーソースのレアチーズケーキだ。エドワルドとアルベール向けのボリューミーなメニューである。

 コーンスープを見たときにエドワルドががっかりした顔をしたから、彼のお気に入りの味噌汁は別で作ってあとでお持ち帰りできるようにポットに詰めておいてあげることにする。イリスも飲みたいだろうし。

「シャーリー、この卵サンドは美味いな」

 そうだろう。卵焼きの中に刻んだハムを混ぜているから、それがいいアクセントになるのだ。エドワルドの大好きなマヨネーズも使ってある。エドワルドは絶対気に入ると思った。

「我も食べたいのだが」

 四人で食事を取っていると、エドワルドが塔に入った瞬間に姿を現したイフリートが言った。

(……え? イフリートってご飯食べるの?)

 イフリートはゲームの中のキャラクターで、なおかつ精霊。それなのに羨ましそうに食卓を見つめている。

 アルベールの肩の上のノームと、足元のフェンリルもじーっと食卓の上に視線を注いでいた。

「……食べられるんですか?」

 シャーリーが半信半疑で訊ねると、イフリートは当然だと胸を張った。分厚い胸板が暑苦しい。というか、服を着てくれないだろうか。ゲームの設定の通りイフリートは上半身裸なのだ。

「食べなくても問題ないが美味そうだからな!」

(まあいいけど……)

 エドワルドたちがおかわりするかもしれないと思って、それぞれ多めに作ってある。

 シャーリーは席を立って、キッチンから余っていた朝食を持って来た。

 空いている席に置くと、イフリートが我先にと椅子に座る。イフリートは巨体なので、椅子が壊れそうで怖い。

 アルベールの肩の上のノームも飛び降りて、フェンリルがテーブルの上に飛び乗った。

 三人(?)そろって、がっつくように朝食を食べはじめる。