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「シャーロットさん、子供はまだですか?」

「おさま、申し訳ございません……。もう少し、お待ちいただければ……」

「あら、まだ生まれる見込みがあったのですね」

 わたくしの嫁いだピーターさまのお義母さまが、いつものように問われました。わたくしはただただ唇を噛んで俯き、謝るしかありません。

「そうですね、まさか由緒正しきテラス伯爵家の娘が、あさましき種泥棒である筈はないでしょうとも。しかしあなたが嫁いできてから早四年。しかも側室には子供が産まれたともなれば――」

 ジロリ、と侮蔑を孕んだ視線。まさかわたくしがこのような視線を向けられるような日が来るなんて、想像もしておりませんでした。そして、

「お母さま、ここにいらしたのですか、探しましたよ」廊下の向こうから夫が現れました。

「おお、ピーター」

「トーマスが探しておりました。あなたに逢えることを楽しみにしていましたのに」

「ああ、それは可哀想なことをしましたね。何せ孫以上に躾けなければならない者がいましたので」

「申し訳ございません、ぼくが至らず」

「いいえ、お前は何も悪くはありません。それなのに庇うとは、お前のような優しくも武勇に溢れた息子を得られて――」彼女はチラリとわたくしを一瞥されました。

「私は幸せですよ。貴族の女たる者、優秀な子を生むことこそ本懐であり幸福。ああ、なんと幸せなことでしょう」

 グッとわたくしが思わず拳を握りしめても、夫であるピーターは何も言いませんでした。わたくしに一瞥もくれず、お義母さまを見送ると、

「第二側室が懐妊した。これでわたしはしばらくお前に種をやれるが、いるか?」

 夫はわたくしの方も見もせずに言いました。

 わたくしは唇を噛みしめ、

「はい、ピーターさまさえよければ、お種をちょうだいしたく存じます」

「わかった、手が空けば行く。ローションは先に多めに塗っておけ。れてからたせた方が、無駄がなくて済む」

「はい、ありがとうございます。用意しておきます」

「礼を言うくらいであれば孕め。正妻に子供がないとは、我が家の恥。まったく、姉といい妹といい、今代のテラスの女は不作だな。テラス伯爵にはお悔やみ申し上げる。――いや、これはもしやテラス伯爵の我が家に対する陰謀か?」

「そ、そのようなことは決してッ!」

「貴族の女たるものが声を荒げるな」彼の声は針よりも冷たく、鋭いものでした。「みっともない。そう言うのであればさっさと孕め。孕まぬ女など重荷でしかない。このままでは家に帰らされることも覚悟しておくことだな」

「…………はい、承知しております」

「ふん」

 鼻を鳴らすと、彼は行ってしまわれます。

 ここで泣くことはテラス伯爵家次女としてのプライドが許しません。わたくしは部屋に戻り、気づかうキャスリンに空元気を奮い、ローションを女陰に塗りました。しかし、その日、ピーターさまはわたくしの部屋を訪れてはくれませんでした。

 ――彼は、わたくしの王子さまではありませんでした。


     ◇◇◇


 ピチュピチュと、朗らかな朝の陽光に小鳥が歌う。可愛らしい彼ら自身の躰が音符と成って、春先の目覚めを奏でていくよう。

「うぅ、ん……」

 二十九歳であろうとも、二十歳そこそこ、いや、昨日よりますます若返っているように見える、ウェーブがかったプラチナブロンドの美女、シャーロットが眼を覚ました。

 寝乱れ、ジットリと水気を含んだシーツの上で、エメラルドの瞳をしぱしぱとすれば――、

「ひゃわぁッ! デデデ、デズモンドさまぁッ!?

 自分が彼の腕枕で眠っていたことに気がついて、わたわたとしだした。二日続けて彼に抱かれ、彼の腕に縋りつくようにして朝までどうきんしてしまったことを思い出し、

 ボフンッ、シュポーッ!

 と湯気がでるほどに真っ赤になってしまう。

 しかし、彼はまだ眠っていた。

 それも無理はない。大きな魔力量を誇り滅多に体調を崩すことのない貴族といえども、その魔力のありったけを睾丸に廻して彼女へとしこたま注ぎ込めば、寝坊して然るべき。貴族が自身の魔力が尽きるまで振り絞るときは、戦場、しかも生死を賭けた極限状態であることが常だ。それを彼は昨夜自分を犯し、孕ませるためにやった。

