あとがき



 この作品を手に取ってくれた奇特な読者のみなさん、本当にありがとうございます。

 そして非モテサラリーマンの世界にようこそ。

 この作品は「30歳童貞で魔法使いになれる」そんなパワーワードを作者がどこかで目にしたことから生まれました。

 30歳で突然魔法が使えたら楽しいだろうなと思い書き始めましたが、きっとこの本の読者の皆さんも魔法を使えたらなんてことを一度ならず考えたことがあるはず。

 私自身、子供の頃に魔法や何とか波を夢見ていましたが、残念ながらいまだに出せたことはありません。

 当時お風呂の中で何度試みてみたことか……。

 もう、わかってる。

 大人になった自分は魔法使いにはなれない。

 しっぽの生えたスーパーな主人公にもなれない。

 だけど、今でも時々そんなことを夢想することがあります。

 それを世間では厨二病といいます。

 主人公の修太朗も御多分に漏れず厨二病患者ですが、そんな夢想家なところを持ちつつ夢の30歳から更に十年、現実を知りそれでも折れずに頑張ってきました。

 修太朗が頑張ってきた四十年がリアルの世界。

 ちょっと老け顔の普通のサラリーマンがかつて夢見た魔法使いになる。

 そんなリアルから抜け出した夢のような世界がここにはあります。

 厨二病な大人が夢をかなえた世界、それが非モテサラリーマン修太朗の世界です。

 魔法使いになれるかどうかはわかりませんが、誰でも夢見る事は自由です。

 魔法を使ってみたい。

 お金持ちになりたい。

 ヒーローになってみたい。

 異性にモテたい。

 色んな夢があっていい。


 ちなみに私の夢は小説家になる事ではありませんでした。

 むしろ、文章を書くことが苦手でずっと避けてきました。

 学生時代、卒業論文も書かずに卒業に成功し、今までで一番長く書いた文章は小学生の時に書いた修学旅行の課題。

 原稿用紙10枚でした。

 小学生の私にとって原稿用紙10枚は過酷すぎました。観光そっちのけで死にそうになりながら書いた記憶があります。

 当時、本当の意味での修学旅行に絶望しました。

 それがトラウマになったかどうかはわかりませんが、それ以来何かを書いて形にすることはありませんでした。

 そんな私が大人になり、いろんな方の小説を読んでいるうちに何を思ったのか突然小説を書き始め、いつの間に本を出版して「モブから始まる探索英雄譚」というアニメ化作品まで生み出してしまいました。そして本作は、そんな「モブから始まる探索英雄譚」に続き、ホビージャパンさんから出させていただく第二弾となります。

 人生何が起こるかわかりません。

 夢のような本当の話です。

 そんな私は魔法使いではなく夢の小説家になってしまいました。

 夢見ていれば夢が現実になることもあるかもしれません。

 夢は突然降って湧いたようにかなうこともあります。

 夢見ていなくても、何かのきっかけで現実が夢になることもあります。

 皆さんの現実もある日突然夢見た世界に変わることがあるかもしれません。

 修太朗や私がそうであるように。

 また次回、皆さんにお会いできることを夢見て非モテサラリーマンの世界でお待ちしています。