22 ギルド内の掃除
初仕事から二か月が経った。集落内での生活は順調そのもので、以前のように嫌悪されることはなくなった。ただし、両親を除いて。
両親は仕方なく集落の手伝いをしているみたいだが、明らかに集落内から嫌われているようだ。それでも神経が図太いのか生活スタイルを変えようとはしなかった。追い出されるのは時間の問題かもしれない。
私は一週間のうちで穴ネズミの捕獲を一回、魚の捕獲を一回だけのお手伝いになった。以前は水汲みの仕事があったけど、他にも細々と手伝っていたらなしにしてくれた。頑張ってて良かったな。
だから、現在週四~五回くらい冒険者ギルドで働いている。大体はゴミ回収のクエストを受けて、ない時は違うクエストを受けた。
ゴミ回収のお仕事は最初はもたついていたけど、回数をこなすごとにだんだんやり方が分かってきて、今ではカルーと同じ時間でゴミの回収ができるようになった。
あと、隙間時間に薬草の採取もしていて、少しだけの収入の足しにしている。そのお陰か現在の貯金額が十八万ルタを超えたの。もう少しで二十万ルタになりそうだから、とっても嬉しい。
市民権を得るまであと三か月働けばいいんだけど、手に入れてもすぐに暮らせないんじゃすぐに取る必要もないかなって思っている。この町で私が一人暮らしできるほどの仕事があればいいんだけど、今のところ難しそう。
手に職をつければいいんだけど、何をしたいのかも分からないし、何をやりたいのかも分からない。だからどこかに就職するんじゃなくて、今はこのまま冒険者を続けていこうと思っている。
いつか町の外の仕事も受けたいと思う。この世界には魔物という人間にとって脅威となる存在がいて、日々色んな冒険者が討伐をしている。今はまだ力がなくて外の仕事が全然受けられないけど、少しずつ体を鍛えていっていずれ魔物の討伐の仕事もやろうと思うの。
でも、その前にやることがある。まずは文字と数字と記号を覚えること。これがないと冒険者ギルドのコルクボードに貼ってあるクエストが読めないし、受注もできない。仕事を始める以前の問題があるから、先に覚えることを優先しようと思う。
日常の仕事で少しずつ体力と力をつけて、隙間時間で文字とかを覚えていく。これが最近のルーティンだ。お陰で全部とは言わないけれど大分文字が読めたり書けたりできるようになってきた。あと一か月くらいで全部覚えそう。
文字とかを覚えたら、何か新しい仕事が増えたりするのかな。それはそれで楽しみ。
そして今日も冒険者ギルドの受付列に並ぼうとすると、前にカルーの姿を見つけた。
「カルー、おはようございます」
「あっ、リルおはよう。今日もゴミ回収頑張ろうね」
「はい」
二人で仲良く列に並んでいると、すぐにカルーの番になった。受付のお姉さんとカルーでやり取りをしていると、カルーの声が大きくなる。
「えっ、ゴミの回収のクエスト、今日の分なくなっちゃったんですか?」
「はい、申し訳ございません。他のクエストが少なかった影響がありまして、今日の分は締め切らせていただきました」
「そうですか……うーん、どうしよう」
どうやら今日のゴミ回収のクエストがなくなってしまったみたい。仕方がないから他のクエストを受けないといけないね。
「あ、そうしたらいつものギルド内の掃除をクエストとして出しましょう」
お姉さんはそういうと、席を離れてカウンターの奥のほうに行った。しばらくすると戻って来て、再び話を始める。
「上司の了解が取れました。どうでしょう、カルー様とリル様で冒険者たちが使う場所の掃除を行うのは。お一人四千ルタ、お出ししますよ」
「それでお願いします。リルもそれでいいよね」
「はい、いいです」
「それでは、冒険者たちが少なくなった後に掃除の開始をお願いします。詳しいことはカルー様が知っておられますので、お二人で仕事のことを話しておいてくださいね」