 前夫のピーターは、新婚当初でも、彼女がなかなか孕まずに様々な療法を試しはじめたときですら、そんなことはしてくれなかった。

 ふっ、

 と二十九歳児の唇が緩み、むにゅむにゅと歪んでしまう。

「デズモンドさまぁ……ちゅっ、ちゅっ、ん~~~、ちゅっ。――ふふ」

 起きる様子のない彼に、シャーロットはぷるんと瑞々しい花びらのような唇で吸いついた。ちゅっちゅっ、と何度も吸いついては、クスクスと少女のように笑い、ちょっと思いついた貌でぺろっと唇を舐めてみれば、顔を真っ赤にしながらプルプルと震えてしまう。

「デズモンドさまぁ、お慕いしておりますわ。ちゅっ」

 と、もはや何度目かもわからないキスの朝雨を降らせれば、愛しい夫が身じろぎする。

「うぅ、シャーロット……」

「ふぁッ! アッ、そそ、そのこれはですね……」と慌てた彼女だったが、

「……あれ? まだ寝ていらっしゃるのですの? 眠っているのに、わたくしの名を……」

 そう気がついたとき、

 ――~~~~~~ッ! ~~~~ッ! ~~~~~ッ!

 お腹を押さえるようにして身悶えながら彼の胸に顔を押しつけた。

 ――~~~~ッ! ~~~~~~ッ!

 ぐりぐり、

 ぐりぐり。

 ぐりぐりぐりぃ~~~~っ!

 ようやく波が収まったらしく、

「ぷはぁっ!」

 と、息を吐いた。

 どうやら腋に顔を埋めて吸い込んでもいたらしく、

「とても、効きますわぁ……」

 何が効くのであろうか? 間違いなく、乙女のためにも訊いてはならない事柄であろう。

 すると、

「あら?」

 彼女は雄々しく屹立する〝それ〟を見つけてしまった。好奇心旺盛な二十九歳児のエメラルドの瞳が、キラキラと無邪気に輝きだす。

 ィっと見詰めて、ソッと手を伸ばしてみた。

 ――ツンツン。

 ぴくんっ!

「きゃっ! う、動きましたわ……、これって、動くものでしたのね……。…………」何かを思い出したように、顔が真っ赤にる。そしてツンツンと突つき続ける。「わ、わぁあ……、先っぽはぷにぷにしてて、長いところは固くって……、これは、血管、ですの……? 不思議な形ですわぁ……。こ、ここのところがわたくしをゴリゴリと引っ掻かれるのですね、わ、悪い方です、この、茸の傘みたいなところ……」

 ――ツンツン。

 ぴくぴく。

 ――なんだか、面白くなってきましたわ。つんつーん、つんつーん。

 ぴくっ、ぴくぴくっ。


 ――ふぉッ!?


     ◇◇◇


 あ……ありのまま、今起こった事を話そう。

 気持ち良く寝ていれば一足先にっきしていたらしいち×ぽがもっと気持ち良くなった。めっちゃ気持ちが良いからこのまま夢精したら拙いな、とか思いつつ、やけに気怠い躰で目覚め起きようとすれば――なんだか腕が痺れてんじゃねェか、これは授業中に腕を枕にして爆睡した後によく似ているぞ、なんて寝ぼけていれば、

 ――愛しの妻が全裸で腕の中にいて、大きな剥き出しのおっぱいをむにゅむにゅと押しつけながら、俺の朝勃ち×ぽを無邪気にツンツンしてはクスクスと、妖精のような貌で笑っているじゃあないか。

 いったい何が起こったのか、分からなかった……。

 昨日は魔力がすっからかんになるまで射精してしまったからそのまま腹上死で――いや、体位的には尻後死か?(しかしなんて読めばいいんだこの字、なんてことは置いておいて)――まさか俺は天国に来てしまったのではないか、次の転生先のために女神さまが現れて、前世の毒をヌいてくれているんじゃないか。或いはここは天国と見せかけた地獄で、甘すぎる地獄の責め苦を味わっているんじゃないか――などと長々つらつらとそこまで考えられたワケではなかったが――しかし、そうとでも思わなければ、この、無邪気に叔父さんといっしょに寝るーと言って同衾したてんしんらんまん無垢な姪が、俺よりも一足先に起きて年甲斐もない朝勃ち×ぽを見つけて下着まで降ろし、叔父さんのこれなぁにー? 変な形ー、でも触るとぴくぴくして面白ーい、つんつん、つんつーん、って状況に似た、背徳感満載過積載のこの状況には決して耐え切れなかったと思うのだ。

 そして冷静になった俺が、こうしている相手が最愛の妻であって、それならば悪戯してみてもいいんじゃないか、いいぜ、ヤっちまいなよ、って気持ちになることに、いささかの問題も矛盾もないものだと、声高に主張するものなのである。

「きゃぁッ! すごい、急にびょんびょんしだすようになりましたわ。も、もしかして、触り過ぎて壊れてしまったのでは……?」

 ――うんうん、これも無知シチュの醍醐味だねー。

 ほのぐらい愉悦を滾らせながら股間に力を入れてびょんびょんさせていれば、シャーロットはまるで子猫のようになって――今世では君の方が年上だけど、俺にとって君は永遠の子猫ちゃんサ(どうだろ、この台詞は彼女、好きだろうか? 元の世界では絶対に言えない言葉だったし、前世のつらだったら即事案発生だが、〝異端〟の黒髪黒目でも今世のイケメン貴族マスクであればセーフだと思うのである――泣いてないよ? 泣いてないんだったら、泣いてなんかいないんだから――)、彼女はびょんびょんする俺の愚息をツンツンしようと躍起になっていた。

「ど、どうしたら良いのでしょうか……、わたくしが悪戯した所為でデズモンドさまのおち×ぽが……」

 ――ウンウン、君に悪戯されちゃった所為で、俺のち×ぽはびょんびょんが止まらないんだ。悪い娘だなー、シャーロット。ホラ、もっとツンツンしてくれー。びょんびょん。

「はわわぁ……」

 あくまでも俺は眠っているていだから愉悦顔を浮かべるワケにはいかなかったけれども、もはや童心――と言うにはとてもとてもあくらつで卑猥で悲惨だったけれども、びょんびょんが止められなかった。しかし、ふと、俺の脳裏に風と共に這入り込んできた予感があった。それは天罰みたいなもので、どうしても抗えないような……。

 ――いや、まさかとは思うけれど、叩いて直そうとか、捕まえたり……。

「待ってくださいっ、おち×ぽさんッ!」

 ギュッ!

「おぅうううッ!」あんまりの衝撃に俺はビックンと腰から跳ね上がってしまった。

「きゃああ!」

 なんて悲鳴と共に手が離されてしまったのは残念だったけれど、この衝撃と合わせてこれは、完全に自業自得――。

「強っ、強いからぁッ! シャーロットぉおッ!」

 ――ってかこの娘、今なんておっしゃいました? おち×ぽさん? 二十九歳の美女が? そんなのもう、ギュって握られても許すしかないじゃないかぁッ! クソありがとうございましたァッ! と馬鹿な男の気も知らないで、

「あぁッ! す、すいませんデズモンドさま……、――って、まさか起きていらっしゃって……」カァア、と彼女の可愛らしい顔は真っ赤っかとなった。「ひ、ひどい、酷いですわぁッ! お、起きていらっしゃったのならば言ってくださればぁ……」

 ――ウン、可愛い可愛い。男であれば誰だって俺の気持ちが分かるだろう。

 こんな状況はファンタジーのように思えるし、そもそもこんな可愛い妻がいることがファンタジーだ。だからこんな可愛い女性を子供が生めないだけで家に戻すだなんて、前の夫は馬鹿だしザマァとありがとうとしか思えない。

 この可愛さに気がついて取り戻しに来たって、絶対に譲ってなんかやらないんだからな。

 と、俺は、羞恥にわたわたしながらも腕枕からは決して退かない彼女の肩を捕まえて抱き寄せ、耳元に唇を寄せてやったのだ。

「シャーロットがおち×ぽに夢中になってるのが滅茶苦茶可愛くて嬉しくてさ。そんなにも俺のおち×ぽを好きになってくれたんだ」

「う、ぁああ……」

 あわあわする妻のすべすべの肢体をいやらしい手つきで撫で回しながら、尻を揉む。そのまま内側へとスウィープ。

 ――ぐふふ、

 と内心の笑みはまんまエロ親爺。

「だ、駄目ですわデズモンドさまぁ……」

 んぅう、と可愛らしく身悶えられてしまえば、むしろもっとやってと誘っているとしか思えない。ソッとすべり込ませれば、

「濡れてるな。いやらしいシャーロットは、眠ってる俺のち×ぽを弄りながら何を想像していたのかな?」

「や、やぁあ……、な、何も想像してはおりませんわぁ。おイタはぁ……」

「おイタをしたのはシャーロットの方だろ」――ウン、マジでお痛だった……。

 微かに蜜を滲ませる割れ目をすりすりと弄ってやった。あえかな吐息がたまらなさ過ぎる。「そんなに触ってみたいんだったら触ってもいいぞ。でもさっきみたいな強いのは止めてくれよ。敏感だから、優しく……」

 ちょっと怖がりつつもピコピコと怒張を上下させてやった。はわわわわ、なんて俺の腕の中でドキドキしている彼女だけれども、以前【火球ファイアーボール】を投げつけられたことを、チキンな俺は決して忘れてやしないのである。

 ――調子に乗ることだけは、気をつけよう……。


     5


「よ、よろしいのですの?」

「優しくしてくれればむしろ触って欲しい」――と、こたえてから念を押す。「ホラ、昨日触られて、俺が気持ち良がってたの知ってるだろ?」

 そう言えば、

「そうでしたわね、――ふふ」

 ――うっわぁ、メッチャぞくってした。

 ち×ぽに興味津々な無垢な少女だったかと思えば、今の笑みはわくてきな美女そのものの笑みだった。――年相応。感動しつつも内心、俺、ナニされちゃうのかしら? ってドキドキが止められない。シャーロットは、ソッ、と、嫋やかな指で肉根を巻いてきた。

「熱い、ですわ……。それに、ピクンピクンとして……。気持ちが良いのですの?」

「ああ、気持ち、良い……、おぅう……」

 あまりにも優しげで愛おしげな手つきに俺は顎を上げて呻いてしまった。シャーロット、君、わかってるか? 君の擦ってるのは俺のおち×ぽなんだぞ? そんな手つきで撫で回すものじゃあ……、うぅっ……。

「本当に気持ちが良さそうですの……」

 妖しく細められたに見上げられれば、ますます得体の知れない快美感に背筋を這い回られてしまう。彼女の手のうちでピクンピクンとしてしまえば、

 いやッ、恥ずかしいっ、でも感じちゃうのッ! って感じだ。気持ち悪い? なんとでも言えば良い。そんな非難、この愛撫の前じゃあ何にもならないのだから。フハハ!

「あぁあ、ヤバ、これ滅茶苦茶良いよ、シャーロット……、その、出来たらタマタマの方もコロコロしたり――あ、もっと敏感だから絶対に優しくだぞ、絶対に」

 大事なことだから二回言った。

「ええ、わかっておりますわ。だって、わたくしを孕ませてくれる子種が、ここに詰まっているのでしょう? お種の、お袋。大事にしなくてはなりませんわ。コーロコーロ♪」

「アッ! うぅう……」

 ヤバい、これ、ヤバい。駄目、目覚めちゃうぅ……。これで更に、

「シャーロット、乳首を舐めてもらったりしてもいいか?」

「乳首ですの?」

「ああ、シャーロットが乳首で感じるように、俺も乳首で感じるんだ」

 されたことはないけれど、知識の上でならそうらしい。すると彼女は、

「もう、意地悪なデズモンドさま」

 ――あああ……、甘ったるい声と拗ねた表情がぁ……、

「それなら舐めて差し上げますわ」

 チロリ、

 と彼女はピンクの舌で唇を潤していた。

 う、うわぁああッ! うわぁあああッ! なんでそんな嗜虐的な貌も出来んだよぉッ! や、やっぱちょっと待って。こんなんでタマタマコロコロち×ちんシコシコ乳首ペロペロされたら俺はもうッ!

「おぁあ……」

「ちゅっ、ぺろっ。本当に気持ちが良いらしいですわね。チロチロ……、ちゅっ、わたくしの手の中でおち×ぽがぷくっと膨らみましたわ。――ふふ、お可愛いこと」

 お可愛いこといただきましたァッ!

「きゃっ、駄目ですわぁ、おち×ちんさんが、ビクッとしましたわ。……あれ? 何か先っぽからぬるぬるしたものが出てきていますわ。これは、なんなんですの?」

 くっ、あぁあ……、ナチュラルに鈴口ぬりゅぬりゅしにゃいでぇえ……。

 やはりこれか? 無知×かける天然×かける淫乱イコール射精管理力ッ!

 ――あれ? 前と何か違う……? いや、今はそんなことを言っている場合じゃなくってぇ……。

「触ってるとますますたくさん出て来ますわ。デズモンドさま、これはいったい何なのですの? ねぇ、ちゅっ、ペロペロ……教えてくださいませ」彼女は俺の乳首を舐めるのも忘れない。

 信じられるか? これで性知識はないんだぜ? この世界に性欲がなくって本当に良かったと思う。もしもあったら、俺なんて風の前のちりに同じだ。

「そ、それはだな……、おぁあ……」駄目だ、俺の理性も風前の灯火ともしびィ……。「お、男も濡れるんだよ……。シャーロットだって、濡れるだろ?」

 すると、

 ――おっ、今度は可愛いモードだ。顔を真っ赤にさせてぷるぷるして……ウン、可愛い可愛い。

 そう思ってニマニマしかけた俺のなんと浅はかで馬鹿であったことか。

「お返しですわ」

「ふぇえ?」

 と驚いたときの彼女のような声を出してしまった。男が言ったって何も可愛くはない。が、似た者夫婦って言われるのは嬉しいけれども、攻守の逆転したこの状況、俺の生殺与奪権は文字通り彼女の手に握られているのである。